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前回に続いて今回も山形県のアブラ臭漂う温泉を訪問します。といっても今回目指す場所は、前回の舟唄温泉からは遠く離れた、最上地方の鮭川村に湧く羽根沢温泉です。訪った日は冬のまっただ中で、何もかもが深い雪にすっかり埋もれていましたが、たとえ過疎と高齢化の著しい村であっても、村にとっての生命線である県道は除雪されており、おかげさまで普段は関東しか知らない我が愛車も難なく通行することができました。
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羽根沢温泉に到着です。こちらを訪れるのは久しぶりでして、小さな温泉街の鄙びた雰囲気は相変わらずなのですが、むしろ雪が鄙びた部分を包み隠してくれているようにも見えます。
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今回は旅館「松葉荘」で立ち寄り入浴することにしました。建物の看板には旅館名の頭に「別館」という語句が付いていますが、現在本館に当たるものは無く、この別館のみですので、お宿のホームページ等では別館を省いて、本館や別館の区別無しに「松葉荘」と称しています。従いまして、拙ブログでもこれに倣って「別館」の文字を省いて取り上げることにします。
観葉植物の緑が印象的なロビーで入浴をお願いしますと、ご主人が快く受け入れてくださいました。
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玄関から伸びる廊下をまっすぐ進み、途中で右へ直角に折れて更に進んでゆきます。廊下に飾られている桶には東北民謡のCDが収められていました。温泉と民謡って親和性ありますもんね。
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廊下のステップを数段下った突き当たりに浴室があり、男女両浴室の間に挟まれる形で洗面台が1つ設けられていました。ドライヤーも備え付けられています。
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脱衣室は2畳くらいしかなく、腰掛けにプラ籠が置かれているだけの、旅館というより共同浴場を彷彿とさせる、極めてシンプルなレイアウトです。室内には換気扇が無いため、浴室の戸をきちんと閉めてほしい旨が印字されたテプラが2枚も貼られていました。
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羽根沢らしいアブラ臭が漂う浴室もこぢんまりしており、一見するとごく普通の実用的なお風呂に思えるのですが、随所に無機的なそっけなさを払拭する工夫が施されており、たとえば、浴槽こそタイル貼りですが、その周りにはスノコが敷かれて、木材ならではの温もりと柔和な空気感を醸し出していますし、脱衣室の引き戸から浴槽まで間には切り出し石が並べられ、さりげない重厚感をもたらしていました。
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洗い場にはシャワー付き混合水栓が1基取り付けられており、ボディーソープ類も完備されています。視線を窓際へ転じると、おもちゃのアヒル2体と共にお風呂用玩具が置かれており、アットホームな空気感を漂わせていました。
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四角い浴槽は5~6人サイズ、全面的にタイル貼りで、縁には白色、槽内は水色が採用されていますが、お湯のオーバーフローが流れる手前側は茶色く染まっていました。湯船をよく見ますと、湯面より上は男女両浴室がきちんと仕切られていますが、浴槽は女湯と一体になっており、仕切りの下から手を伸ばせば、槽内で男女が握手することもできそうです。
無色透明な湯船のお湯の中では、とろろ昆布を千切ったような灰色の大きい湯の華が浮遊していました。画像のように手桶で容易くすくい取ることができちゃいます。
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岩の湯口は男女両浴室共通で、一つの湯口から双方へお湯を分けており、その流路では白い湯の華がユラユラ揺れています。湯口に置かれているコップで飲泉してみますと、ちょっと辛めの塩味や苦味が感じられ、明瞭なアブラ臭が鼻へと抜けていきました。分析表を見ますと、硫化水素イオンが1.9mgと記されていたのですが、(チオ硫酸イオンでも遊離硫化水素でも構わないので)あと0.1mgあれば硫黄泉を名乗れますから、実に惜しいデータと言えそうです。
湯船に浸かるとニュルニュル感を伴うツルスベ浴感が実に心地よく、湯船から上がってもスベスベ感は持続しました(湯船の底も滑りやすい状態でした)。湯面からは中毒性のあるアブラ臭が香り、湯船では丁度良い湯加減、しかもコンフォータブルな浴感が体を包んでくれるので、ついつい長湯したくなるのですが、温泉に含まれる濃い目の食塩がボディーブローのように効いてきますので、やがて体がお湯に負けてヘロヘロになってしまい、気づけば這々の体で湯船から上がっていました。実にパワフルなお湯です。
もちろん湯使いは放流式。お湯の鮮度感も良好です。お風呂から上がって雪の屋外に出てもしばらくは湯冷めせず、いつまでもポカポカとした温かさが持続しました。小さなお風呂であると侮るなかれ、良泉を堪能できる味わい深い浴場でした。
ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物温泉
47.2℃ pH8.4 蒸発残留物2957mg/kg 溶存物質3848mg/kg
Na+:1204mg,
Cl-:915.5mg, Br-:2.4mg, I-:0.6mg, HS-:1.9mg, HCO3-:1636mg, CO3--:31.1mg,
H2SiO3:26.5mg,
山形県最上郡鮭川村大字中渡1314-2 地図
0233-55-2539
ホームページ
日帰り入浴時間不明
300円
シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★+0.5