【ソウル=岡部雄二郎】韓国紙・中央日報は30日、韓国軍関係者の話として、北朝鮮が今月5日に新型の対艦巡航ミサイルを日本海へ発射していたことが分かった、と報じた。韓国軍は約100キロ・メートル飛行したのを探知したが、公表を見送ったという。韓国国防省は30日、このミサイル発射について、通常の夏季海上訓練の一環と評価していることを明らかにした。

 巡航ミサイルは、有事の際に朝鮮半島に接近する米空母などへの攻撃に使われる恐れがあり、性能が向上すれば米韓両軍にとって脅威となる。北朝鮮は今年4月にも巡航ミサイルを発射しており、相次ぐ発射で精密攻撃能力の向上を図っている可能性がある。

 韓国政府は今月3日、北朝鮮との対話再開に向けて外交・安全保障担当の閣僚級人事の刷新を発表していた。中央日報は、発射がその直後に行われたことなどから、「発射の事実を(対外的に)知らせることに韓国軍が負担を感じた」可能性があると伝えた。