図書館で目につき、借りてきて、あっというまに読みおえた。
講演記録だし、いつものような「のんしゃらん節」がおもしろかった。
いったいなにが問題とされているのか、わかるようでわからない、わからないようで、ちょっとだけわかる。韜晦を信条としているわけではあるまいが、つかまえどころのない奇妙な小説家・・・というのが、わたしの小島さんに対する印象であった。
素人にうけるのではなく、玄人にうける小説家。
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小林よしのりについては、もうOFFモードにしておこうと考えていた。
感想といっても「ふんふん」という以上、あまりいうべきことがない。
たまたま本書と「沖縄論」が、BOOK OFFの105円コーナーに出ていたのだ。
それで、ついふらふらっ、と手にとってしまった。
大東亜戦争肯定論の立場から書かれた、単純明快な靖国論。
「戦争論2」や、「新ゴーマニズム宣言」vol.11~14などから、靖国論として再 . . . 本文を読む
「魂」につづいて「生」を読みおえたので、感想を書いておこう。
「ボリュームがかなり大きい。つまみをもっと絞ったほうが、より効果的なのではないか。少なくとも、わたしの好みとして」
「弱いのだなぁ。だから、ストレスを強く感じてしまう」
「被害的な感受性がある。ナゼワタシダケガコンナメニ! と書かれている。『あなただけではありませんよ。あなたよりひどい状況に追い込まれている人は、いくらでもいる』といって . . . 本文を読む
その日は定休日だった。
「命」4部作のうち、第1作の「命」だけを買って、公園の駐車場で少し読み、それからスパーマーケット、コンビニなどに立ち寄り、家に帰った。その日、夕刻には「命」を読みおえた。「うーん。どんなレビューを書いたらいいのだろう」
強い印象を受けた本ほどそうなるけれど、心のゆれがなかなかおさまらない。
「これを小説としては評価できないな」
評価という名の天秤は、だんだんそういう方向へか . . . 本文を読む
ちくま文庫で「私の『戦争論』」を読んだので、独断と偏見に満ちた書評を書いておこう。
買ったのはいつだろう? 記憶にないけれど、1年以上は寝かせているうち、もっていることすら忘れていた。
通勤途上で、あるいは仕事ででかけたついでに、4カ所5カ所のBOOK OFFをのぞいて歩くので、買ったまま、ほかの本の下にまぎれてしまい、「あれれ、こんな本が・・・」という状況が出現したりする。
昭和史への長いあい . . . 本文を読む
ずっと昔は、ヤナギ・ミサトと読んでいたことがあった。
ユウ・ミリだと知ったのは、NHKのドキュメンタリー番組を見たときではないだろうか?
少し驚いたが、同時に反発も感じた。
あまりに徹底した「自己劇化」の手法に、「なにもかも、あんたがそれを求めた結果にすぎないだろう」「あんたが、望んだ通りになっただけじゃないか」といいたかったのである。
周囲の人間や、自分自身を食い物にする・・・そういう人種がい . . . 本文を読む
本書は、フローベールの小説「感情教育」をめぐって、19世紀パリ風俗を語った、フランス文学の入門書であり、文化論である。
18世紀に急速に成長し、フランス大革命で大きな折り返し点をむかえたブルジョアジーは、その後紆余曲折をへながら、19世紀なかばから、末期へかけて絶頂期へと入っていく。これによって、フランスの時代、パリの時代が花開き、輝かしき「ブルジョアの世紀」とよばれる時代が形成される。ユゴー、バ . . . 本文を読む
本書に対する評価はまっぷたつに分かれている。賛否両論、喧々囂々。
『南京事件について「あった」「なかった」などの結論を持たずに、あくまで一次資料などから
その実体を調査している人にとっては常識であるが、この本には改竄が多すぎ、全く信用に足らない。参考文献として引用されているのも、でたらめで有名な本である。』(AMAZONカスタマーレビュー)
『南京事件を語るとき否定にせよ肯定にせよ、感情的な論議 . . . 本文を読む