温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

タイ チェンマイ県チェンダオ郡 ピン川の川原で野湯

2014年05月08日 | タイ
 
今回のタイ温泉めぐりでは、まだ人の手が及んでいない野湯らしい野湯に入っていません。と言っても、現地の自然環境や地理状況に詳しくない限り、その手の温泉に巡りあうことは至難の業ですから、タイ北部ビギナーの私がおいそれと見つけられるはずもありません。またもし事前に情報を入手できていても、野湯はえてして現地までアクセスするのが非常に困難です。そんな状況下、事前に温泉に関してリサーチをしていましたら、私でも容易に辿り着けそうな野湯を一つ見つけましたので、どんなところか行ってみることにしました。
場所はチェンダオ郊外を流れるピン川の川原。チェンダオを南北に貫く国道を北上し、軍の駐屯地を通りすぎて川を渡ると、東の方角へ向かう別の国道が分岐する丁字路が目の前に現れるのですが、その丁字路の手前には上画像のように川の方へ路地がそれており、事前に仕入れた情報によれば、この路地を入っていけば良いはずです。


 
国道から100メートル程度で川原に到着しました。路地の先はちょっとした広場のようになっており、その一部にはホースや屋根の骨組みのような構造物も見られます。でも辺りを見回しても温泉らしきものは見当たりませんし、湯気が立ち上っているような状況でもありません。


 
更に20メートルほど下流へ歩くと、川岸に頭をちょこんと覗かせた土管を発見しました。情報によれば、ここにはかつて土管風呂があったらしいのですが、川の増水によって土砂に埋もれてしまったようです。これじゃとても入浴なんてできませんが、でもこの近辺を調べれば、現在でも温泉が湧いているかもしれません。



現在でもこの地に温泉の湯脈が存在している証に、川の対岸ではボーリング工事の真っ最中でした。けだし温泉を掘っているのでしょうね。ということは近い将来、ここに温泉リゾートが開発されるのかもしれません。



土管風呂の残骸の周辺をよく観察していると、川面のところどころで気泡が弾けているではありませんか。川底からプクプク泡が上がってるぞ!


 
川原一帯が源泉地帯になっているらしく、川底のみならず上画像のように岸際でもお湯が湧出しており、短いながらもお湯の流れを作っていました。またはっきりと湧出が確認できるポイントは、うっすらと白くなっていました。



川から湧くお湯だから大して熱くないだろうと、舐めてかかったのですが、これが大間違い。ビーチサンダルで川の中を歩いて探索していたところ、時々足裏に、火傷しそうなほど篦棒に熱い刺激が走ったのです。そこでデータを計測したところ、66.5℃およびpH7.0という数値が得られました。結構熱いでしょ。なおお湯から特に匂いは感じられず、見た目も無色透明でした。



ただ見ているだけではつまらないので、当地を訪れた記念に川の中に入ってみました。たしかに湧いている温泉は熱いのですが、ひとつひとつの湧出ポイントから出てくるお湯の量は少なく、川全体を温めるまでには及びません。それでいて湧出ポイントの真上だけは激熱なので、そこに入るわけにもいきません。スコップがあれば川底を掘ることもできますが、旅の身の上、そんなものを持っているはずもありません。おまけに乾季の真っ最中ですから川の水位もめちゃくちゃ低い。川の中を歩きながら、温度や深さで最も妥協できたのが、上写真の場所でした。あまりに浅くて足湯ならぬ尻湯になってしまいましたが、それでもこの箇所に川は40℃前後の丁度良い湯加減になっており、我が大殿筋はちゃんと温泉の熱をしっかり感じ取ることができました。


コメント
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