あるのか北朝鮮のウクライナ侵攻参戦? ロシアの支援要請をむげに断れない理由
4/13(水) 14:00配信
ロシアから“たってのお願い”であるならば(北朝鮮の金正恩総書記=朝鮮中央通信・共同)
ロシア軍がウクライナに侵攻してから1カ月半。苦戦を強いられているロシアが、北朝鮮に軍事支援を要請したという。北の参戦で戦況は大きく動くのか。 【写真】元ミス・グランド・ウクライナが軍隊入り「侵略者は皆殺しだ!」
ウクライナのニュース放送「TSN」によると、3月中旬以降、ロシアのショイグ国防相が中国と北朝鮮を訪問し、消耗した弾薬・ミサイルなどの支援を要請したという。中国には断られたが、北朝鮮は要請に応じたという。
すでにロシア側には、チェチェンの義勇兵とシリアの傭兵が参戦している。最大1万5000人のロシア兵が戦死したとされるだけに、ロシアが援軍を欲しているのは間違いない。しかし、北朝鮮が参戦したり軍事支援することがあり得るのだろうか。
コリア・レポート編集長の辺真一氏はこう言う。 「北朝鮮が自ら手を挙げることはないでしょうが、ロシアから“たってのお願いだ”と強く要請されたら、断らない可能性があります。旧ソ連時代から北朝鮮はロシアに助けられてきた。朝鮮戦争の時も支援を受け、プーチン大統領には、100億ドルの債務を免除してもらっています。恩を返すなら、いましかないと考えてもおかしくない。なにより、後ろ盾であるロシアが敗北し、弱体化するのは、北朝鮮にとっても困るはずです」
シリア内戦でも派兵していた
陸軍だけで110万人(北朝鮮建国73年の記念日を迎え、平壌の金日成広場で行われた「民間・安全武力閲兵式」=コリアメディア提供・共同、2021年9月)
公式には認められていないが、これまでも北朝鮮は、ベトナム戦争や第4次中東戦争にも義勇兵を送ってきたという。シリア内戦でもアサド政権に援軍を送っている。アサド政権は北朝鮮の兵士に月5000ドルを支給していたとも報じられている。
ロシアへの軍事支援と直接関係があるのか不明だが、金正恩総書記は3月下旬、「第3次世界大戦の勃発に備えて準備を整えなければならない」などとする“戦争準備指令”を発出したという情報も流れている。
もし、北朝鮮が参戦するとしたら、どのくらいの戦力になるのか。 「北朝鮮の陸軍兵力は、ざっと110万人。ロシアの総兵力90万人より多い。10万人の特殊部隊も保有しています。兵器も、戦闘機、戦車、ミサイル……と揃っている。北朝鮮のミサイルは性能が高く、中東諸国に大人気でした。かつて、旧ソ連と北朝鮮が、演習で戦車による模擬戦をした時、旧ソ連が完敗したというエピソードも残っています」(辺真一氏) 北朝鮮が参戦したら、世界の混乱はさらに広がりかねない