フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

11月19日(火) 曇りときどき晴れ(川越散歩)

2019-11-23 23:31:20 | Weblog

7時半、起床。

トースト、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

9時ちょっと前に妻と家を出て、川越に向かう。東武池袋線の川越駅には10時半に着いた。案外近い。 

改札で妹が出迎えてくれていた。妹は川越の近くに住んでいて、家からは自転車で来た。今日は川越散歩の案内役をしてくれることになっいる。「川越に行ってみたい」とは前から思っていたのだが、思っているだけでは(どこでもドアなどないので)いつまでたっても行けないから、秋の彼岸の墓参りで会った時に今日川越に来ることを約束したのである。今日はよろしくね。

 駅前から「蔵の街」行きのバスに乗り、しかし観光スポットの「蔵の街」ではなく、その少し手前で降りる。 

しかしこの辺りの商店街も十分にレトロ感がある。 

「轟屋」という乾物屋の店先。「アメ横」でよく見る風景だ。貝柱の干物もある。母はこれが大好物だった。 

バス通りから一歩中に入る。

 「小川菊」。川越で一番有名な鰻屋(妹談)である。ここで昼食をとることになっている。駅に来る前に整理券(10時から配る)ををとっておいてくれた。

 11時、開店。われわれはシングルの番号だったので楽勝と思っていたが、前に9名のグループと7名のグループがいて、これは楽観できないぞと思った。しかし、大丈夫、一巡目の客として入れた。

私と妹は上重、妻はうな重を注文。特重にも惹かれたが、ここでお腹いっぱいいなってしまうと、散歩のときの食べ歩きができなくなるので、我慢した。代わりに一品料理から白焼を一皿注文した。

 

白焼。わさび醤油で食べる。タレでごまかしが効かないから、鰻そのものの美味しさが味わえる。うん、美味しい。いい鰻だ。そしていい焼き加減だ。これで十分ご飯のおかずにもなるが、ご飯はやはり鰻重で食べたい。 

上重。白焼を食べたときから鰻が美味しいことはわかっいたが、濃さも甘さもほどよいタレで、実に美味しい鰻重だった。これだけで川越まで来る価値がある。 

 大いに満足して、さて、本格的に川越散歩をスタートしましょう。

手前は川越商工会議所。

旧い町並みと石造りの近代的な建物が同居しているところが川越の街の特徴といえるだろうか。 

教会がある。 

入れるそうなので、入ってみよう。中からパイプオルガンの演奏が聞こえてくる。 

パイプオルガンは生演奏だった。聴いているのは我々だけだった。一曲の終りまでいて、寄付の小銭を箱に入れて、出てくる。 

ここは文房具店。メモ帳と祝儀袋を購入。祝儀袋は来月に予定されているナツキさん(論系ゼミ5期生)の結婚披露宴用である。 

「カフェ・エレバート」。ここで、食後のコーヒーを飲むことにしよう。

一階席でもよかったが、二階に案内される。

 

「アートカフェ」と銘打っているだけあって、店内にはたくさんの絵が飾られている。 

部屋の隅に「田中屋美術館」という看板が立てかけてある。以前は私設の美術館だったようである。

窓際の席から通りを眺めるのもいいが、こうして奥の席から落ち着いた雰囲気の店内を眺めるのもよい。 

妻と妹はコーヒー(トアルコトラジャ)だけ。私は林檎のタルトとセットで注文。 

コンフィチュールとアイスクリームを一緒に載せて食べると美味しい。お店の方が気を利かしてフォークを3人分つけてくれた。 

直感で選んだカフェだったが、正解だった。 

街歩き再開。

陶器の店に入る。

これが入口を入ったところの展示品だが、この後、二階に上がり、妻と妹はお店の方とおしゃべりをしながら熱心に見ていた。すぐには購入しなかったが、後から、川越散歩を終えてバスに乗り込む前に、もう一度この店に立ち寄って、妻は湯呑を購入した。 

それがこちら。栗原あり(逃猫舎)という作家の絵付けである。普段から、旅行先や知り合いの作家の展示会であれこれ陶器を購入する私に、「そんなに買ってきてしまっておく場所がないでしょ」と言っている妻だが、自分には甘いようである。でも、旅先、散歩先で、気に入った一点ものの工芸品を購入して、それを日用品として使うというのはいいものである。日常と非日常がそこでつながっている。

 向こうに見える洋風建築は・・・

 埼玉りそな銀行川口支店である。

 「時の鐘」の通りに来た。

 川越のランドマーク的建物である。

 通りには食べ歩き用のものを売るお店がいっぱいで、さながら、学園祭のキャンパスを歩いているようである。

 路地に入ってみる。人通りがそれなりにあるということは、何かあるのだろう。

 ここはテイクアウト専門のコーヒー屋さん。

 私が子どものころによくあった駄菓子屋さん。

 唱和レトロが演出されている。

映画のチラシの束からみつけたもの。『チコと鮫』(1963)。これ、見た気がする。テレビではイルカと少年のドラマ(『わんぱくフリッパー』だったかな)をやっていたが、こちらは少年と鮫の話だった。

 「ご縁(五円)がありますように」という札を首から提げたカメレオン(?)。

 小学生たちが写真をとっていた。

 私たちもその横のベンチで。

駄菓子横丁。「いも恋」というスイートポテトは卒業生からいただいたことがある。

 

「いもどうなつ」というものを買い食いする。

再び中央通りを渡る。

路地裏に「スカラ座」という名前の映画館があった。 

『ドリーミング村上春樹』、『ジョアン・ジルベルトを探して』、『マッキー』という三本の作品が上映されている。渋いな。明治38年の開館である。すごいね。 

耐震補強された市役所。

その裏手の道を行くと氷川神社がある。

松本の四柱神社もそうだが、訪れた土地の大きな神社には挨拶に行くというのが習慣である。 

ここのおみくじはちょっと変わっている。「引く」のではなく「釣る」のだ。

 鯛の形をしたおみくじを釣竿で釣り上げるのである。

 

良縁祈願に特化した「あい鯛みくじ」というのもある。 

 氷川神社の裏手の新河岸川を渡る。

ここは桜の名所で、春にはたくさんの観光客が訪れる。

しばらく歩くとモダンな建物が見えてくる。 

「ヤオコー川越美術館」。「ヤオコー」というのは地元では有名なスーパーである。その社長が収集している三栖右嗣(みすゆうじ)という画家のコレクションが展示されている。 

写真はOKとのこと。 

展示室は2つ。 季節によって展示替えがされているのだろうが、第一展示室には北国の漁村の風景、静物、人物などの作品が展示されている。

「シャコタンの漁村」

「オホーツク」

「秋桜」(リトグラフ)

 もう1つの展示室には「林檎ある風景」という連作(場所は信州のようである)が展示されている(季節によって展示替えがされているのだろう)。

「林檎のある風景」 

「林檎のある風景」 

もう1つの部屋はカフェテリアだが、ここにも作品が展示されている。 

「錦秋洛北」 

「秋日」 

妻はおはぎと抹茶。 

私はおはぎと紅茶。このおはぎは「ヤオコー」の名物だそうで、なかなか美味しかった。 

入館料は300円。カフェでのドリンクとセットだと500円(おはぎは別料金だが、110円だったと思う)。ゆったりした時間を過ごすことができる街外れの穴場的な一種のアートカフェといえるのではなかろうか。 

新河岸川を渡る。さきほどの橋とは別の、美術館の側の橋。 

橋を渡ると氷川神社の裏手である。ここから来るのが近道だったのではないかしら。 

「時の鐘」の通りを戻る。 

 中央通りに戻る。ここから川越駅行きのバスに乗る。妹とは駅で別れた。今日はどうもありがとう。次は桜の季節に来てみたい。 

  蒲田には6時ごろ、戻ってきた。 

夕食は「ちよだ鮨」をテイクアウト。 

妻は握り鮨を買ったが、私は巻物と稲荷。 

妹からお土産にもらった「乃がみ」の生食パン。一枚、そのまま焼かずに食べて、残りは冷凍保存にする。 

2時、就寝。