今年のRCJJ(RoboCupJunior Japan)のジャパンオープンの競技の一つになっている CoSpace Autonomous Driving について・・・ルールを読んでみました。
読む前から・・・いろいろと謎が多かったのですが・・・ルールを読めば(私の疑問が)解決するかと思ったのですが・・・あまり解決してません。
とりあえず、 順番に書いていきます。
RCJJの Rescue Simulation 技術委員会(以下 「レスキューSIM委員会」)のブログの以下の記事が元です。
まず、適用ルールなのですが・・・ブログ記事には
RoboCupJunior CoSpace Autonomous Driving Rules 2021(U-12)
と書かれています。
最初の疑問が「なぜに U-12 のルール?」です。
U-12なので、12歳以下の参加者のためのルールです。後で書きますが、ルールの中にも参加可能な年齢が7歳~12歳と書かれています。
ということは、ジャパンオープンでも7歳~12歳しか参加できないのでしょうか?
でも、(2023年の)予選会の記事では、
参加資格:メンバー全員が,19歳以下(2023年7月1日時点) であること。
と書かれています。
さらに、混乱するのが、RCJJのHPの「ロボカップジュニア・ジャパンオープン2023名古屋」の開催概要のページ
ここには、競技種目の World League にも NIPPON League にも「CoSpace Autonomous Driving 」が書かれています。
一体、「CoSpace Autonomous Driving 」の参加可能な年齢はいくつなのでしょうか? (苦笑)
ちなみに、CoSpace Autonomous Driving でのルールは全部で6種類あるようです。年齢で U12 First step、U12、U19の3種類、形式で Online Challenge Version、Hybrid Challenge Version の2種類で、それぞれの組み合わせで合計6種類。
レスキューSIM技術委員会が指定しているのは、Online Challenge Version の U12です。
では、ルールを読んでいきます
序文(PREFACE)に
in both real and virtual environments
と現実環境と仮想環境の両方で・・・と書かれていますが、このルールの中ではすべて仮想環境で実施するので、現実環境では競技はありません。ルールのレビューが足りないなぁ・・・という印象です。
2.1.1 team should consist of 1 to 2 members.
ルールでは、チームの人数は1~2人と書かれています。
しかし、RCJJの募集の情報では
チーム人数は、2名以上、4名以下のこと。(但し、Autonomous Drivingはデモ競技につき今回は1名での参加も可とする。)
と書かれていて、ルールと合っていません。
一体、参加可能なチーム人数は何人なの?
2.1.3 Teams with all students aged 7 to 12 year old can take part in CoSpace Autonomous Driving U12 Category.
上にも出てきましたが、ルールでは参加可能な年齢は7~12歳です。
RCJJの募集情報と合っていません。
あとは、ずっと・・・ルールを守りなさいとか、こんなことはやっちゃダメ・・・が続きます。
ちょっと笑うのは、6.4章の精神(Spirit)です。RoboCupJuniorのマネですね。(RCAPの競技だから、RoboCupJunior と同じと言われると、その通りなのかもしれませんが・・・)
6.4.1 It is expected that all participants (students and mentors alike) will respect the RoboCup Asia Pacific mission.
この RoboCup Asia Pacific mission というのは、どこに書かれているのでしょうか?
さて、7章から、やっと競技のルールっぽくなります。
7.2.1 The VIRTUAL_WORLD may consist any of black/white guidelines, obstacles, gantries, waypoints, detour markers, and mysterious tasks.
競技フィールドには、以下のものがあります。
・白や黒のガイドライン(いわゆるライントレースの線)
・障害物(obstacles)
・ガントリー(gantries)⇒ゲートみたいなもの
・ウェイポイント(waypoint)⇒チェックポイント
・ウェイポイント(waypoint)⇒チェックポイント
・迂回マーカー(detour markers)⇒交差点のマーカー
・謎のタスク(mysterious tasks)⇒謎?
というのが列挙されています。が、最後の「mysterious tasks」は、この説明だけで、以降にも何も書かれていません。ということで、本当に「謎」のルールです。(笑)
で、7章にはフィールドの説明が、8章にはロボットの説明が、あっさり書かれています。
9章が、いよいよ競技の説明ですが・・・ここもあっさり書かれています。
読んでみて、やっとこの競技の概要が分かりました。
ロボットは、スタート地点からスタートして線をたどって進み、フィールド内のすべての Waypoint と Gantries を通過して、ゴール(Finish Line)に行くと終了です。スタートからゴールまでは、1本線ではなく、進むコースを自由に選ぶことができます。(コースを見て作戦を考えて、経路を決める!?) 交差点には、様々な色のマーク(Detour Markers)が設定されるので・・・例えば黄色の交差点では右折する、赤色の交差点では左折する、などのプログラミングをしてロボットを誘導します。
つまり、コース見て、どう進めば効率的かを考えて、ロボットを誘導するプログラムを作るので、いわゆるプレマッピングをする競技のようです。
勝敗(評価)は、すべてのWaypoint を通過して、ゴールした場合は時間が短い方が勝ち。(これは明確!) ゴールしていない場合は最後のWaypointに到達した時間と通過したWaypoint数で決めると書かれているですが、その決め方が書かれていないので、どういう評価で勝敗を決めるのかが分かりません。
さらに・・・
9.3.3 VIRTUAL_ROBOT is required to pass all waypoints or gantries successfully in any order.
9.3.3では、waypoints と gantries とかかれているのに
9.4では
VIRTUAL_ROBOT passes all waypoints and reaches the finish line.
と、waypoins しか書かれていません。(gantriesは通過しなくていいの?)
と、いろいろな疑問が沸いてしまいます。
10.1.1 There will be 2 round of challenges – preliminary and final.
競技は、予選と決勝のラウンドがあるようです。
10.1.2 Teams will be judged based on video presentation and the preliminary challenge result. Teams have passed the assessment criteria will enter the finals.
その予選の結果と、ビデオプレゼンテーションの審査結果で審査基準に合格すると決勝に進めるようなのですが、肝心の審査基準が書かれていません。
(やっぱりルールとして、中途半端な感じです)
ジャパンオープンでは、このルールに書かれている、ビデオプレゼンテーションの評価をするのでしょうかねぇ?
とりあえず、以上です。
これ、日本のレスキューSIM技術委員会の委員は、ちゃんとルールを読んで理解しているのでしょうかねぇ?
ちゃんと読むと、こんなに疑問が出ると思うのですが・・・
もし、理解していて、ここはルール通り、ここはルールに従わない、と整理されているのであれば、その整理した結果を掲載して募集して欲しいです。
私は CoSpace Autonomous Driving の競技を否定しているわけではありません。CoSpace Grand Prix の頃から面白い競技だと思っていました。ただ、組織として競技を実施するのであれば、真面目に(説明に矛盾が無いように)実施して欲しいです。