ライントレースをするロボットの競技会では、必ず「フラッシュ禁止」のルールがあります。 ライントレースをするための光センサーにフラッシュの強力な光が当たると、誤動作してしまうからだそうです。 いろいろ調べてみると、LEGOの光センサーは赤外線を使用したセンサーのようです。
先日見学に行ったWROの会場でも、競技毎に「フラッシュを使用しないでください」とアナウンスがありました。
サッカーのように光センサーが横向きに(前向きに)付いていれば、外光の影響を受けやすいのは納得できます。 いままで経験してきた大会でも、大阪のジャパンオープンの会場は、天窓はあるし、出入り口からの外光も入って、サッカーチームとしては大変環境のよくない会場だったと思います。
では、レスキューの場合はどうでしょうか? 光センサーは必ず下向きに付けられています。 これで外からの光(や赤外線)の影響を受けるとすれば、光が床に反射してその反射光が光センサーに影響を及ぼすのではないかと想像されます。
そこで、実験してみました。 単純に光センサーを下向きに付けたロボットを作成しました。(光センサーの先端と床の間は約8㎜です) これで、黒線を計ると値は約50で、白は約60でした。 そこで、光センサーの値が55以上になったら音が鳴るプログラムを作成して実験してみました。
光センサーを黒線に置くと音は鳴りません、光センサーを白の上に置くと音がなります。(そのようにプログラムしたのであたりまえですが) では、光センサーを黒線の上に置いて実験開始です。
(1)カメラのストロボをロボットの近くで光らせても、なんら影響は無いようです。 光センサーを少しずつ持ち上げて、ストロボの光が直接光センサーの受光部に当たるようにしていっても45度くらいでは、特に反応は変わりません。 さすがに直接ストロボの光を光センサーに当てると音が鳴りました。
(2)ロボカップのサッカーで使用する赤外線を出すボールで実験してみました。 こちらも、黒線の上に光センサーを置いた状態で、ボールを近づけてもなんら変化はありません。 ボールを10㎝程度の距離に置いたまま光センサーを少しずつ(ボールの方向に)傾けると、やっぱり45度くらいでは、反応は変わりません。 さすがにそれ以上傾けると、音が鳴りました。
※実験したのが、夜だったので、太陽光での実験はできませんでしたが、おそらく太陽光はこれらの実験で使用した光源に比べて非常に強力なので、影響が大きいのだと思います。
以上の実験から、ストロボや(良く言われている)ビデオカメラのオートフォーカス等の赤外線くらいでは、レスキューのロボットが誤動作するとは考えにくいと思います。
この実験はあくまでも、個人的なものであり、結論も私個人のものです。
とはいえ、ロボット競技会の会場では、マナーとしてフラッシュを使用しないことは必要と考えます。