温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

(弘前)朝日温泉 カプセルイン弘前(アサヒサウナ)

2011年10月26日 | 青森県

弘前・下土手町のスクランブル交差点角にはかつてハイローザという地元ヤング(うわぁ、死語使っちゃった…)向けの商業ビルが立っていましたが、10年以上前に解体されて更地になったまま今に至っています。今年になって同じく下土手町の中三も民事再生手続(つまり倒産)に入ってしまいました。同じ土手町のルネスアベニューも、閉鎖こそされていませんがいつ行ってもガラガラ。かつて弘前の中心繁華街であった土手町は年々寂れてゆく一方で、津軽を愛する私としては寂しい限りです。駅前のジョッパルも空きテナントのまま誰も手を付けようとしませんし、弘前は一体どうなってしまうんでしょう…。ハイローザ跡地はマンションが建つらしく、一方ジョッパルでは最近動きがあったみたいですが…。

さて、そのハイローザ跡地の前にはパチンコ屋「朝日会館」の大きな建物が聳えており、この建物の5階には男性専用のカプセルホテルとサウナがあります。このサウナに温泉浴場が併設されていることは以前から知っていましたが、先日市内某所で入浴優待券を入手する機会があったので、どんなところか実際に訪問し、入浴してみることにしました。



繰り返しますがこの施設は男性専用ですのであしからず。かといって変な場所でもありませんよ。
下駄箱のキーを受付に渡すと引き換えにロッカーキーがもらえます。建物自体がやや草臥れていることは否定できませんが、宿泊前提の施設であるからか、館内はとてもよく手入れされていて綺麗です。狭い箇所も特になく、脱衣所もパウダールームも広々しており、ストレスなく利用できました。


浴室の天井は、傾斜しているサンルーフのようなガラス張りになっています。晴れた日中には岩木山が眺望できるんだとか。内湯ですがなかなか開放的です。
洗い場のカランはシャワー付き混合栓が14基あり、カランから出てくるお湯は源泉使用です。サウナを標榜している施設ですから、室内にはもちろんサウナと水風呂が設置されています。お風呂やサウナを長時間利用する客への配慮なのか、浴室内にはトイレも併設されていました。
浴槽は柱を挟んで2つあり、左側はやや熱めの湯加減で横からジェットが噴きつける超音波バス、右はややぬるめで底からボコボコと泡が上がるバイブラバスとなっています。いずれの浴槽にせよ何らかの装置が働いているので、静かにお湯に浸かるような環境ではありません(むしろボコボコ騒々しい)。


双方の間に立つ柱に湯口があり、ここから出てくるお湯は触るのがやっとな程の熱さです。でも投入量はあまり多くなく、オーバーフローもありません。一方で浴槽内の側面吸引は確認できましたので、一応掛け流しを謳っているようですが、本当か否かはちょっと怪しいかも。少なくとも加水は行われているでしょう。
お湯はごく薄い黄色の透明、強めの塩味とゴムのような味そして匂いが感じられます。食塩泉的な弱スベスベ浴感が得られます。薄黄色透明の食塩泉は弘前の温泉ではよくある泉質ですね。食塩が少々濃いためか、湯上りには肌がちょっとベタつきますが、体は芯から温まり、なかなか湯冷めしません。

お風呂は24時間であり、付近には歓楽街である鍛治町、そして弘前公園(弘前城)がある好立地ですから、夜遊びした帰りやお城を観光したついでに立ち寄って汗を流すのも良いかもしれません。弘前の知る人ぞ知る温泉ですね。ただ男性専用というのが玉に瑕ですが。


朝日温泉2号泉
ナトリウム-塩化物温泉 44.8℃ pH7.60 湧出量測定不可(動力揚湯・地下500m) 溶存物質6.776g/kg 成分総計6.790g/kg
Na:2363mg(94.23mval%), Cl:3607mg(93.91mval%)

青森県弘前市土手町4 朝日会館ビル5F  地図
0172-35-0364
ホームページ

温泉入浴24時間営業
500円/3H(タオル・館内着なし), 1000円(タオル・館内着付き)
優待券利用でタオル・館内着付き525円/3H
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★
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百沢温泉

2011年10月25日 | 青森県
 

温泉ファンの間では超有名な岩木山山腹の名湯「百沢温泉」。このブログで既に記事にしていたかと思い込んでいたのですが、それはとんだ勘違いであり、なぜか今までスルーしてしまっていたので、先日3回目の訪問した際の画像を紹介してみます。
表の看板には「湯量豊富 効め一番」と誇らしげに書かれていますが、ここで湯あみしたことある方なら誰しもがこの台詞に納得するでしょうね。

 
相変わらずラッパを潰したような金属の湯口から、大量にドバドバとお湯が注がれています。東北を巡っていらっしゃる大抵の温泉ファンのサイトやブログを拝見すると、必ずと言ってよいほどこの湯口の画像が載っていますが、何度見てもやっぱり迫力があって印象的ですね。圧巻です。

見るからに濃そうなお湯。湯口から出端は無色透明ですが、空気に触れるとすぐに色が変わり、浴槽ではオロナミンCのような灰色混じりの黄色に強く濁ってしまいます。透明度は40cmほどでしょうか。弱金気臭と土気臭を漂わせ、弱塩味+炭酸味+渋み+えぐみ+微金気味+土気味が混ざった複雑な味が感じられます。一言で表現すれば不味い。

主浴槽は6~7人サイズでしょうか、縁には津軽藩の頃からの御当地名産品であるヒバ材が用いられています。その隣に若干ぬるめの小さな槽(2~3人サイズ)が接しており、そこから離れたところに一人用の小判型浴槽、そして打たせ湯が2本あります。


浴槽の縁や洗い場は、黒と赤のインクを混ぜたような色で染まった析出がコテコテと付着しており、完全に千枚田状態です。コテコテ析出こそ、この手の泉質の魅力だったりしますよね。


洗い場のカランは伝統的な押しバネ式で、入口側の壁に沿って5基、中央の柱の周りに5基の合計10基ほど用意されています。カランから出るお湯は源泉ですが、こんな濃いお湯を使っていたら、配管がすぐに詰まっちゃいそうですね。

こちらの温泉の素晴らしさは既に多くの方により語られ紹介されていますので、いまさら私が取り上げるべきこともありません。敢えてこの程度の簡単な記事を以て、私も多くの賞賛に同意させていただきたいと思います。


浅妻1号泉(再分析)
ナトリウム・マグネシウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩泉 45.3℃ pH6.27 454L/min(動力揚湯) 溶存物質3.639g/kg 成分総計3.990g/kg
Na:553.4mg(44.74mval%), Mg:203.4mg(31.12mval%), Ca:223.6mg(20.74mval%), Cl:1085mg(59.22mval%), HCO3:1208mg(38.32mval%)

青森県弘前市大字百沢字寺沢290-9  地図
0172-83-2226

8:00~22:00
300円
ロッカー有料(100円)・ドライヤーなし・石鹸やシャンプーなどは販売

私の好み:★★★
コメント (4)
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猿賀温泉 平川市尾上農村環境改善センター さるか荘

2011年10月24日 | 青森県

猿賀神社の境内に隣接する猿賀公園内にある公営の福祉施設です。

 
玄関前には「蓮観の足湯」と称される無料の足湯がありました。以前訪れた時には無かったので、最近新設されたんでしょう。「蓮観」という名前が示す通り、夏になると足湯からは目の前の池に浮かぶ蓮の花を観賞できるみたいです。

 
その池の畔には貸しボート乗り場、そしてコイの餌の自販機があり、試しに買って餌付けしてみると、恐ろしい数のコイが狂ったように口をバクバクさせながら群れてやってきました。その狂態たるやかなり怖く、子どもだったら泣いちゃいそうだ…。大人でも怖いよぉ。夢に出てきそうだ。

 
気を取り直して「さるか荘」の中へ。玄関の券売機で料金を支払い、いかにも公的施設的な窓口でチケットを手渡します。建物内部も典型的な公共施設らしい無機的な雰囲気。館内の半分以上は集会場スペースのようですが、訪問時は誰もいらず、しんと静まり返っていました。玄関ホールの右手から事務所の裏手に回ってお風呂へ。

 
脱衣所はシンプルながら明るくて清潔です。中央に腰掛が置かれていて便利ですね。ロッカーは無かったように記憶しています。

   お風呂は内湯と露天があります。まずは内湯から。洗い場のカランはシャワー付き混合栓が10基とスパウトのみが4基の計14基が設置されています。浴槽は2分割されており、小さな方は若干ぬるめの湯加減ですが、両者は仕切りの下方の穴でつながっていました。

 
お湯は岩組みの湯口から投入されており、加水されている他は加温循環消毒なしの掛け流しで、浴槽縁から静かにオーバーフローしています。うすい黄色(山吹色)の透明で、湯口で微かなタマゴ味&匂いが感じられ、重曹味、そしてアルカリ泉的な弱い収斂も僅かに有していました。また神経をよく研ぎ澄ますと塩味も含んでいたように思われます。味や匂いはかなり薄めですが、明らかに真湯とは異なるれっきとした温泉水であり、重曹&アルカリ性という泉質ゆえにツルツルスベスベ気持ち良い浴感が得られました。

 
露天風呂は周囲を塀に囲まれて景色を楽しめるような環境ではなく、あまり温泉らしい趣きはありませんが、火照った体をクールダウンさせるにはよい場所かと思います。お湯は外気に冷やされるためか、あるいは加水量が多いためか、内湯よりもぬるめですが、ちゃんとオーバーフローしています。お湯の中には白い浮遊物がチラホラ舞っています。

平川市の旧尾上町エリアは良質の温泉銭湯がたくさんあるので、それらと比較すると個性や特徴が弱いように思われますが、付近を訪れた際には立ち寄ってみるのも良いでしょうね。


猿賀2号泉(代替)
アルカリ性単純温泉 pH8.78 49.0℃ 512L/min 溶存物質0.612g/kg 成分総計0.612g/kg
Na:141.9mg(93.20mval%), Cl:125.0mg(54.56mval%), HCO3:113.7mg(28.75mval%)

弘南鉄道弘南線・津軽尾上駅より徒歩15分(約1.4km)
青森県平川市猿賀池上45-1  地図
0172-57-5316
ホームページ

5:30~21:30
330円
ドライヤーあり、他備品類なし、タイル類販売あり

私の好み:★★
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姉戸川温泉

2011年10月23日 | 青森県
この記事は2009年2月16日に投稿したものですが、当地へ再訪を重ねていくうちに当地に関する画像が増えていったので、2011年10月23日に文章や画像を追加しました。


・2009年2月16日に投稿したレポート


青森県の上北地方、東北本線・小川原駅の真ん前に、素晴らしいお湯を楽しめる共同浴場「姉戸川温泉」があります。

駅前だというのに閑散とした場所ですが、そんな土地柄だからか、いつ訪れても空いているような気がします。勿論その方がお湯を独占して楽しめるわけですが。
湯船は内湯1つのみですが、そこへ金属のパイプから豪快にドバドバお湯が注ぎ込まれ、浴槽からもザブザブと溢れ出ています。だからお湯は常に新鮮そのもの。


やや褐色掛った透明のお湯で弱い重曹味が感じられ、ほぼ無臭。ツルツルスベスベの気持よい浴感で、肌に泡つきがあります。40℃を下回るであろうぬるめの温度で、長湯できて爽快です。いつまでも浸かっていたいお湯です。




・2011年10月22日 文章と画像を追加
(昨年11月および今年5月に再訪した際のことを書きます)


初めての訪問以来、大量投入のぬる湯と地味で静かなお風呂がすっかり気に入り、何度も足を運んでいる姉戸川温泉。いつ行っても空いてるし、商売っ気が全然ないんですよね。経営は大丈夫なんでしょうか。首都圏が節電節電と騒ぐとっくの前から、こちらは常時節電モード。昼間は電気なんか点けません。

 
薄暗い脱衣所も、いつ訪れても変化なし。でも広いしちゃんと掃除されているので、利用する上で問題なし。


浴室中に響き渡る、大瀑布のような打たせ湯の音。私の他にお客さんがいないので、滝の音以外には何も聞こえません。大量掛け流しを目にしながら広々した浴室を独占できる時間は、まさに至福のひと時。
浴室内には古典的な押しバネ式カランと固定式シャワーが22組。でもカランを使うのは面倒だし、誰もいないので、湯船から直接桶にお湯を汲んで掛け湯させてもらいました。

 
姉戸川名物の打たせ湯。何度見ても惚れ惚れします。下手に気取らず、無骨な鉄管からお湯が落とされているのが却って素敵。お湯はこの鉄管のみならず、それらを支持しているコンクリからも吐き出されています。上から下から源泉が大量投入されているので、浴槽から溢れ出るオーバーフロー量も半端じゃない。素晴らしいとしか言いようがありません。
お湯はぼく僅かに黄色っぽく帯びているような気がしますが、ほとんど無色透明、弱タマゴ味+微かなほろ苦さ+アルカリ泉的な弱い収斂があり、弱いタマゴ臭が感じられます。湯船の湯面には泡の塊が浮遊しており、入浴中の肌への泡つきも沢山。ヌルヌルに近いツルツルスベスベの気持ち良い浴感。体への当たりはとっても優しく軟らかい感じ。極上な浴感である上にぬるめのお湯なので、いつまでも長湯していたくなります。ぬるいお湯ですが、長湯すればしっかり温まります。
安いし空いてるし、しかもお湯は絶品。自宅の近所にこんな温泉があればいいのになぁ。


中久根下泉
アルカリ性単純温泉 38.2℃ pH表記なし 溶存物質0.281g/kg 成分総計0.281g/kg
Na:44.1mg(97.96mval%), HCO3:17.4mg(15.11mval%), CO3:35.5mg(61.46mval%), 遊離CO2:0.0mg
(平成20年10月24日)
(平成20年以前のデータは"44.5℃ pH8.6 成分総計0.3839g/kg"でしたから、湧出温度は下がり、成分も薄くなっているようですね)

青い森鉄道・小川原駅の青森方、駅前すぐ
青森県上北郡東北町大字大浦字中久根下98  地図
0176-56-3529

9:00~21:00
200円
ドライヤー有料(30円/5分)、他の備品類なし(基本的なお風呂道具は販売あり)

私の好み:★★★
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大鰐温泉 大鰐町地域交流センター 鰐come 鰐の湯

2011年10月23日 | 青森県

大鰐温泉駅の右斜め前に位置する、レストラン・地場産品直売・温泉入浴施設などなどが一体化された、いわゆる観光客向きの村おこし施設です。この手の「道の駅」的発想な公営の施設は日本各地に雨後の筍のように誕生しており、少々食傷ぎみではありますが、昭和から時が止まったような風情が強い大鰐温泉にあって、この「鰐come」は意外と新鮮に感じられ、施設側の努力もあってか、平日休日問わず、いつも多くの客さんで賑わっているようです。



この「鰐come」の温泉入浴施設が「鰐の湯」。館内はいかにも現代建築らしく、えらく立派で広々しており、万人受けしそうな感じ。いままで大鰐温泉の古臭さや狭さを敬遠してパスしていた人たちも、ここならきっと足をとめてくれるに違いないでしょう。大きな休憩スペースも利用可能。


お風呂は「つつじの湯」と「うぐいすの湯」が男女で入れ替え制となっており、この日の男湯は「うぐいすの湯」でした。


浴室内も広々。内湯の浴槽は低・中・高の3つに分かれています。室内に塩素の匂いが籠っているのがちょっと残念なところですが、新規の大規模入浴施設ですから、これは致し方ないでしょう。お湯は高温槽が一番良い感触だったように思います(他はしっかり加水しているのでしょう)。洗い場のブースもたくさん確保されていて使い勝手は良好。サウナや押しボタン式の打たせ湯など、集客に欠かせない設備もちゃんと用意されています。外に向かって大きなガラス窓が取り付けられていて、とっても明るく開放感があります。

 
露天風呂の湯加減も万人受けするちょうど良い温度に設定されており、共同浴場にありがちな熱さはありません。景色を楽しめるようなロケーションではありませんが、綺麗で開放感があるので、のびのび湯あみできました。


露天風呂で目を惹くのが湯口の上に載せられたワニ。湯あみしている客を獲物として狙っているかのようです。この湯口から出るお湯は源泉そのままの激熱につき、直接触ると火傷するかも。
ここで利用されているお湯は「若松会館」や「大湯会館」のような共同浴場とは異なる混合源泉を引いており、共同浴場の源泉に比べてカルシウムが若干少ないようですが、実際に入浴した感じではほとんど同じで、いかにも大鰐らしい無色澄明、微塩味+微芒硝的な知覚を有するお湯でした。

お湯の質感や湯使いは共同浴場などの方が良いような気がしますが、使い勝手で考えればこちらの方が遥かに上ですので、どのような用途でお風呂を利用するのか(レトロ感重視か、お湯の質重視か、使い勝手重視か・・・)によって選択すれば良いかと思います。温泉ファンには受けが悪いかもしれませんが、私はかなり好きです。このような施設が「財政早期健全化団体」へ転落してしまった大鰐町の起爆剤になってくれることを祈っています。



混合泉(青柳3号源泉・公民館源泉)(農協配湯所)
ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉 66.4℃ pH記載なし 溶存物質3.007g/kg 成分総計3.032g/kg
Na:802.2mg(77.36mval%), Ca:160.1mg(17.72mval%), Cl:1166.0mg(70.04mval%), SO4:536.3mg(23.79mval%)

JR奥羽本線・大鰐温泉駅および弘南鉄道大鰐駅より徒歩1~2分
青森県南津軽郡大鰐町大字大鰐字川辺11-11  地図
0172-49-1126
ホームページ

9:00~22:00 第3木曜休業
500円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★
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