フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

11月12日(火) 晴れ

2019-11-15 16:33:06 | Weblog

9時、起床。

トースト、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

2泊3日の信州旅行から「日常」に戻ってきた。もっとも茅野も松本も年に数度訪れる場所なので、「たまに訪れるもう一つの日常」といえなくもない。そういう見方からすれば、私(たち)の日常生活は出現の頻度・サイクルを異にする複数の「日常」の組み合わせなのである。

 11時頃、家を出て、大学へ。

松本の「ガルガ」で購入した青木郁美さん作の2種類のコーヒーカップ。研究室で使おう。 

東洋大学の助教で、文化構想学部の演習を非常勤で担当されている川副早央理さんが研究室に顔を出してくれた。彼女は以前、現代人間論系の助手をされていたのである。 

髪が(さらに)ショートになりましたね。

「お土産です」といってコクヨの測量野帳(フィールドノート)のオシャレ版を下さった。 

ありがとうございます。これは上着の内ポケットにちょうど納まる大きさと薄さなので重宝している。 

昼食をご一緒にということで大隈記念タワー15階の「森の風」へ行く。途中、南門通り商店街のワセダベアの前で。 

彼女は本日のパスタ(トマトだったかしら)。 

私は海鮮焼きそば。ここではランチメニューからこれを注文することが多い。 

食後のコーヒー。本日のデザート(ガトーショコラ)も追加で注文する。 

彼女は博士論文の執筆がいよいよラストスパートの時期にさしかかっている。頑張って下さい。

研究室に戻って、原稿のゲラ(再校)に目を通す。初校でしっかりチェックしたつもりだったが、「晦渋」が「懐柔」と誤変換されていたりして(「怪獣」だったらすぐに気づいたんだけど)、 油断は禁物である。

明日はオムニバス授業「現代人間論系総合講座」の担当回なので、その準備をする。

5時に大学を出る。 

6時に予約している自宅の近くの整骨院へ行く。ふつうは1時間ほどで終わるのだが、けっこう混んでいて、1時間半かかった。

夕食は妻と「マーボ屋」で。 

中華サラダ。 

鮭の揚げ物をマヨネーズソースで和えたもの。 

牡蠣の甘辛炒め。

 牡蠣がメニューに出るようになると、「マーボ屋」に来る頻度が増えるだろう。

 

2時、就寝。


11月11日(月) 晴れ、一時雨 (信州旅行3日目)

2019-11-15 10:26:41 | Weblog

8時、起床。

朝風呂(シャワーではなく)に入る。

9時半過ぎにホテルをチェックアウト。まずは「ユキ・リ」に朝食を食べに行く。晴れてはいるが雲が多い。

10時ちょっと前に「ユキ・リ」に着く。 

 今日は大きなテーブルに座る。

 朝ごはんを注文。正しくは「ユキ・リごはん」というのだが、7時半開店なので、実質的に朝ごはんで、土鍋で炊いたご飯がなくなったら終わり。昨日は「山山食堂」で昼食を食べてからお茶をしにきたのだが、そのとき「ごはんですか、お茶ですか」と聞かれたので、今日もその調子でいたら、なんと朝ごはんは私で終わりだった。店主さんが「ごはん終わりました」の張り紙を店の入り口に貼った。ふぅ、危ないところだった。

朝ごはん。

野菜を中心としたおかずが5品。 

大豆とひじきの混ぜご飯。 

葱味噌を使ったお味噌汁にも野菜がたっぷり。 

お冷はセルフで。

食後にカフェオレを注文。 

壁の棚に絵本が置いてある。 

 テーブルの上にも。

 村松真佐子『きょうはもうねます』。

「きょうは もう ねます」 

「ゆめでも きみに あいたいから」 

「きょうは もう ねます」 

 「しらない まちは さみしいから」

「きょうは もう ねます」 

「ぜんぶ わすれたいから」 

「きょうは もう ねます」 

「ここが いちばん あんしんできるから」 

「今日は これで 帰ります」と私は店主さんに言った。次に来るのは 春先になるでしょう どうぞお元気で。 

雨がパラパラと降ってきた。 

私は傘を持ってこなかった。「信毎メディアガーデン」で雨宿りしつつ、ブログの更新作業。

スマホのお天気情報では2時間ほどで晴れるとのこと。初冬の通り雨を「時雨」(しぐれ)という。「一時の雨」という意味である。時雨の句には好きなものが多い。

  旅人と我が名呼ばれん初時雨  芭蕉

  うしろすがたのしぐれてゆくか  山頭火

  しぐるるや駅に西口東口  安住敦

私も一句。

  時雨るるや傘を持つ人持たぬ人  たかじ

私は「傘を持たぬ人」だが、いつまでも雨宿りしているわけにはいかないので、ダウンコートを頭から被って最寄りのコンビニまで行き、ビニール傘を買った。500円ほどした。すぐに無用の長物になるが、どこかのカフェで置き傘として使ってもらおう。

雨の高砂通りを歩く。

前を通るたびに気になる自転車屋。ゴミ屋敷のようである。 しかし、昨日「想雲堂」で買った雑誌『松本と本』にはここが「岡田自転車博物館」として紹介されていた。

確かに入り口に近づいて見ると(本当は離れた場所からズームレンズで撮ったのだが)、「岡田自転車博物館」というプレートがある。しかも雑誌の記事によると、店主の岡田さんは昭和の時代を昨日のことのように生き生きと話してくれる語り部のような方らしい。ふ~む、人は(店は)見かけによらぬものである。

高砂通りの外れにある「源智のそば」。

ここで昼食にしよう。

蕎麦は冷たいのが好きと一昨日のブログに書いたばかりだが、時雨の降る寒い日は話が別である。 

月見そばと桜えびのかき揚げを注文。

いや~、美味しかった。温かいそばもよいものである。

店を出ると、雨は上がり、青空がのぞいていた。 

 「栞日」へ行く。本当は昨日も来たかったのだが、ブックカフェは滞在時間が長くなるので、昨日のカフェ(+食堂)めぐりのスケジュールに組み込むことが難しかったのである(「ガルガ」と「想雲堂」は月曜が休みなので、昨日しかいけなかったのだ)。

 店内に入って、ホットジンジャーを注文して、とりあえず入口のすぐよこの窓際のカウンター席に座り、ブログの更新をする。店主の菊地さんが「一階とはお珍しいですね」と声をかけてきた。お気に入りは二階の窓際の机なのだが、二階は私のノートパソコンだとお店のWi-Fiの電波を受信しにくいので、ブログの更新作業をしてから、二階に移動するつもりである。

 作業を終えて、二階へ移動。 

 床にこんなマークがしてある。ここに立って店内の写真を撮るといい感じですよという意味らしい。

 なるほど、雑誌で「栞日」が紹介されるときの店内風景はこの位置から撮った写真が多い。

 私のお気に入りの席は窓際のスタンドのある机だ。このところそこに先客がいることが続いていたが、今日は二階に先客はいなかった。

  自分で下から運んできたホットジンジャーのカップを机の上に置く。このすり減った天板の感じが好きなのだ。

 「KINFOLK」というタイトルの雑誌が面白かった。特集は「トウキョウ」。今回はこれを買って帰ろう。

 ギャラリー室で松岡一哲の写真展をやっていた。

彼の名前には見覚えがあった。9月に「栞日」に来たときに購入した写真雑誌「pegasus」創刊号は松岡が古川琴音を撮った写真集であった。

  

今回の写真展は「マリー」というタイトルが付いているが、マリーという女性(松岡の妻)だけではなく、その周辺の人物や風景もレンズに収めている。

 あえて「ぼかし」を使って、やわらかなタッチの色彩あふれる作品が並んでいる。

 さて、失礼するとしよう。次回はもっと長い時間滞在させていただきますね。

 女鳥羽川沿いの道を歩く。

家への土産はいつもここ「シェ・モモ」のコンフィチュールと決めている。お隣の和菓子の「宝来屋」は「12月頃までお休みします」と張り紙が出ていた。

さてどれを買っていこうかな。 

3、4種類の味見をさせていただいて(いつもそうさせていただく)、3種類のコンフィチュールを購入した。

さて、この後は、松本最後のカフェになる。

今回の信州旅行最後のカフェは「チーアン」である。午後6時40分発のあずさ号で東京に帰るので、閉店の午後6時まで「チーアン」に滞在し、ホテル(「チーアン」と松本駅の間にある)に寄って、預かってもらっている荷物(キャリーバッグ)を受け取り、ロビーで荷物の詰め替えをしてヵら、松本駅まで向かうという段取りである。 

 午後5時、閉店1時間前だが、昨日とは違って、店内に客はいなかった。私が本日最後の客かもしれない。

カウンター席に座って、カステラ(「チーアン」の看板スイーツ?)と紅茶はチーアンブレンドを注文。やっぱり最後はこれでしょ。 

ご主人夫妻とおしゃべりをしているところへ、女性客が一人入ってきた。私は「最後から二番目の客」になった。彼女はご主人夫妻とは顔見知りの方のようで、最初、私がカウンター席にいるので、テーブル席に座ろうとしたが、ご主人夫妻にうながされてカウンター席に座った。安曇野にお住まいで、羊毛から毛糸を紡ぐ作家さん(職人さん?)のようである。カカウンターに置いてある羊の人形は、彼女が紡いだ毛糸を使って彼女のご主人が製作したものだそうだ。以前、「栞日」の旧館(長期滞在者のための宿として使われている)に1ヶ月滞在し、毛糸を紡いで展示するということをされていたとき、「チーアン」さんを訪れて、ご主人夫妻と親しくなられたそうである。彼女のお名前(というか、彼女が作る毛糸のブランド名)は「ぼっか」という。「牧歌」から取ったそうである。ネットで「ぼっか 毛糸」と検索すると彼女の作品(毛糸玉)をみることができる。彼女のお人柄もその作品と同じようにやわらかでビュアな方である。私もおしゃべりの仲間に入れてもらって楽しい時間を過ごすことができた。 

そして気づくと午後6時10分になっていた。い、いけない。電車の時刻が迫っている。あわてて失礼する。「よいお年を、ですね」と奥様が言う。そうですね、次回は春先になります。「よいお年を!」 

ホテルで荷物を受け取り(カウンターにチェックインの列ができていたらやばかったが、大丈夫だった)、松本駅は向かう。あずさ号の出発までもう10分を切っていた。

実施はあずさ号に接続するはずの篠ノ井線の電車が遅れて、それを待って、15分遅れの発車となった。 

アクシデントはまだ続き、先行する列車が線路上で鹿をはねてしまい、安全確認のために、しばらく停車し、松本駅での発車の遅れと合わせて1時間の遅れになった。

新宿まであと1時間というあたりで、松本駅で買った駅弁を食べる。サラダは新鮮で美味しかったが、面積の3分の1を占めるというのはいかがなものかという思いがないわけではない。 

1時間遅れの午後10時過ぎに新宿に到着。 

11時、帰宅。

車中での3時間半は少々疲れた。ゆっくりと風呂に入り、今回の旅を振り返りつつ日記を書き、2時半に就寝。