旅と歴史

全国各地の史跡を取り上げて紹介しています。

根来寺

2010年07月07日 | 旅 歴史
 和歌山県岩出市根来にある根来寺(ねごろじ)です。
 一乗山大伝法院根来寺は新義真言宗総本山です。本尊は大日如来、開山は覚鑁(かくばん、興教大師)です。覚鑁は平安時代後期の高野山の僧で空海以来の学僧といわれました。
 覚鑁は大治5年(1130)に高野山内に伝法院を建てました。鳥羽上皇は覚鑁に帰依し、荘園を寄進するなど手厚く保護しました。長承元年(1132)、鳥羽上皇の院宣を得て、高野山に大伝法院と密厳院(みつごんいん)を建立しました。そして長承3年(1134)には高野山全体を統轄する金剛峯寺座主になりました。
 覚鑁は空海の教義を重んじ高野山の信仰の建て直しを計りましたが、東寺と密接な関係にあった高野山内の衆徒はこれに反発し、対立しあうようになったのです。
 保延6年(1140)覚鑁の住む密厳院などが焼き討ちになり覚鑁一門は高野山を下りたのでした。豊福寺(ぶふくじ)、円明寺を経て根来寺が出来上がってきたのです。
 最盛期の室町時代末期には堂塔坊舎2700、寺領72万石、僧兵1万人と勢力も強大となり、一大武装集団として成長しました。豊臣秀吉は、「根来一寺を滅ぼせば、紀州の諸豪族は刃を交えず降伏する」と、根来勢の壊滅を決意します。
 天正十三年(1585)、秀吉は10万の兵力で根来を攻め勝利を収めました。その時、大塔・大師堂以外の建物がすべて焼失しました。江戸時代に入って、紀州徳川家の庇護のもと復興されたのでした。


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