8時、起床。
トースト、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。
お昼に家を出て、大学へ。
蒲田発の始発に乗る。いいね、始発って。新品のノートのようだ。
12時半に卒業生のホナミさん(論系ゼミ3期生)が研究室にやってきた(というか、私が研究室に着いたときにはドアのところで待っておられた)。
今日、彼女は会社を休んだ(有給)。私と会うためではなく、午前中に病院に行くためである。そして午後の時間に私と会う予定を入れたのである。どこか悪いのと尋ねたら、ちょっと心配なことがあって、検査を受けて、今日はその検査の結果が出る日だったそうである。幸い異常はなかったのだが、もし検査の結果が悪いものだったら、暗い顔で会うことになったのだろうか。
笑顔で会えてよかった。
では、食事に出かけましょう。彼女の希望で「たかはし」へ。
彼女は焼き魚定食か刺身定食かでちょっと迷って、刺身定食を注文。私は迷わず肉豆腐定食を注文。
豆腐と豚肉と玉ねぎを甘辛に煮る。絶妙な組み合わせではなかろうか。ご飯がすすむ君である(井之頭五郎もよくこのフレーズを口にする)。
以前、彼女が研究室に来たときも、緑色のセーターを着ていたことを思い出した。違うセーターだが、色は緑であった。そのことを彼女に言うと、ファッションの色彩の専門家に見てもらって、自分の肌の色には緑色や「秋色」が似合うことがわかったので、そうしているのだという。うん、確かにお似合いですね。ホナミさんはエキゾチックな(スペイン系の)顔立ちをしているが、カルメンのような情熱的な赤よりも、むしろ内なる情熱を表に出すことを抑制するような落ち着いた緑色の方がバランスがとれていいのではなかろうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/24/790945e4409e84755208e17875058ebf.jpg)
食後の散歩は新記念会堂(戸山アリーナ)の工事現場の前を通って戸山公園へ。
戸山公園は戸山キャンパスに隣接する大きな公園だが、学生たちには案外知られていない。その存在は知ってはいても、駅や本部キャンパスとは反対の側にあるせいだろ、わざわざ出かけていく人は少ないようである。実際、彼女もここに来たのはほぼ初めてであるという。
広い場所というのはただそれだけで気持ちがゆったりとするが、そこに大きな木があると、さらによい。
収穫のあとの季節のなかに、
物語の家族のように、
母のように一本の木は、
父のようにもう一本の木は、
子どもたちのように小さな木は、
どこかに未来を探しているいかのように、
遠くを見はるかして、
凛とした空気のなかに、
みじろぎもせず立っていた。
私たちはすっかり忘れているのだ。
むかし、私たちは木だったのだ。
(長田弘『人はかつて樹だった』より)
緑色と秋色が似合う彼女には晩秋の公園ほど相応しい場所はあるまい。
公園には遊具があり、それは子どもばかりでなく、大人の心も開放的にしてくれる。
ついつい走りたくなってしまう。
戸山公園には紅葉は少なく、黄葉が多い。黄葉は枝にあるときだけでなく、地面に落ちた後も(しばらくは)、明るく美しい。
「大きな木の下の法則」というものがある。
大きな木の下に来ると、人は幹の向こうから顔を出したくなる。(大きな木の下の法則1=かくれんぼ)
大きな木の下に来ると、人は幹に耳を当てて目を閉じて木の声を聞きたくなる。(大きな木の下の法則2=傾聴)
大きな木の下に来ると、人は幹に頬を寄せて微笑みたくなる。(大きな木の下の法則3=微笑)
いずれもエレガントな行為である。「大きな木の下の法則」は最近私が発見したものだが、いずれ「フレミングの左手の法則」と並ぶものになるだろう。
公園の一角に「箱根山」と呼ばれる築山がある。標高44.6メートルは山手線内では一番高い場所である。
登ってみましょう。5分もあれば登れます。
途中に緑の多い場所がある。綺麗な写真が撮れた。
山頂に到着。桜の木に囲まれている。
春、この場所でのお花見は格別だ。
散歩はこのくらいにして、カフェでコーヒーを飲みましょう。
彼女がまだ行ったことのないカフェ、神楽坂の「トンボロ」へ。
コクと苦味のBブレンドを注文。
スイーツはお隣の「SKIPA」で。私はバナナのパウンドケーキ、ホナミさんは(ポットに隠れて見えないが)プリン、飲みものは二人ともカモミールティー。
5時に店を出ると、少し雨が降り始めていた。ホナミさんとは神楽坂の駅で別れた。
健康にはくれぐれも気を付けて。次回は春カフェで会いましょう。「あるす」+「pottery」でスーパーグランドスラム達成でしょうか。
丸の内の「丸善」で買い物をして帰る。
夕食は鯖のしぐれ煮。
デザートは栗の甘露煮(渋皮付)。