弘前市内にある、いかにも青森県らしい温泉銭湯です。国道7号バイパスと県道41号の交差点角というわかりやすい場所に立地しており、敷地内には仕出し弁当屋さんも併設されています。最近改築したらしく、建物裏側の駐車場にも出入口が増設されていました。
綺麗な館内ですが、民間施設らしいどこかB級的な雰囲気も否めません。青森県の温泉銭湯って、どこも似たような空気が漂っているような気がします。広々しているので使い勝手は良好です。
脱衣所から浴室へ向かうガラスの引き戸の脇に掲示された誇らしげな案内書き。なお、夏季は暑いために加水することがあるとのこと。青森県の温泉銭湯は掛け流しが当たり前ですから、神奈川県民の私としては本当に羨ましい限りです。
浴室内も広々していますが、訪問時はちょっと熱がこもっており、ムワッとした空気に包まれました。浴室内にはJ字のカーブを緩やかにしたような大きな主浴槽が据えられ、その一部は泡風呂装置が設置されています。洗い場にはカランが26基(中央の島に8基、ガラス窓の下に12基、入口の並びに6基)。洗い場の奥にはサウナと水風呂があり、他のお風呂と同様、ここでもサウナが人気を集めていました。
また主浴槽の湯口傍から数段上がったところにはお湯の滑り台のようなものが設けられているのですが、これは一体どのように使うのでしょうか。普通に滑って楽しむものなのかしら。
お湯は岩のオブジェから出ています。薄い黄色を帯びた透明で、海水のようにしょっぱく、そして苦汁の味と出汁味も混ざっています。はっきりとしたモールの良い匂いが香っており、この匂いが示す通り泉質もモール泉に近いのでしょうか、ツルツルスベスベの非常に気持ちいい浴感が得られ、お湯に入っていると思わず肌をさすりたくなるほどでした。化石海水系でモール臭も有しているという特徴は、東京湾岸の温泉にも似ていますね。弘前の市街地周辺ではこの手のお湯によく遭遇します。
訪問時は加水されているようでしたが、それでも湯加減は若干熱めでした。でも浴槽からオーバーフローしているような場所は見当たらず、浴槽のお湯はどこから排湯されているのか、今回は確認できませんでした。
洗い場のカランは青森県の銭湯ではお馴染の押しバネ式水栓、そして壁直付けの固定式シャワーです。合計で26基もあるので、多客時でも洗い場を待つようなことはないでしょう。青森県の温泉銭湯って、たとえ新しい施設であっても、あえてこの古いタイプの水栓を設置するケースが多いのですが、地元の方にとっては混合水栓よりもこちらの方が使い慣れているのでしょうか。
夕方に訪問したためか、お客さんの数は多く、常に10人前後が出入りしていました。立地条件が良く、お風呂としての使い勝手も良好で、サウナも併設され、お湯の質も上質ですから、お客さんが集まってくるのは至極当然でしょう。温泉風情を楽しむというよりは、日常生活における津軽人と温泉との親密度会いを認識できるお風呂というべき施設かもしれません。
ナトリウム-塩化物温泉 48.8℃ pH7.64 110L/min(動力揚湯) 溶存物質5.869g/kg 成分総計5.880g/kg
Na:2007mg(95.41mval%), Cl:3021mg(91.18mval%), HCO3:480.9mg(8.43mval%)
青森県弘前市津賀野字浅田987-1 地図
0172-35-5550
6:00~23:00
350円
ロッカーあり(100円リターン式)・ドライヤー有料(10円/1min)・シャンプー類などは販売
私の好み:★★