7時、起床。
農村の朝は早い。隣の畑では焚火がされている。
昨夜、共同温泉の帰りに寄ったコンビニで購入したパン(フレンチトースト)と牛乳、そして紅茶の朝食。
8時半に「和楽亭」を出て、茅野駅へ。
茅野市にある国宝、通称「仮面の女神」(縄文時代の土偶)。もう一つ「仮面のビーナス」というものある。
これがそれ。国宝が駅前広場に置かれているというのもすごい(嘘です。これはレプリカ。実物はもっと小さく、20センチほど。茅野市尖石縄文考古館にある)。
Kとはここでお別れ。お世話になりました。次回は正月に我が家で会いましょう。
8時49分の松本行き普通電車に乗る。この後に来る特急あずさ1号(9時8分)よりも松本には先に着く。
松本に到着。
駅には「祝国宝指定 旧開智学校校舎」の横断幕が。旧開智学校は(駅の方から見て)松本城の裏手の方にあって、二度ほど行ったことがある。そうか、あれが国宝に指定されたのか。明治以降の建物で国宝というのは珍しい。他には旧富岡製紙場、旧東宮御所だけだ。
街歩きを始める前にとりあえず信毎メディアガーデンへ行く。
ここはフリーWi-Fiが使えるので、昨日のブログを書いてアップする。
さて、街歩き開始だ。最初に四柱(よはしら)神社を参拝する。
七五三のお祝いの家族連れが多い。
「またやって参りました」と挨拶する。
女鳥羽川沿いの道を歩いていく。
先日の台風ではかなり水位が上がったそうだが、氾濫するまでには至らなかったそうだ。
「栞日」分室。二階がギャラリーで、一階は食堂。
食堂の名前は「山山(さんさん)食堂」。
5月に分室を訪れたときは食堂の方はまだ工事中で、「7月に来ますね」と店主の高橋さんと言葉を交わしたのだが、私が体調を崩して(帯状疱疹)で7月の旅行は取り止めになり、9月に来たときは「山山食堂」の定休日だった。
ようやくお約束を果たすことができました。
5月の段階では、まだ定食のメニューは模索中だったが、サバの味噌煮定食やアジフライ定食なんかいいですね、という話をしたのだった。
定食メニューは3種、サバの味噌煮、ポークソテー、麻婆豆腐だ。「アジフライはメニューにできていないんです。メニューに載っていないですが、豚の角煮もできます」と高橋さんは言った。私はサバの味噌煮定食を注文した。
料理を待つ間、二階のギャラリーを見物する。
「日常品」というのが分室のコンセプトだ。
分室を開設するにあたって「栞日」の店主の菊地さんがこんなことを書いていた(「栞日」のホームページの「NEWS」3月29日)。
「僕たちの考える「日用品」には、日常生活にアクセントや句読点を刻んでくれる、例えばオブジェの類いも含まれるので、「ん?これ日用品?」と戸惑う内容も、ときにあるかもしれません。必ずしも、一般に「生活に役立つ」とされている機能的な道具や工芸品だけを対象とするわけではありません。プロダクトも、アートワークも、視野に入れていきます。でもほら、屋根裏部屋って、どこか秘密基地みたいで、実験的な企てを起こすには、おあつらえむきの場所でしょう。」
たしかに、ここは、「もう一つの別の日常」ですね。
立て掛けられていた姿見を使ってセルフポートレイトを撮る。
そろそろ料理ができるころだ。
「もう一つの別の日常」から階段を下りて日常へ戻る。
サバ味噌煮定食。
サバの味噌煮本体も美味しかったが、添えられていた野菜や果物(柿)や漬物の充実ぶりが素晴らしい。店主の高橋さんの風貌から山賊料理のようなものを予想していたが、とんでもない、こだわりの料理人である。
ごちそうさまでした。また、伺わせていただきますね。
食後のスイーツは「ユキ・リ」で食べることにしよう。「栞日」分室はお城の東側、「ユキ・リ」は西側にあるので、途中で松本城公園を抜ける。
国宝「松本城」。これは国宝らしい国宝である。
みんな記念写真を撮っている。この老人たちのグループは、グループの誰かが写真を撮るのではなく、目の前を通り過ぎる若い女性に声を掛けて、カメラのシャッターを押してもらっていた。かつてはこのやり方が主流だった。
この一枚はスマホのカメラで撮ったもの。デジカメよりも色が鮮やかだ(実物はデジカメの写真の方に会い)。
「ユキ・リ」に到着。
私が店に入ったときは中央の大きなテーブル(私はたいていここに壁を背にして座る)にも、奥のソファーにも先客がいた。
それで初めてカウンター席に座ることになった。店主さんとの距離が近い。
干し柿とくるみのパウンドケーキとコーヒーを注文。
秋のスイーツというと栗か柿であるが、栗はそのままではそんなに甘くないのに対し、柿はそれ自体で十分に甘味がある。
熟成させている途中の洋梨を間にはさんで店主さんとあれこれの話題でおしゃべりをした。
今日はスイーツでしたが、明日は朝ごはんを食べに来ますね。
(「後半」に続く)