「明日はきっと いいお天気になるだろう。
いっしょに撮影にいこうぜ。
こあいだ買ったばかりのザスパ草津のユニフォームを着てね」
といっていた写真好きの友人が突然入院してしまい
ぼくは秋晴れのこちら側に 取り残された。
ひとたばの稲穂のように。
逢いたい女はいないし さてさて
今日はレコードでモーツァルトを聴いてすごそうか
・・・と思ったけれどやっぱりじっとしてはいられなかった。
あれをしてこれをする。
これをしてあれを。
浮き世の雑事に追われながら
そんなふうにしてぼくの残り時間は減っていく。
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雨の夜、妙齢のうつくしい女性がやってきて、
「さあ、わたしをどこかへつれていって!
おいしいワインが飲みたいわ。レアのチーズケーキが、とってもおいしいお店を知ってるの」と誘う。
胸元がたっぷりとあいたシルクの淡いピンク系のブラウス。
むっちりとした谷間にゆれる小粒のルビー(大きすぎるのは下品)が、キラキラと光って眼を射抜かぬばかり。
あー、その色香に足もとふ~らふら、ノックダウン寸前の三毛ネコさん!
な~んてこと、あったらいいな(笑)。
冗談はさておき――今日書きたいのは、雨の夜の風情。
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