わけのわかるものの隣に
必ずわけのわからないものが存在する。
死のとなりに 生が存在するように。
男の隣に女がいるように。
眼の隣に手があるように。
じゃがいもの隣に包丁があるように。
それらは 一対となって何事かをなす。
この光景から学ぶべき 多くのこと。
ぼくは自分が写したj-peg画像を さっきから つぎつぎ見ている。
音楽のような写真。
絵のような写真。
詩のような写真。
写真のような写真。
ぼくは 正解が最後の一行にこめられているのを知っている。
物語から逃げ出すと 歩くのが とても自由になる。
抜け出すと・・・といってもいいけれど。
歩行のリズムで 撮影していく。
廃屋に咲く 鮮やかなグラジオラス。
コップに閉じこめられた野良犬の足音。
禿頭のてっぺんにのっかった 錆びだらけのベンチ。
ぼくが立ち止まるのは 大抵は時間にもみくちゃにされた街角さ。
ある日 一冊の本を読みおえて パソコンの前にすわった。
なにか書くべきことがあるようにおもったからだ。
ところが 書くことはなにもなかった。
さっき読みおえた本の内容も ほとんど覚えていなかった。
「復興支援 復興支援!」と叫んでいる人の何割が偽善者なのだろう?
ぼくには やるべきことはなにもない。
――そう書くことに いま 少しだけ勇気が必要だが。
シューベルトの「さすらい人幻想曲」を聴いていると
ぼくは10年は若返って 好きな女性のいる街へ飛んでいきたくなる。
40代のはじめごろまでは ね。
いまではそんなこともなくなったが この一曲を聴いていると
不意に涙がこぼれそうになったり 胸騒ぎにとらわれたりする。
なぜかはわからない。
わたしは「わたしは」というのに飽きたから ぼくといってみる。
世間知らずの若造に返った気分・・・というニュアンスを少しこめて。
「ぼく」といったとき そのことばの背後から
微風のようなものがやってくるのを感じる。
なぜかはわからない。
それもひとつの答えさ。
ということに さっき気づいた。
必ずわけのわからないものが存在する。
死のとなりに 生が存在するように。
男の隣に女がいるように。
眼の隣に手があるように。
じゃがいもの隣に包丁があるように。
それらは 一対となって何事かをなす。
この光景から学ぶべき 多くのこと。
ぼくは自分が写したj-peg画像を さっきから つぎつぎ見ている。
音楽のような写真。
絵のような写真。
詩のような写真。
写真のような写真。
ぼくは 正解が最後の一行にこめられているのを知っている。
物語から逃げ出すと 歩くのが とても自由になる。
抜け出すと・・・といってもいいけれど。
歩行のリズムで 撮影していく。
廃屋に咲く 鮮やかなグラジオラス。
コップに閉じこめられた野良犬の足音。
禿頭のてっぺんにのっかった 錆びだらけのベンチ。
ぼくが立ち止まるのは 大抵は時間にもみくちゃにされた街角さ。
ある日 一冊の本を読みおえて パソコンの前にすわった。
なにか書くべきことがあるようにおもったからだ。
ところが 書くことはなにもなかった。
さっき読みおえた本の内容も ほとんど覚えていなかった。
「復興支援 復興支援!」と叫んでいる人の何割が偽善者なのだろう?
ぼくには やるべきことはなにもない。
――そう書くことに いま 少しだけ勇気が必要だが。
シューベルトの「さすらい人幻想曲」を聴いていると
ぼくは10年は若返って 好きな女性のいる街へ飛んでいきたくなる。
40代のはじめごろまでは ね。
いまではそんなこともなくなったが この一曲を聴いていると
不意に涙がこぼれそうになったり 胸騒ぎにとらわれたりする。
なぜかはわからない。
わたしは「わたしは」というのに飽きたから ぼくといってみる。
世間知らずの若造に返った気分・・・というニュアンスを少しこめて。
「ぼく」といったとき そのことばの背後から
微風のようなものがやってくるのを感じる。
なぜかはわからない。
それもひとつの答えさ。
ということに さっき気づいた。