チェンダオ界隈に点在する温泉のうち、前々回取り上げた「チェンダオ温泉(土管温泉)」とともに観光客に有名でアクセスしやすいのが、今回取り上げる「ポーンアーン温泉(Pong Arng Hot Spring)」であります。当然ながら私も入浴してまいりました。チェンダオから1178号線に入ってムアンガイの田舎町を抜け、道なりにどんどん北上してゆくと、やがて路肩に上画像のように温泉名が記された看板が現れるので、ここで左折します。
左折後の道もちゃんと舗装されていますし、急なカーブや坂道は無く、路肩には現地までの距離も表示されていましたので、安心してドライブできました。
ポーンアーン温泉は国立公園内にあるため、エントランスゲートで入場料を支払います。
エントランスゲートのすぐ目の前に駐車場が広がり、ビジターセンターもその傍らに構えています。園内は綺麗に整備されており、レンジャーも常駐しているんだとか。
駐車場に立てられている構内案内図で温泉がどこにあるかを確認しますと、マップの左上に当たる箇所に源泉があるようですから、早速源泉へ行ってみましょう。
(上画像クリックで拡大)
歩道の途中には温泉の生成や歴史などに関する説明プレートがあり、ありがたいことに日本語表記もありました。が、その文面がかなりメチャクチャでして、安物の翻訳ソフトで訳したものを、一切校正せずにそのまま印刷しちゃったような感じです。もし興味がある方は、上画像をクリックして実際の文面をご覧になってください。なんとなく意味はわかりますが、わずか数行の文を読むだけでも疲れます。
駐車場から歩いて1~2分でポーンアーン温泉の源泉に到着です。大きな源泉の沼が2つあり、底からプクプクと絶え間なく気泡が上がっています。湯沼の底はお世辞にも綺麗とは言えませんが、沼から離れて全体を捉えてみると、緑豊かでなかなか麗しい景色です。
2つある源泉の沼のうち、プレートに1番と記されている方の沼の畔で計測器を突っ込んだところ、49.2℃およびpH7.7という数値が得られました。畔でこの温度ですし、プレートには58℃と記されていますから、アブクが盛んに上がっている中心部ではもっと熱いのでしょうね。
その隣にある2番の源泉沼では49.1℃およびpH7.5でした。プレートには51℃と記されており、1番の沼より若干低いようですが、私が測ったかぎりでは、1番の沼とほぼ同様の湧出状況のようです。
2つの源泉の沼で湧出した温泉は、すぐに合流して一筋の湯の川を形成するのですが、この川に沿って歩道を更に奥へ進むと、間もなく露天入浴ゾーンとなりました。2つの露天風呂のほか、歩道上には荷物用の棚が用意されており、また傍には別料金で利用できる個室風呂(4室)も設けられていました(この時は扉にカギがかかっていたため、内部見学できませんでした)。
このようにシャワールーム(兼更衣室)も完備。
露天風呂の傍には入浴に関する諸注意が掲示されており、曰く、大きな音を立てるべからず、靴を脱ぐべし、入浴ゾーンにはいかなる飲料や食べ物を持ち込むべからず、石鹸やシャンプーを持ち込むべからず、とのこと。また別のプレートには入浴方法が説明されており、入浴前にはシャワーを浴びるべし、あなたの健康のため15分以上の入浴は避けるべし、とのことです。常夏のタイではどの温泉でも入浴時間を短くして逆上せないよう勧めていますが、ここで15分を上限の目安にしているんですね。とはいえ時間に関してはご自身の体と相談して入れば良いわけで、別に15分を厳守する必要はありません。
画像左(上)は足湯、画像右(下)は露天風呂の湯口です。露天入浴槽の上流側にはこのように足湯もあるのですが、ちゃんと足湯と入浴槽とは温泉の供給ルートが別系統になっており、足湯のお湯が入浴槽へ混入するようなことはありません。
露天風呂は2つに分かれており、1番とナンバリングされているお風呂は上流側がやや深い造りになっていて肩までしっかりお湯に浸かれる上、39.5℃という湯加減ですので、気持ち良くじっくり長湯することができました。
そのお隣の2番露天風呂は、槽内にステップが広くせり出ており、子供でも湯浴みできそうな構造です。そんな造りに合わせているのか、湯加減も38.8℃と若干ぬるめでした。なお1番2番ともに専用の温泉投入口があり、いずれも湯の川へ排湯されていまして、循環等といった小細工とは無縁の湯使いです。ただ、槽内のコンクリはとてもヌルヌルしており、非常に滑りやすく、実際に私も何度かコケそうになってしまいました。
私は両方に入浴したのですが、1番の方が気に入ったので、1番で記念撮影を実行しました。お湯は無色透明で、源泉の沼ではほんのりタマゴ的な味と匂いが感じられましたが、露天風呂ではそのような特徴は確認できず(つまりほぼ無味無臭)、浴感にもこれといった特徴はありませんでした。でも言い方を変えれば、おおまかに表現すればアッサリしているお湯であり、癖もないので、イオウ臭が苦手な方でもここなら湯浴みできそうですね。
静かで開放的なロケーションの中、南国の色濃い緑を目にしながらの入浴は実に清々しく、特にこの時は終始独占できたので、誰の目を気にすることもなく、存分にポーンアーン温泉の魅力を堪能することができました。
ちなみに2つの源泉の沼で自噴したお湯が合流する地点(露天風呂より上流側)にも、いかにも入浴できそうな箇所があり、そこでは43~4℃という日本人向きの湯温になっていましたので、私はつい衝動的にそこでも入ってしまったのですが、やがて公園スタッフのおじさんがやってきて「メーダイ(ダメだよ)」と注意されてしまいました。良い子の皆さんは私の真似をせず、決められた場所で入浴を楽しみましょうね。
GPS:19.596717N, 98.944308E,
入園時間調査し忘れ
外国人料金100バーツ、乗用車通行料30バーツ
露天風呂は追加料金無しで利用可能
私の好み:★★