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前回記事に引き続きいわき湯本温泉で湯めぐりしてまいります。今回は公衆浴場「さはこの湯」から程近い旅館「斎菊」にて日帰り入浴してきました。いわき湯本の温泉旅館は、宿によって日帰り入浴のハードル(受け入れの可否)に高低差がありますが、こちらのお宿は日帰り入浴ウェルカムでして、私が訪った時にも仲居さん(もしかしたら女将さん?)と思しきお婆さんが快く対応してくださいました。
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玄関前には「古来温泉湧出の地」と記された札が掛かっているのですが、こちらは安政年間(つまり江戸後期の幕末)開湯の老舗なんだそうでして、「一家専有の温泉にして屋敷内より湧出」とのことですから、かつては自家源泉を有していたのでしょう。なお現在は他のお宿と同じく一括管理されたお湯の供給を受けています。建物は鉄筋造りで、箱状の外観からは武骨な印象を受けますが、館内は老舗らしく和の落ち着いた趣きです。
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帳場のすぐ目の前が男湯です。老舗の宿の矜持というべきか、脱衣室は綺麗に清掃されており、籐のカゴが16個、洗面台が2台、ドライヤーが2台用意されている他、扇風機やエアコンも設置されているので、季節を問わず快適に使えるでしょう。
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大きな窓ガラスの向こうに日本庭園が広がる浴室は、室内にもかかわらず明るく開放的で、手入れもよく行き届いており、しかも湯気篭りが全くないので、実に快適な湯浴みができました。洗い場にはシャワー付き混合水栓が7基並んでいます。
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洗い場の脇には、桶や腰掛けがきれいに積み上げられていました。きちんと整頓するお宿の姿勢や品の良さががよくあらわれていますね。シャワーの水栓金具は硫黄の影響で部分的に黒く変色していました。なおシャワーから出てくるお湯は真湯です。
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窓の外には小さな三角形の露天風呂が見えたので、ドアから屋外へ出てみたのですが、小さいながらも立派な造りをしている露天は、残念ながら空っぽでした。常時空なのか、はたまた季節によってお湯を張ることもあるのか…。でもこちらのお風呂は内湯で十分満足できますから、私個人としては露天を利用できなくても問題なし。
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臙脂色の縁の石材と空色の槽内タイルのコントラストが美しい浴槽は、おおよそ4×2.5mで12~13人サイズといったところ。湯口から源泉が落とされ、縁の切り欠けからしっかり洗い場へオーバーフローしていました。湯使いはれっきとした掛け流しであり、お湯の投入量こそやや絞り気味でしたが、これは熱いお湯を加水しないで温度調整するためでしょう。私が湯船に浸かると、ザバーと勢い良く縁の全辺からお湯が溢れ出ました。
お湯はほぼ無色透明ですが、湯中では白く細かい湯の華が無数に舞っているために、微かに濁っているようにも見えます。前回取り上げた「上の湯」同様、震災後のいわき湯本らしい特徴、即ち弱いタマゴ的な味と匂いの他、焦げ&渋(苦)のアブラっぽい味と匂いも感じられ、どちらかといえば後者のアブラ的な味と匂いの方がはっきり伝わってきました。湯船に浸かるとツルスベの中に弱い引っ掛かりが混在する浴感が得られ、鮮度感の良さとやや熱めの湯加減が相まって、入浴中の気持ち良さは素晴らしいものがありました。
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浴槽縁にはレンガが置かれていましたが、これは言わずもがな、寝湯の際に枕として使うのでしょうね。さりげなくこんな小物が置かれているお風呂って、個人的には好みです。
老舗らしい品の良いお風呂で、鮮度の良い掛け流しの温泉に入れる、魅力的なお宿でした。
含硫黄-ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉 58.1℃ pH8.1 3370L/min(動力揚湯) 溶存物質1763mg/kg 成分総計1774mg/kg
Na+:530.1mg(86.33mval%), Ca++:65.5mg(12.24mval%),
Cl-:603.6mg(63.73mval%), Br-2.3mg, I-:0.4mg, HS-:8.1mg, S2O3--:2.3mg, SO4--:343.4mg(26.77mval%), HCO3-:120.6mg(7.40mval%),
H2SiO3:51.8mg, HBO2:20.7mg, H2S:0.7mg,
(平成23年9月22日)
(いわき湯本温泉では、一括管理された温泉を各施設へ供給しています。こちらの館内に掲示されていた分析表は平成9年のものでしたが、他施設で現状の分析表が掲示されていましたので、ここでは他施設の分析表を転載いたします。)
JR常磐線・湯本駅より徒歩9分(700m)
福島県いわき市常磐湯本町三函236 地図
0246-42-4171
ホームページ
日帰り入浴15:00~21:00
500円
シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★★