二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

春眠(ポエムNO.2-92)

2017年03月05日 | 俳句・短歌・詩集
一羽のカワセミがDiveする
きみの遠い日の記憶の中へ。
飛び散ったものが一瞬
あたりへ雨のように降り注ぐ。
そして それだけ。

酔っ払いのバラードが聞こえる。
別れの曲を歌っているのはだれだろう
だれだろう?
きみの心の塩からい海。
コップ一杯の 真っ青な海

・・・から
なにかが両生類のようにぞくぞくと上陸し
こっちへやってくるのが見える。
ああ はやく眼を覚まさないと
覚まさないと
ぼくは学校に遅れしまう 今日も。

その不安からほどけてくる思い出。
これ以上ひっぱったら
いまここにいる ぼくやきみもほどけて
長い ながい一本の毛糸になってしまうだろう。
その毛糸 赤や青の毛糸の端をかすめて

一羽のカワセミがDiveする
きみの遠い日の記憶の中へ。
さよなら さよなら
ぼくはある夜 近づいたり遠ざかったりする若き日の思い出に
別れをつげる・・・つげる。

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