フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

12月16日(水) 曇り

2009-12-17 17:12:54 | Weblog
  9時、起床。挽肉のそぼろ煮、トースト、紅茶の朝食。今日はゼミの2次選考の結果が発表になる。選外になって3次選考に回ることになった学生たちにメールを出す。1次・2次選考ではコンピューターから志望するゼミ(あるいは卒業研究)を申告してもらっていたが、3次選考では個々の学生と論系主任がメールで連絡をとって最適な配置をアレンジする。冬休みに入る前に全員の所属先を決められたらと思う。
  昼から大学へ。昨夜、テープ起こしのファイルが消えたといって電話をかけて来たゼミの学生が問題のCDをもって研究室に来た。さっそくPCに入れてみたが、なるほど、空っぽだ。ただし、プロパティを見ると、使用容量も空き容量もともに0バイトと表示される。もちろんそんなことがあるわけはなく(使用容量が0ならば空き容量は700MBのはずで、反対に空き容量が0ならば使用容量が700MBでなくてはならない)、要するに、CDであることは認識されているが、中身にアクセスが出来ない状態になっているのだ。何らかの方法で復元できる可能性もあるので、CDは預からしてもらうことにした。彼女はかなり立ち直っていた。一晩寝たら立ち直ったそうだ。「実は、私テープ起こしの作業、好きなんです」と言う。ふ~む、とすると、テープ起こしが完了して、もうこの作業ができないのだと深層心理で考え、無意識のうちにファイルを削除しちゃった(また一から作業ができる)のではないかと私が言うと、「えっ~、もしそうだったら、怖い話ですよね」と神妙な顔で答えた。彼女はこうして人間の(あるいは女の)心の深淵を垣間見たのであった。
  12時半から大学院の社会学コースの教室会議。昼食は「たかはし」のお弁当。2時から教授会。風邪薬の副作用か、たんに昼食の後だからか、とても眠い。教授会は5時過ぎに終ったが、その後、学会関係のことで引き続き会議。7時に大学を出る。
  帰路、有楽町のビッグカメラに寄り道し、PCのファイル復元ソフトを見て回る。係りの人にあれこれ質問をし、学生から預かったCDを売り場にあったPCに入れてチェックしてもらったが、やはりファイルは認識されない。復元ソフトの無料試供品版というのをもらって帰る。さっそくそれを自宅のPCにインストールして、問題のCDのファイルの復元を試みようとしたら、いままで認識できなかったCDの中身(4つのファイル)が認識できた。あれっ? まだ復元の作業を開始してはいないはずなのだが・・・、私のPCのCDドライブの性能がよいからなのか、それともそれと意識しないで何らかの復元作業を行ったのか、よくわからない。4つのファイルのうちの1つがテープ起こしのワードファイルで更新日は12月12日となっている。少し前の時点のファイルのようである。開いてみるとA4判で15ページある。1時間半のインタビューを文章に起こしたものとしては分量が少ない。完成版ではなく途中の版である。それでも一からやり直すことを考えたら、ずっといい。ファイルをメールに添付して学生に送る。それはワセダネットのメールなので、別途、ケータイの方へもファイルを送ったという通知のメールを出しておく。そのメールの件名は「幸運」とした。今朝、彼女がゼミのメーリングリストを使ってファイルの消失の件をみんなに報告し、自分は「2009年度の大久保ゼミ不運大賞の大本命」であると宣言したのを受けたものである。ほどなくして彼女から電話があり、「ファイルが見つかったのですか!」と言うので、「たぶん」と答え、「どうやって?」と聞かれたので、かくかくしかじかであると話すと、「わざわざ有楽町まで行っていただいたのですか!」と感激した様子であったので、「ああ、君の喜ぶ顔が見たくてね」と田村正和あたりが言いそうな台詞を言ったら、案の定、「先生、めちゃくちゃイケメンの台詞じゃないですか!」と返された。