「小野川温泉 河鹿荘 その2(大浴場「せせらぎ」)」の続編です

「河鹿荘」は幾棟かに分かれており、前回記事その2で紹介した大浴場「せせらぎ」は、私が一晩を過ごした客室は「逍遥館」に付帯していたのですが、今回取り上げる大浴場「あさみどり」や「家族風呂」はフロントから伸びる廊下をまっすぐ進んだ最奥に独立していますので、客室棟「美風館」の1階を通過し、案内に従い専用の渡り廊下を歩いてゆきます。

右手に中庭の池を眺めつつ緩やかな上り勾配の廊下を進んでいった突き当たりの手前右手が大浴場「あさみどり」、左手奥が「家族風呂」です。「その2」の大浴場「せせらぎ」と同様に「あさみどり」は男女時間入れ替え制となっており、「せせらぎ」と「あさみどり」で男女が必ず交互に入れ替わるタイムスケジュールとなっています。
●あさみどり

室内の窓ガラスより浴室を見下ろす構造の脱衣室は広々としており、天井も高くて開放的です。壁飾りやカーテンなど若干アジアンテイストかもしれません。明らかに造りが「せせらぎ」よりも新しいので、その雰囲気から察するに、前回取り上げた「せせらぎ」が旧館のお風呂、この「あさみどり」が新館のお風呂に相当するのだろうと思われます。

脱衣室からステップを数段下りて浴室へ。雪景色の池に面して天地いっぱいに大きな窓ガラスが用いられており、室内空間なのに閉塞感は無く、明るくゆとりのある環境が生み出されています。また床には十和田石が敷かれており、素足で歩いた際に伝わってくる十和田石ならではの気持ち良い感触も、居心地の良さに一役買っています。なお内湯のみで露天風呂はありません。

洗い場にはシャワー付き混合水栓が2箇所に分かれて計7基取り付けられています。シャワーヘッドをよく見ますと、地球儀のような模様が施されていました。

大浴場「せせらぎ」と同様、こちらにも浴槽の傍らに「かけ湯用」の桶が用意されています。

窓に面した浴槽は凸の字を逆さにしたような形状をしており、2:3くらいの割合で温度別に2分割されています。
石材を加工した湯口は湯の華で流路を白く染めていますが、その湯口から直接お湯が注がれる小さな方は「あつ湯」となっており、5~6人サイズといったところで、私の体感では43~4℃でした。湯中ではたくさんの白い湯の華が舞っています。

一方、仕切りの反対側に当たる大きな方は、容量としては9~10人でしょうか、スリットが開けられている仕切り板を通じて、「あつ湯」の方からお湯を受けており、一般的な湯加減(41~2℃)がキープされていました。この仕切り板の上には丸太が渡されているのですが、その丸太の色と浴槽縁やステップの石板の色を合わせており、その落ち着きのあるカラーコーディネートが上品さを醸し出していました。
仕切り板を挟んだ2つの入浴ゾーンを比較しますと、湯口から注がれるお湯を直接受ける小さな「あつ湯」の方が(当然ですが)鮮度感が優れており、熱くて逆上せそうになりながらも、その感触の良さに後ろ髪がひかれ、なかなか湯船から出ることができませんでした。
●家族風呂

「あさみどり」に隣接して「家族風呂」があり、こちらは完全貸切制となっていますので、まずはフロントで予約を済ませ、予約時間になったらフロントへ赴いて札と鍵を受け取り、鍵で浴室の扉を開けて、その扉に札を掛けておきます。なお1回40分です。

脱衣室は一人じゃ持て余しちゃうほど広々しており、こんな立派な貸切風呂を一人で利用してしまうことに後ろめたさを覚えてしまいました。「あさみどり」と同様にガラス窓から浴室を見下ろす造りになっており、洗面台や籠が複数用意されていること、それでいて一回り小さな構造であることから推測するに、おそらく「あさみどりの湯」は元々男湯として、隣接する「家族風呂」は元々女湯として設計されたのではないかと勝手に想像しました(が真実のほどはいかに…)。

赤ちゃん連れのファミリーに朗報です。この家族風呂にはベビーベッドがあるばかりでなく、オムツを入れられるビニール袋が用意されていたり、ベビーチェアーやベビーバスなども備え付けられていたりと、赤ちゃんと一緒に温泉を楽しめる配慮がなされているのです。しかも貸切の家族風呂ですから、他の客に迷惑をかけることもありません。これなら赤ちゃん連れのママでも温泉旅行を諦めずに済みますね。素晴らしい!

お隣の「あさみどり」とはガラスブロックで仕切られているこちらの浴室にも、大きな窓ガラスが採用されており、一見するとお隣と同じような造りに思われるのですが、よく見ますと床に十和田石は採用されておらず、浴槽内も石板ではなくタイル貼りとなっており、内装面で細かな違いが見られます。

直線的な「あさみどり」とは異なり、こちらの浴槽は丸みを帯びており、槽内はコバルトブルーの丸く小さなタイルが敷き詰められています。扇形に開いている湯口から熱い源泉が注がれていますが、投入量を絞っていたためか、家族みんなでゆっくり寛げるような程良い湯加減になっていました。
「あさみどり」「家族風呂」ともに放流式の湯使いとなっており、浴槽縁を溢れ出るようなオーバーフローは見られない代わりに、槽内の穴からオーバーフロー管を経由して排湯されていました。
比較的規模の大きな宿であるにもかかわらず、各浴槽での湯使いには妥協を許さずに鮮度感を維持した状態でお湯を提供しており、小野川のお湯の良さをお客さんに伝えるための苦心が感じられました。また家族風呂に見られた諸々の配慮を含め、客室サービスやお食事など、ホスピタリティも十分満足できました。その1でも申し上げましたが、これだけのサービスを享受できて、税別で野口英世7人でOKなのですから、コストパフォマンスは卓越していますよね。改めて小野川温泉は良いお宿尽くしであることを実感しました。
協組4号源泉・協組5号源泉
含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉 44.5℃ pH7.3 溶存物質4025.3mg/kg
Na+:915.2mg(66.49mval%), Ca++:707.2mg(29.47mval%),
Cl-:2099.4mg(97.21mval%), Br-:5.8mg, HS-:1.7mg, S2O3--:3.75mg, SO4--:50.6mg, HCO3-:54.9mg,
H2SiO3:92.4mg, CO2:22.6mg, H2S:0.6mg,
(平成21年1月26日)
JR米沢駅から山交バスの小野川温泉行で「小野川温泉」下車、徒歩4分(350m)
山形県米沢市小野川町2070
0238-32-2221
ホームページ
日帰り入浴11:00~21:00(だったかな? 要確認)
500円
貴重品用ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★★


「河鹿荘」は幾棟かに分かれており、前回記事その2で紹介した大浴場「せせらぎ」は、私が一晩を過ごした客室は「逍遥館」に付帯していたのですが、今回取り上げる大浴場「あさみどり」や「家族風呂」はフロントから伸びる廊下をまっすぐ進んだ最奥に独立していますので、客室棟「美風館」の1階を通過し、案内に従い専用の渡り廊下を歩いてゆきます。


右手に中庭の池を眺めつつ緩やかな上り勾配の廊下を進んでいった突き当たりの手前右手が大浴場「あさみどり」、左手奥が「家族風呂」です。「その2」の大浴場「せせらぎ」と同様に「あさみどり」は男女時間入れ替え制となっており、「せせらぎ」と「あさみどり」で男女が必ず交互に入れ替わるタイムスケジュールとなっています。
●あさみどり


室内の窓ガラスより浴室を見下ろす構造の脱衣室は広々としており、天井も高くて開放的です。壁飾りやカーテンなど若干アジアンテイストかもしれません。明らかに造りが「せせらぎ」よりも新しいので、その雰囲気から察するに、前回取り上げた「せせらぎ」が旧館のお風呂、この「あさみどり」が新館のお風呂に相当するのだろうと思われます。


脱衣室からステップを数段下りて浴室へ。雪景色の池に面して天地いっぱいに大きな窓ガラスが用いられており、室内空間なのに閉塞感は無く、明るくゆとりのある環境が生み出されています。また床には十和田石が敷かれており、素足で歩いた際に伝わってくる十和田石ならではの気持ち良い感触も、居心地の良さに一役買っています。なお内湯のみで露天風呂はありません。


洗い場にはシャワー付き混合水栓が2箇所に分かれて計7基取り付けられています。シャワーヘッドをよく見ますと、地球儀のような模様が施されていました。

大浴場「せせらぎ」と同様、こちらにも浴槽の傍らに「かけ湯用」の桶が用意されています。


窓に面した浴槽は凸の字を逆さにしたような形状をしており、2:3くらいの割合で温度別に2分割されています。
石材を加工した湯口は湯の華で流路を白く染めていますが、その湯口から直接お湯が注がれる小さな方は「あつ湯」となっており、5~6人サイズといったところで、私の体感では43~4℃でした。湯中ではたくさんの白い湯の華が舞っています。


一方、仕切りの反対側に当たる大きな方は、容量としては9~10人でしょうか、スリットが開けられている仕切り板を通じて、「あつ湯」の方からお湯を受けており、一般的な湯加減(41~2℃)がキープされていました。この仕切り板の上には丸太が渡されているのですが、その丸太の色と浴槽縁やステップの石板の色を合わせており、その落ち着きのあるカラーコーディネートが上品さを醸し出していました。
仕切り板を挟んだ2つの入浴ゾーンを比較しますと、湯口から注がれるお湯を直接受ける小さな「あつ湯」の方が(当然ですが)鮮度感が優れており、熱くて逆上せそうになりながらも、その感触の良さに後ろ髪がひかれ、なかなか湯船から出ることができませんでした。
●家族風呂


「あさみどり」に隣接して「家族風呂」があり、こちらは完全貸切制となっていますので、まずはフロントで予約を済ませ、予約時間になったらフロントへ赴いて札と鍵を受け取り、鍵で浴室の扉を開けて、その扉に札を掛けておきます。なお1回40分です。


脱衣室は一人じゃ持て余しちゃうほど広々しており、こんな立派な貸切風呂を一人で利用してしまうことに後ろめたさを覚えてしまいました。「あさみどり」と同様にガラス窓から浴室を見下ろす造りになっており、洗面台や籠が複数用意されていること、それでいて一回り小さな構造であることから推測するに、おそらく「あさみどりの湯」は元々男湯として、隣接する「家族風呂」は元々女湯として設計されたのではないかと勝手に想像しました(が真実のほどはいかに…)。


赤ちゃん連れのファミリーに朗報です。この家族風呂にはベビーベッドがあるばかりでなく、オムツを入れられるビニール袋が用意されていたり、ベビーチェアーやベビーバスなども備え付けられていたりと、赤ちゃんと一緒に温泉を楽しめる配慮がなされているのです。しかも貸切の家族風呂ですから、他の客に迷惑をかけることもありません。これなら赤ちゃん連れのママでも温泉旅行を諦めずに済みますね。素晴らしい!


お隣の「あさみどり」とはガラスブロックで仕切られているこちらの浴室にも、大きな窓ガラスが採用されており、一見するとお隣と同じような造りに思われるのですが、よく見ますと床に十和田石は採用されておらず、浴槽内も石板ではなくタイル貼りとなっており、内装面で細かな違いが見られます。


直線的な「あさみどり」とは異なり、こちらの浴槽は丸みを帯びており、槽内はコバルトブルーの丸く小さなタイルが敷き詰められています。扇形に開いている湯口から熱い源泉が注がれていますが、投入量を絞っていたためか、家族みんなでゆっくり寛げるような程良い湯加減になっていました。
「あさみどり」「家族風呂」ともに放流式の湯使いとなっており、浴槽縁を溢れ出るようなオーバーフローは見られない代わりに、槽内の穴からオーバーフロー管を経由して排湯されていました。
比較的規模の大きな宿であるにもかかわらず、各浴槽での湯使いには妥協を許さずに鮮度感を維持した状態でお湯を提供しており、小野川のお湯の良さをお客さんに伝えるための苦心が感じられました。また家族風呂に見られた諸々の配慮を含め、客室サービスやお食事など、ホスピタリティも十分満足できました。その1でも申し上げましたが、これだけのサービスを享受できて、税別で野口英世7人でOKなのですから、コストパフォマンスは卓越していますよね。改めて小野川温泉は良いお宿尽くしであることを実感しました。
協組4号源泉・協組5号源泉
含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉 44.5℃ pH7.3 溶存物質4025.3mg/kg
Na+:915.2mg(66.49mval%), Ca++:707.2mg(29.47mval%),
Cl-:2099.4mg(97.21mval%), Br-:5.8mg, HS-:1.7mg, S2O3--:3.75mg, SO4--:50.6mg, HCO3-:54.9mg,
H2SiO3:92.4mg, CO2:22.6mg, H2S:0.6mg,
(平成21年1月26日)
JR米沢駅から山交バスの小野川温泉行で「小野川温泉」下車、徒歩4分(350m)
山形県米沢市小野川町2070
0238-32-2221
ホームページ
日帰り入浴11:00~21:00(だったかな? 要確認)
500円
貴重品用ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★★