温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

板柳温泉旅館部

2011年10月20日 | 青森県
※残念ながら閉館してしまいました。

 
板柳駅のすぐそばにある温泉旅館です。旅館と言っても現在宿泊営業は行っておらず、立ち寄り入浴のみとなっています。入浴だけなら隣接している板柳温泉共同浴場の方が使い勝手は良いのですが、あえて不便な方へ向かうのがドM温泉マニアの悲しい性なのであります。
まるで廃墟を思わせるようなボロボロの外観で、営業しているのかいないのかわかりません。おそるおそる玄関を入ってみると、受付で座っていたお爺さんはうつらうつらと夢の国にいらっしゃいました。ボロい建物と商売っ気が微塵も感じられない受付という組み合わせは、温泉巡りをしていると大抵は「あたり」である場合が多いので、とっても興奮してきます。お休みのところを恐縮ですがお爺さんに声掛けをして料金を支払いました。

 
こちらのお風呂ではお隣の共同浴場と同じ源泉を使っているそうですが、両者で異なる大きなポイントは、こちらの方がいろいろな個室のお風呂を用意している点です。そして使い勝手が良くないので、いつ行っても大抵は空いている点も挙げられるでしょう。まずは主浴室である混浴風呂へと向かいます。浴室入口に貼られた浴室名の「男浴室」というプレートは「男」の文字が半分切れていますが、これを以て混浴と読むべきなんでしょうか。

 
浴室内にはカランなどは無いので、桶で直接掛け湯します。昭和の中ごろから時計の針が止まっているかのような古くて静かな浴室です。お湯は津軽平野ではよく見られるモール的な特徴を帯びた食塩泉でして、見た目はほぼ無色透明で微かに黄色っぽいような気もしますが、浴槽のタイルのために若干緑色を帯びているようにも見えます。口に含むと塩味+出汁味が感じられ、弱いながらも芳しいモール臭が漂い、ツルツルスベスベの非常に気持ち良い浴感です。小さなドームのような湯口から絶え間なく源泉が注がれ、どんどん浴槽の縁からオーバーフローしていきます。純然たる掛け流し。長い間に着色してしまったのか、湯口付近の浴槽底のタイルは薄ら赤っぽく染まっています。
食塩のおかげで温浴効果が強く、冬はなかなか湯冷めしにくいかと思われますが、夏は結構体力を奪われてヘトヘトになりますよ。


混浴の内湯の他、貸切風呂が4室(角風呂・岩風呂・りんご風呂・寝風呂)と家族風呂が1室が利用可能ですが、あまりにボロい建物なので、扉が開かない部屋もあったりして、ドリフのコントで使われるセットのようでもあり、それはそれで面白かったです(開きにくい扉を無理矢理開けたら、上から金たらいが落ちてきたりして…)。室内の壁も一部崩れており、いつ建物自体が崩れ落ちても不思議ではないほど、ひどい老朽化が進んでいます。

 
貸切風呂のひとつ「角風呂」。一人入るのが精いっぱいな小さいお風呂です。

 
こちらは「岩風呂」。「角風呂」と大して変りありませんが、湯口に岩が積まれているから「岩風呂」なんでしょう。

一番特徴的な「りんご風呂」と「寝風呂」「家族風呂」の画像が見当たらず…。データを消してしまったのかしら…。「りんご風呂」は浴槽がりんごの形をしており、とっても可愛らしいのです。他の貸切風呂と同様に「りんご風呂」も狭く、定員は2人といったところでしょうか。使われている源泉は各浴室とも同じかと思われます。なお「寝風呂」に関しては施設側が管理を放棄しているのか、ちょっと不衛生な状態でした。
とにかく建物がボロい。そして商売っ気がちっともなく、お手入れもいまいちで、浴室内にはカビがはびこっていたり、開きにくいドアもあったり、お風呂自体から異臭を発しているところもあったりと、あまり普通の方にはおすすめできないポイントも多々ありました。しかしながらお湯のクオリティは素晴らしく、古き良き昭和の雰囲気を今に残す混浴の浴室や、意匠を凝らしたかわいらしい「りんご風呂」など、ここでないと味わえない魅力も擁しているので、レトロ系が好きな方なら是非立ち寄っていただきたいお風呂であると思います。お手入れが行き届いていないのは、怠惰ではなく、経営者がご高齢であることや、後継者がいないことなどが原因なのでしょうから、こればかりは致し方ないのでしょう。


温泉分析表見当たらず
(おそらくナトリウム-塩化物温泉)

JR五能線・板柳駅より徒歩2分(約130m)
青森県北津軽郡板柳町福野田字実田47-13  地図
0172-73-2151

営業時間不明
400円
備品類なし

私の好み:★★★
コメント (2)
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金太郎温泉 カルナの館

2011年10月20日 | 富山県

金太郎温泉は富山県の温泉の中でもかなり個性的でしょう。施設は旅館の「金太郎温泉」と日帰り入浴専門の「カルナの館」に分かれています。今回は(今回も)「カルナの館」を利用しました。私がこちらを訪れるのは3回目ですが、いつ行っても駐車場が混んでいるような印象を受けます。それだけ多くのお客さんを集めているんですね。


館内はホテルを思わせる広くて立派な造り。靴箱のカギと引き換えにフロントでロッカーキー(番号指定)を受け取ります。またロッカーキーと共に貸タオル(フェイスタオル)が一枚手渡されます。利用時間は1時間、3時間、1日の3パターンからチョイスし、それぞれの金額をまず支払い、退館時に追加分や館内での買い物飲食などの料金を精算します。
脱衣所も広くて使い勝手良好。ロッカー数はとっても多いので、混雑時でも修羅場になることはないでしょう。

 
浴室も広々しており、室内なのに開放感抜群。浴室入口のドアを開けた途端、プンと卵が腐ったような硫化水素臭が漂ってきます。浴室内には馬鹿デカい主浴槽の他、寝湯・打たせ湯・歩行湯・サウナなどなど、バラエティーに富んだお風呂が用意されています。でも私は1時間料金で入館しているので、あまりノンビリもできず、今回も(前回も前々回も)内湯の主浴槽と露天以外は利用できませんでした。
内湯主浴槽は「立山連峰パノラマ大浴殿」と命名されているように、お風呂の背景には岩が高々と積まれて立山連峰をイメージした巨大オブジェが設置かれています。この岩はてっきり地元のものかと思いきや、四国から運ばれた物が多いみたいです。湯口から注がれるお湯は白濁していますが、底が確認できる程度の透明度は確保されており、浴槽縁の切り欠けからオーバーフローしてゆきます。源泉掛け流しとのことですが、おそらく加水はされているでしょう、それにしても、これだけ大きいお風呂も珍しいですね。


こちらは露天。日本庭園風の造りでやはりこちらも広々。お客さんがたくさんいらっしゃったので、遠巻きの撮影となりました。わかりにくくてごめんなさい。枝ぶりの良い松の上の夜空に浮かんだ満月がいい雰囲気ですね。露天には池を挟んで大小二つの浴槽があり、画像手前側は白濁が強くて底が見えず、にもかかわらず浴槽の中に腰かけの石が沈んでいるため、一応注意書きが立てられているものの、その場所がいまいちよく確認できず、私は何度も躓いたり滑ったりしそうになりました。まさかりを担ぎながら浴槽脇に佇む金太郎の石像がお客さんを見つめています。


飲泉場があるので飲んでみましょう…、おえっ! 塩を入れすぎたしょっぱいタマゴスープ味に苦みが少々加わったような味。かなり濃いですね。コップが用意されているからといって、いきなり思いっきり飲まず、少しずつ口に含んだほうが良いでしょう。

広くていろんなお風呂はあるし、お湯はとっても濃くて硫黄感たっぷりですから、ここは何度訪れてもいいですね。濃い食塩泉なので湯上がりはいつまでも保温効果が続きました。これで料金設定がもう少し低くなると助かるのですが…。


混合鑿井水(1号井・2号井・3号井)
含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉(硫化水素型)
73.5℃ pH記載なし 溶存物質16224mg 成分総計16247mg
Na:4580mg(72.74mval%), Ca:1303mg(23.74mval%), Cl:9610mg(98.9mval%), S2O3:2.04mg, 遊離H2S:4.84mg

富山県魚津市天神野新6000  地図
0765-24-1221
ホームページ

8:30~23:00(最終受付22:00) 年中無休
700円/1H, 1000円/3H, 1600円/1day
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★
コメント (4)
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