フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

2月17日(月) 晴れ

2020-02-19 18:05:10 | Weblog

6時半、起床。

トースト、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

7時半に家を出て、大学へ。普段、朝のラッシュアワーの電車に乗ることがめったにないことに加えて、新型コロナウィルスの感染の不安を感じながらの通勤である。こういうときは研究室にベット代わりになる長いソファーがあって、寝泊りできたらいいのだが。

今日は文学部の入試。構内にいる間のことは書けないので、文化構想学部の入試の日と同じように、室生犀星『動物詩集』から作品を1つ紹介しよう。タイトルは「いなごのうた」。

 いなごが 一ぴき

 自転車に乗ってでかけた。

 おおかた 町へお使いに

 いくのだろう。

 その留守のあいだに

 いなごのお母さんが

 お琴をひいて

 こどもにきかせている。

しみじみと可笑しい。「おおかた」という言葉の使い方が秀逸である。たんに「町へお使いに いくのだろう」では可笑しみは浅い。「たぶん」でも「おそらく」ではもの足りない。「きっと」では強すぎる。「おおかた」がいいのだ。どうでもいいようなことを、改まった、かつ鷹揚な口調で、推測している感じが可笑しい。

4時半過ぎに大学を出て、「カフェゴト―」に寄る。地下鉄の駅は受験生であふれているが、試験を終えて「カフェゴト―」でお茶をしていく受験生(らしき若者)というのは見たことがない。校則で禁止されているのだろうか。いや、マックとかでなら高校生を見かけるから、禁止ということではあるまい。おおかた小遣いが乏しいのだろう。「カフェゴト―」で一服すると、お茶とドリンクで千円ほどするからな。

タルトタタンとアイスアップティーを注文。

このところ、「sanno2198」「フロハン」「カフェゴト―」と一日おきにタルトタタンを食べている。この調子でいったら(いかないけど)タルトタタンの評論家になれるかもしれない。

スマホに「あんず文庫」のご主人から伊藤人誉の没年を確認しましたという知らせが届いた。2009年に95歳で亡くなったとのこと。10年前に亡くなられていたんですね。併せてこんなエピソードも教えてくれた。「ご本人は90歳をこえてから小説がうまくなったと仰っていたそうです。新作のアイデアも持ち合わせておられたようでした」。ありがとうございました。

「カフェゴト―」には1時間ほど滞在した。

電車の中で妻から「帰りは何時頃になる?」とラインの定型文が届いたので、返信をしようとしたら、続けて「蒲田のM病院で医者がコロナ! 身近になってきたね」とのメッセージ。初耳だった。すぐにネットのニュースを見てみたら、大森に本院のあるM病院の蒲田分室に勤務する医師と看護師が感染したらしいと分かる(ただし、来院患者から感染したのではないようだ)。いままで新聞やテレビのニュースの中の出来事だったものが、一挙に身近なリアルな世界の出来事になった感じだ。

7時前に帰宅。

夕食は鮭のソテー、サラダ、鶏団子入りの味噌汁、ご飯。

付け合せはエリンギとズッキーニ。

最初、鶏肉団子は汁に沈んで見えなかったが、飲んでいるうちに姿を現した。「今日は鮭のソテーよりも鶏肉団子スープがメインよ。お替りしてね」と妻がいった。お替りをした。「まだ(鍋に)残ってるじゃない」と妻が言った。それは明日の朝のスープにするよ。

食後、「ベルアメール」のチョコレートの最後の一枚を食べる。このパレショコラと呼ばれる円型の板チョコのシリーズは一枚が300円ほどするらしい。「ダロワイヨ」のマカロン(一個200円ほど)より高い。びっくりポンだ(久しぶりに使ってみる)。

2時、就寝。


2月16日(日) 雨

2020-02-19 02:50:32 | Weblog

10時半、起床。

トースト、ベーコン&エッグ、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

朝から雨の降る日曜日。

しかし、雨の日でも、一日家に籠っているのは気分的にいやなので、3時半を過ぎた頃、散歩に出る。昼食をまだ食べていない(朝食が遅かったのだ)。また「吉野家」の牛肉サラダ(ライザップ監修)にしようかしら。いや、もっとくつろいで軽い食事をしたい。

電話をして席が空いていることを確認してから「スリック」に行く。

シフォンケーキを食事代わりにするのもいいけれど、土日はパンケーキがメニューにある。もっともブランチメニューなのでこの時間に残っているかはわからない。マダムに聞いたら、「お一人分なら残ってますよ」とのことだった。ラッキーだ。

ドリンクはリンゴジュースをチョイス。食前にもってきてもらう。

久しぶりのパンケーキ・ブランチである。一枚目はベーコンとソーセージとサラダと一緒に食事として、二枚目はメープルシロップをかけてデザートとしていただく。とても美味しかった。

シフォンケーキは注文せず、紅茶のみいただくことにする。マダムがニューヨークの紅茶専門店から仕入れてきたものの中から、マダムのお薦めの「ハニー&サンズ」社の「ホットアップルスパイス」にする。

この缶に入っている。

甘い香りがする。黄色いのはオレンジピールだろう。

シナモンと果物の香り、甘さはほんのり。

最後の客となり、マダムとあれこれおしゃべり。それにつけても新型コロナウィルスの広がりは不気味である。いまはまだ新たな感染者が見つかるたびに「どこでどんな人が」とニュースで速報しているが、そのうちそんな説明では追いつかなくなってくるかもしれない。マダムからお手製の携帯用の消毒液をいただく。業務用の消毒液を100均ショップで買ったスプレー容器に詰めたものである。さっそく明日からポケットにいれて外出しよう。

夕食はフライの盛り合わせ、玉子焼き、ワカメと玉子のスープ、ご飯。

フライはカニクリームコロッケとウィンナー。

アマゾンから注文した本が届いた。

山高登の木版画集『東京昭和百景』(シーズプランニング)

私が山高登を知ったのは関口良雄『昔日の客』の口絵と裏表紙の版画によってである。そしてたちまち魅了された。本書は彼の作品を心ゆくまで味わえる。

『東京の編集者 山高登さんに話を聞く』(夏葉社)

『昔日の客』を復刊した夏葉社の島田潤一郎さんが山高登にインタビューしてまとめたもの。山高は版画家に転身する前、新潮社の編集者だった。内田百閒、志賀直哉、上林暁らを担当し、本を作ってきた。当時の話はすこぶる興味深い。また、木版画の制作のために撮影したモノクロ写真も多数収録されているのもいい(表紙もその中の一枚だ)。

12時半、就寝。明日は文学部の入試である。


2月15日(土) 晴れ

2020-02-18 15:55:43 | Weblog

9時半、起床。

トースト、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

食後にチョコレート(妻からもらったもの)。

六花亭の「カラフルマンス」。「マンス」はフランス語の「薄い」の意味。

お昼に家を出て、大学へ。今日は卒業生のホナミさん(論系ゼミ3期生)と早稲田で会う約束がある。

彼女は毎週土曜日、イタリア語の学校に通っている。それを終わってから、1時に研究室の約束だったが、お店のランチタイムが終わってしまうかもしれないので、待ち合わせの場所を馬場下の交差点に変更し、そのままランチを食べに行くことにした。

ホナミさんがやってきた。会うのは昨年10月の彼女の結婚式以来である。

彼女の結婚式の日のブログは→こちら と こちら

ランチは「たはかし」で食べることにした。土曜日に来ると臨時休業(出前の弁当の数が多くて)の札が出ていることがあるのだが、今日は大丈夫だった。

ランチタイムを外れていたことが幸いし、ゆったりと座ることができた。

私は焼き魚(甘塩紅シャケ)定食。ご飯は軽め。厚味のあるシャケの切り身の載った皿には副菜があれこれ載っており楽しい。

彼女は刺身(鮪と鯛)定食。私は何も言わなくてもご飯は軽めと決まっているのだが、彼女は何も言わなかったので普通盛りで出てきた。「少し私がもらおうか?」と聞くと、「お願いします」ということで、結局、彼女が軽め、私が普通盛りになった。

肉豆腐を単品で注文しシャアする。ご飯が増えてもこれがあれば大丈夫。

食後のお茶は研究室で。カフェに行ってもお腹がいっぱいでスイーツが食べられないから。

きれいな色のワンピースですね。彼女は緑系の色がよく似合う。

キャンパスの中を散歩しながら写真を撮る。懐かしい場所もあれば、彼女の在学当時はなかった場所もある。どちらも写真に撮れるが、撮れないのは当時あっていまはない場所である。その代表が「プレハブ校舎」である(スロープの脇にあったのだ)。戸山キャンパスは、いまでこそ進行中の工事はないが、ちょっと前までいつも工事中だった。そして教室不足を補うためのプレハブ校舎が建っていた。彼女の記憶の中ではキャンパスとプレハブ校舎はワンセットなのだ。そういう卒業生は多いはずである。

中庭のこの赤と黒のスチールパイプ製のベンチの並ぶ空間は、彼女の在学当時はなかった空間である。

無機質な空間だが、彼女が座るとお洒落な空間になる。

バリキャリ風ですね。実際、年末から仕事が忙しくなり、休日出勤もときどきあるそうだ。でも、本当の彼女はキャンプが大好きな休日をとても大切にする人である。だからワークライフバランスが崩れている最近の状態には危機感を覚えているようである。

文カフェは懐かしい場所である。彼女は在学当時、あまり大学周辺のカフェには入らなかったようである。最近閉店した「シャノアール」にも一度も行ったことがないし、「カフェゴト―」に行ったのは卒業後に私と行ったのが最初だそうだ。

戸山キャンパスで一番大きい38号館AV教室も懐かしい場所だ。

でも、久しぶりに入ってみたAV教室は、「もっと大きいと思っていた」そうだ。たぶん学生でぎっしり埋まっていたら印象も違うと思う。

いつも座っていた辺りに座ってもらう。中央付近である。大教室で座る場所は映画館で座る場所と近似しているというのが私の仮説である。私ならもっと前の方に座る。あっ、でも、これは面白い映画と面白い授業の場合ですけどね。

「はい、質問!」のポーズ。(大教室で授業中に質問する学生はめったにいませんが)

一度も上がってことのない場所(教壇)に上がってもらう。この視点から教室を眺めるのは初めてでしょう。「けっこう学生たちの顔も識別できそうですね」「はい、見えてますよ」

キャンパスの中を移動する。ここは風が吹き抜けている。

風がいい効果を出している。

事務所のある34号館裏の庭園(?)スペース。彼女はここには来た記憶がないという。当時からあったけどね。

春になると花盛りの場所になる。戸山キャンパスの穴場である。

31号館の外廊下。ここは1年生のときの語学や必修基礎演習で使っていた教室が並んでいる。

いわば大学時代の一番初期の「地層の回廊」だ。

新記念会堂(早稲田アリーナ)の屋上庭園(戸山の丘)。ここは多くの卒業生にとって未知の場所である。右の建物の1階には「スタバ」が入っている。「キャンパスにスタバ・・・」時代は動いているのだ。

卒業からの歳月を思う。

バックに流れるのは中島みゆきの『時代』(カバーで)である。

地下の体育館(講堂)も見学する。広さは変わらないが、演壇の場所が反対(左手)になっている。

思わずアスリートの血が騒ぐ。彼女は少林寺拳法の心得があるのだ。

さて、そろそろカフェに行きましょうか。

最初、「カフェゴト―」に行ったがとても混んでいたので(週末はたいていそうだ)、「フロハン」(フロム・ハンド・トゥ・マウス)に行く。

駅からは少し離れていることもあり、空いている。窓際のテーブルに座る。

ケーキとドリンクを注文する。

私はタルトタタンとアイスティー。

彼女はチーズケーキとブレンドコーヒー。

それにしても論系ゼミ3期生は仲がいい。在学中も仲はよかったが(とくに4年生になってから)、卒業後もみんなで、あるいはグループで、よく会っているようである。既婚者が増えて行っても、関係が希薄になるということがなく、互いの新居を訪問しあったりしている。人生のステージを一緒に歩んでいるようである。ゼミ生同士のカップルも生まれている(最近も新たにまた1つ生まれたようである)。私から見るとかなり特殊な代である。いかなる要因がその生成にかかわったのか、大いに興味がある。思うに、彼らの間には、成り行きまかせではなく、「仲良くしよう」という意志が働いているように見える。在学中に仲がよくても、卒業後は社会という遠心分離機が作動して、しだいに疎遠になっていくものである(去る者は日々に疎し)。その遠心力に抗するためには「この付き合いを持続して行こう」という強い意志が必要だ。彼らにはそれがあるということだ。では、その強い意志はどこから来るのだろうか。わからない。

来週は、ホナミさんと同じ論系ゼミ3期生のアスカさんと会うことになっている。同期同士が仲がよいと、連鎖反応的に私とのカフェが続くという現象が生じる。「3期生シリーズ」と呼んでいる。

「フロハン」を出たのは5時。彼女とは地下鉄の駅で別れた。

夕食はオムライス。冷蔵庫のご飯が一定量に達すると登場する。

食後に妻からもらったもう1つのチョコレートの箱を開ける。「ベルアメール」のチョコレート。

このチョコレートはとびきり美味しい。調べたら工場は大田区の久が原にあるようで、ファクトリーショップもあるようだ。散歩の足を延して行ってみよう。

2時、就寝。

 


2月14日(金) 曇り、夕方に小雨

2020-02-16 21:02:40 | Weblog

7時半、起床。

トースト、ベーコン&エッグ、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

昨日、エミさんからいただいた揚げまんじゅうを食べる。

8時半に家を出て、大学へ。9時半から学位委員会。いつもは10時40分からと決まっているが、今月は年度内最後の学位委員会ということで、審議すべき件数がとても多く、1時間10分繰り上げての開催となった。

会議を終えて、昼食に出る。前から気になっていた沖縄料理「ヒロズカフェ」に入ってみる。

ハーフそばセットにしてみよう。ソーキそばと沖縄そばの違いについ店員さんに聞いてみた。「トッピングされているのが豚のスペアリブ(ソーキ)かチャーシューかの違いです」とのこと。ベースになるそば、スープは同じなんだ。どちらが人気があるのかを聞くと、「こちらですね」と言ってソーキそばの方を示された。では、ソーキそばハーフセットで。

ソーキそば(ハーフサイズ)、ゴーヤちゃんぷる(ミニサイズ)、タコサラダ、ご飯。ご飯はゴーヤちゃんぷるとタコサラダをおかずに食べていたが、途中から両方をご飯の上に載せて丼風にして食べ、最後は残ったご飯をそばのスープの中に入れて食べた。ちょっと行儀は悪いが、ありだと思う。美味しかった。

先日のツケを払いがてら「カフェゴト―」にお茶をしに行く。

今日は満席ということはなく、一番奥の席に座る。

ホットココアを注文してから、鞄から本を取り出す。先日、大森のジャーマン通り「あんぶ文庫」で購入した伊藤人誉『馬込の家ー室生犀星断章』(亀鳴屋)を読む。来るときの電車の中から読み始めたら、これがすこぶる面白いのである。伊藤人誉の作品を読むのは初めてである。そもそも伊藤人誉(ひとよ)という作家がいることも知らなかった。大正2年(1913)の生まれだが、ネットで調べた限りでは、没年がわからない。もしかしてご存命(106歳!)なのか?

先日はアイスココアだったが、今日はホットココアだ。

空いている時間帯で、窓際の小さなテーブルで店員さんたちが食事をされている。マスターは今日はお休みのようである。

ツケ(610円)と今日の代金(560円)、合わせて1170円を支払う。

4時過ぎに大学を出る。雨がぱらついて来た(傘を持ってこなかった)。

蒲田に着くと雨は「あっ、雨かな」から小雨レベルになっていた。急ぎ足で帰宅・・・のつもりだったが、「ティースプーン」にちょっと顔を出す。

「ちょっと雨宿りをさせてください」と店主のシマダさんに挨拶する。「はい、いらっしゃいませ(笑)」と彼女が答える。

ジャム(りんご)バターセットを注文。紅茶はシマダさんお薦めのウダプッセラワという発音が難しい(民主党の若手の大統領候補みたいだ)茶葉をストレートで。

リンゴジャムが終ったら、次はイチゴジャムを作るそうだ。私が子どもの頃は、ジャムといえば、イチゴが定番だった。それとマーマレード。それ以外のものはほとんど食べたことがなかったから、リンゴのジャムを初めて食べたときは「おぉ!」と感動したものである。今は昔の物語。

シマダさんは外に出て、「もうほとんど止んでますね」と言った。

今日は本当はスコーンを食べたかったのだが、スコーンは木曜日限定のようである。木曜日ですね。前にも言われたのですが、ついつい忘れてしまいます。

外の黒板の「メニュー」は毎日書き換えているそうである。チェックしなくちゃ。

夕食はタラのムニエルの野菜あんかけ、サラダ、ご飯。

野菜あんかけと妻は言うが、野菜スープ掛けといった方がピッタリではないだろうか。胡椒が効いていて美味しい。

2時、就寝。


2月13日(木) 晴れ

2020-02-15 21:43:17 | Weblog

9時半、起床。

トースト、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

11時25分に蒲田駅で卒業生のエミさん(論系ゼミ2期生)と待ち合わせる。彼女は妊婦さんで来月末が出産予定である。お腹に赤ちゃんがいる卒業生と会うことはもはや珍しいことではなくなったが、新型コロナウィルスの影響で、今月は予定していた妊婦さんとのカフェが2件中止になった。一人はユカさん(論系ゼミ2期生、神戸在住)で、もう一人はミサキさん(論系ゼミ6期生、埼玉在住)。二人とも4月の出産予定で、安定期でカフェ巡りには支障はないものの(むしろ散歩はした方がよい)、どちらも長時間の電車での移動になるから感染が(小さな確率ではあっても)心配だ。その点、エミさんは蒲田の一つ隣の川崎の在住であるから、先月末まで水道橋の会社まで毎日満員電車で通勤していたことを考えれば、心理的な問題はまったくない。

「まやんち」を11時半に予約しておいた。

もちろん「まやんち」の看板メニュー、アフタヌーンティーを注文(要予約)。

彼女とここでアフタヌーンティーをいただくのは二回目である。写真は二人前。

上段は、フレジエ、金柑のタルト、ウィークエンド(柚子風味)、柚子のマカロン、生チョコタルト、柑橘ゼリー、

下段は、ミニキッシュ、野菜のサンドウィッチ、スコーン(自家製ジャム&クロテッドクリーム)

お茶は、私は「未夜(みや)」という日本の紅茶、彼女はルイボスティーを注文。

お茶はポットで供されるが、私はお菓子が残り3個になったところで、全部飲み干してしまった。

紅茶を追加で注文。今度はダージリンのオータムブレンド(いくつかの茶園の秋摘みの茶葉をブレンドしたもの)。普通、秋摘みは春摘みや夏摘みに比べて色が濃くなるが、摘んだばかりの秋摘みだから色はそれほ濃くはない。しかし味わいは深く、スイーツにはよく合う。

「まやんち」には2時間近く滞在した。アフタヌーンティーとはそういうものである。

この後、彼女を大森の「sanno2198」に連れて行きたい。マダムにもそのことを伝えていて、マダムは「タルトタタンを作ってお待ちしています」と言ってくれている。しかし、いまからすぐに行ったのでは、お腹にタルトタタンの入る余地がない。腹ごなしの散歩を途中に入れる必要がある。どこにしようと考えて、大森駅の近くに大森貝塚の史跡と公園があるので(私はまだ一度も行ったことがない)、そこに行ってみようということになった。

大森貝塚の石碑は京浜東北線の線路際にあるが、そこへはバス通り(池上通り)からビルとビルの間の細い通路を入って行く。

そして線路際まで階段を下りていく。

石碑はビルと線路の間の小さな敷地に建っている。

「大森貝墟」。理学博士佐々木忠次郎の書である。いまでは「大森貝塚」だが当初は「大森貝墟」と呼ばれていたことがわかる。

台の部分に「大森貝塚の跡。1877年にエドワード・S・モース教授によって発見される」と記されている。

モースは東京大学の動物学の教授として来日した。そして横浜から新橋に向かう電車の中から大森貝塚(と後に呼ばれることになった貝塚)を発見したのである。

エドワード・シルヴェスター・モースの肖像。

いま京浜東北線の車窓からわれわれ二人を「発見」している乗客もいるに違いない。

石碑のある場所と公園は別で、いったんバス通りに戻って、もう少し歩くと、再び細い脇道に入る場所がある。ここは大田区と品川区の境で、道の右側が大田区、左側が品川区だ。

少し行くと、左側のマンションの敷地に入る扉がある。

扉の外にこんなパネル表示がある。大森貝塚遺跡庭園にはこんな場所を通って行くのか。

一種の「秘境」といえるのではあるまいか。

マンションの私有地を抜けて、この先の扉の向こうが目指す公園のようである。

彼女も一体どこへ連れて行かれるの不安だったようだが、ようやく公園らしい場所に出て、ホッとした表情になった。けっこう広い公園である。

(名称は後から知ったのだが)貝塚展示ブースというのがあった。貝殻のデザインの壁と屋根(?)。

貝塚の見える地層が再現されている。きっとモースが車窓から見たのはこんな地層だったのだろう。

いまならちょっと物知りな小学生なら「貝塚だ!」とわかるはずだが、当時の日本人には「貝塚」という概念がなかったのだろう。大森貝塚が日本の考古学発祥の地とされる所以である。

貝塚は貝殻の捨て場というのが通説だが、近年、貝の加工場であるという説も浮上しているようである。

この先にさらに開けた場所があるようである。

(これも後から知った名称だが)「縄文の広場」と「地層の回廊」。

「地層の回廊」で記念写真。

これが公園の全貌。われわれが入ってきたのは裏口みたいなものだった。バス通りから直接入れる広い入口があったのだ。

さて、お腹もこなれたところで「sanno2198」へ行きましょう。マダムに電話をして「いまから伺います」と伝える。

公園からは15分ほどで到着。

先客はいなかった。

暖かな日差しの下を散歩して喉が渇いていたわれわれはアイスコーヒーを注文。

マダムが丁寧にコーヒーを淹れるのを見つめるエミさん。

淹れたてのコーヒーは氷で容器を冷やしてアイスコーヒーにする。

氷の入っていないアイスコーヒーとタルトタタン。いただきます。

紅玉を使ったタルトタタン。ほどよい酸味と甘さである。

マダムとおしゃべりをしていると、今日が2回目という男性客がやってきた。実は、私のブログを見てここに来られたそうである。聞くと、「甘味あらい」の記事(閉店のいきさつ)を見たのが私のブログを見るようになったきっかけだそうである。「甘味あらい」のご主人が40代の半ばの若さでくも膜下出血で急逝されたのは2011年10月7日のことである。その日のブログは→こちら。「甘味あらい」が閉店してからどこの店でもあんみつを食べてもものたらないので、あんみつそのものを食べなくなりましたと男性は言った。私も同感である。

私たちが「甘味あらい」の思い出を語り合っているところに、常連のミキさん(「ミキティーと呼んで」のミキさんである)が入ってきて、話の輪がさらに広がった。彼女は美容関連のお仕事をされているが、隣のエミさんを見て、「きれいな方。お肌もきれいね」と言った。エミさんが来月末に出産予定で、それも2人目と知って、「えっ、おいくつですか?」と聞いていた。大学を卒業したばかりと思い込んでいたようである。

彼女はプリンを注文した。

さて、気分がよくなったところで(笑)、われわれはそろそろ失礼しましょうか。5時までにお子さんのお迎えにいかなくてはならないのだ。

彼女は無類のカフェ好きである。今日は私との出産前の最後のカフェの予定であったが、まだまだ行っておきたいカフェもあるようなので、もしかしたらあと1回カフェの機会があるかもしれない。

夕食の主菜は鶏肉とカシューナッツの甘辛野菜炒め。「マーボ屋」レベルで美味しい。

レンコン餅の揚げびたし、サラダ、味噌汁、ご飯。

食事をしながら『プレバト』を観る。

デザートは「カフェ・スリック」に注文し、妻がテイクアウトしてきた、バレンタイン仕様のシフォンケーキ。

半分個して食べる。

今日はケーキ・デーだ。

チョコレートもいただく。「ホワイトデー」を忘れないようにしないとな。

2時、就寝。