二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

神様たちの午さがり(ポエムNO.2-71)

2016年02月21日 | 俳句・短歌・詩集
ほとんど汚れのない真っ白い大理石のテーブルの上に
大きな黒っぽい虫籠が置かれている。
神様たちが集まってきて
持ち寄ったそれぞれの虫籠について
おしゃべりに余念がない。

「その宇宙と この宇宙を取り替えないかね。
もう観察するのに 飽きてしまった」
「そうか いいだろう。
ところでそっちの宇宙にはなにがあったっけ?」
「銀河系内に 地球というちっぽけな惑星がある。
ただし あまりに微細なので 電子顕微鏡を使って
見えるかどうかだが・・・」

虫籠のように見えるのは
それぞれ独立した たくさんの宇宙。
神様が持ち寄ったものだけで 15、6個の宇宙がある。
薄い紅茶を飲みながら
それぞれの宇宙について 品評会がはじまっている。
金色や銀色の鳥が(鳥のようなものが)さえずる ぶどう棚の下
45億年か もっと長い時間。

神様にとっては 退屈なたいくつな午さがりなのだ。

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