温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

鎌田温泉 湯の宿 畔瀬

2014年07月06日 | 群馬県
 
金精峠(日光)へ向かう国道120号と鳩待峠(尾瀬)へ向かう国道401号が分岐する片品村の鎌田地区では数軒の温泉旅館が営業していますが、その中でも1軒だけ橋の対岸にポツンと独立している「湯の宿 畔瀬」は、内湯と露天風呂で自家源泉を掛け流しさせていることから、多くの温泉ファンより支持を集めています。何にでも相性というものがあり、私は過去2度訪れているにもかかわらず、悲しい哉その都度休業等の理由によって入浴が叶わなかったのですが、先日3度目にしてようやく玄関先に「営業中」の札が掛けられているのを目にし、まさに「三度目の正直」、その3文字を目にして心の底からホッとしました。


 
玄関を開けると、旅館というより民家へお邪魔したかのような、かなり家庭色の強い空気感があり、入る場所を間違ったのかと一瞬慌ててしまいましたが、火鉢でお客さんとお喋りをしながら暖を取っていたお宿の方に声を掛けたら、快く入浴を受け入れてくださいました。火鉢の傍ではニャンコがウロウロしており、私が近寄ると甘えたいのか体をすり寄せてきたのですが、いざカメラを向けるとちっともこっちを向いてくれません。甘えるくせに良い顔見せてくれないなんて、駆け引き上手な水商売のおねえちゃんみてぇだ…。


  
玄関ホールを右に曲がって細長い廊下を進んでゆくと、その突き当たりに浴室があり、この日は「松の湯」の方に紺の暖簾がさがっていました。脱衣室はウッディーな内装で、ストレスを感じさせない十分な床面積が確保されており、室内には観葉植物の鉢がたくさん並べられていました。


 
内湯には暖色系のタイルが貼られており、壁はレンガ調、床は淡い赤色といった配色で、窓から外光が降り注いで明るい室内環境が保たれています。浴槽の傍らにはなぜかスキーのストックが立てかけられていたのですが、これってかき混ぜ棒の代わり?


 
洗い場にはシャワー付き混合水栓が4基並んでいます。
この他浴槽の脇にも混合水栓が一つありますが、こちらは浴槽の加水および清掃用でしょう。


 
内湯浴槽は大体6人サイズで、縁には御影石が用いられ、槽内はタイル貼りです。若干浅いかもしれません。壁際に岩が積み上げられて、その真ん中からお湯が吐出されており、湯加減は万人受けする42℃前後で、加水加温循環消毒の無い完全掛け流し。排湯は窓下の溝へと溢れ出ています。なお槽内にはいくつか穴があいていたのですが、特に吸引や供給などは行われていないようでした。


 
露天風呂はコンクリをベースにして大小様々な岩を配置したような造りになっており、頭上には屋根掛けされていますから、雨天時でも入浴可能です。なお冬季には(上画像のように)前方にビニルシートが張られ、山から吹いてくる冷たい風を遮ってくれます(その分、閉塞感は否めませんが…)。露天風呂の向こうには日本庭園が施されており、目隠しの塀が低いので庭園越しに連なる山々の稜線を眺望することができ、しかもこの日の庭は雪を被っていたので、清々しい環境で雪見風呂も楽しめました。


 
お湯は内湯の余り湯が流れこんでいる他、女湯側の仕切り塀から黒いホースが突き出ており、この2本から露天風呂へお湯が供給されています。


 
湯船は41℃くらいで内湯よりちょっとぬるめ。浅い造りなので、肩まで浸かるには多少寝そべらないといけません。内湯同様にこちらも放流式の湯使いとなっており、庭園側にある空っぽの池みたいなところへお湯が捨てられていました。

お湯は無色透明で、湯中では白く(やや灰白色を帯びている)1ミリにも及ばないような細かい綿くずのような湯の華が無数に舞っていました。ふんわりながらも明瞭なタマゴ的味覚と臭覚があり、ほろ苦みも含まれています。そしてヌルっとした滑らかさを伴うツルスベ浴感がとても気持ち良く、そのおかげで足元が滑りやすいものの、入浴中は自分の肌を何度も撫で、のぼせるほど長湯しながら、その滑らかでトロトロなお湯の気持ち良さを楽しんでしまいました。


半瀬の湯(※)
アルカリ性単純温泉 47.2℃ pH8.7 206L/min(動力揚湯) 溶存物質0.39g/kg 成分総計0.39g/kg
Na+:120mg(95.85mval%), Ca++:3.77mg(3.47mval%),
F-:15.2mg, Cl-:84.6mg(44.81mval%), SO4--:10.8mg(4.23mval%), HCO3-:73.3mg(22.60mval%), CO3--:20.4mg(12.79mval%),
H2SiO3:45.8mg,
加水加温循環消毒なし
(※)分析表表記のまま転記

上毛高原駅・沼田駅より関越交通バスの戸倉・鳩待峠バス連絡所方面行で「尾瀬大橋」下車徒歩3~4分(300m)、もしくは「鎌田」下車徒歩15~16分(1.6km)
群馬県利根郡片品村大字鎌田3904-1  地図
0278-58-4330
ホームページ

日帰り入浴12:00~21:00
500円
貴重品用ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり(ロッカーは脱衣室手前の廊下にあり)

私の好み:★★+0.5
コメント
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