温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

西十和田温泉 長寿温泉

2013年08月20日 | 青森県
 
温湯温泉から1.5kmほど黒石の市街地側へ西進した国道103号の旧道傍にある「長寿温泉」に立ち寄り入浴してまいりました。外壁はマスタード色、屋根のトタンは黒っぽいペンキで塗られており、「泉温寿長」という右書きの看板が目を引きます。
こちらは温泉銭湯としての営業がメインですが、旅館業も兼業しておりまして、この手の営業スタイルの銭湯は青森県でよく見られますね。私は2度目の訪問でして、前回は3年前に中野もみじ山の夜間ライトップを鑑賞した後に利用し、今回は黒石地区での湯めぐりの締め括りとして訪問させていただきました。今回の記事を書くにあたって温泉名を調べたところ、黒石にあるのに「西十和田温泉」という意外な名称であることが判明したのですが、まぁ確かに十和田の西かもしれませんが違和感は否めず、また長寿という抽象的な名称を冠する温泉施設は弘前にもあったりしますから、私個人としては名前を言われても、この温泉が思い当たらないのが悲しいところです。


 
ガラス張りの番台にて料金を直接支払います。その奥に広がっている休憩スペースには、長椅子やパイプ椅子などが置かれており、温泉というより古びた診療所の待合室みたいな雰囲気です。照明は必要最低限しか点いていないので、昼間に訪れても館内は薄暗いのですが、別段震災による節電を意識しているわけではないようでして、震災以前に訪れたときもこんな感じでした。


 
休憩スペースにはこの温泉の歴史を物語る写真が展示されていました。昭和28年に電気屋さんとして開業し、3年後にはガソリンスタンドの兼業を開始、昭和38年に温泉を掘り当てたようです。高度経済成長と軌を一にしながら事業を拡大していったんですね。



お風呂は公衆浴場と家族風呂の2種類を選択できますが、前回同様に今回も廉価な公衆浴場を選択しました。脱衣室と浴室はガラスで仕切られており、棚には大きな籠が用意されているので、衣類が嵩張る冬に利用しても荷物を楽に棚へ収容することができますが、ロッカーは4つしか用意されておらず、しかも有料ですから、その点はちょっと気になるところです。尤もこちらの利用客の多くは地元の常連さんですから、厄介な事件は発生しにくいんでしょうね。


 
浴室の中央には真円の浴槽がひとつ据えられており、それを囲むようにしてコの字形に洗い場の水栓が16ヶ所並んでいます。水栓は青森県の銭湯では標準的な、古典的押しバネ式のカランと固定式シャワーの組み合わせが採用されており、水栓から出てくるお湯は源泉使用です。
浴室内のスペースは公衆浴場として一般的か、それよりやや小ぶりなのですが、天井がとても高いために床面積以上の開放感が得られるのが面白いところ。女湯との仕切り塀上部には初雁を描いていると思しきガラスが立てられていました。


 
まん丸い浴槽の円周に沿って入れば12人は同時入浴できそうな容量があります。浴槽の縁から立ち上がっているレンガの出っ張りよりお湯が大量に注がれており、その出っ張りをかき分けるようにして、ザブザブと惜しげも無く浴槽から溢れ出ていました。また浴槽中央の底からもお湯が噴き上がっているのですが、これも源泉投入口のひとつなのか、あるいは単なる機械的な噴き上げ(ジェットバス的なもの)なのかは確認し忘れちゃいました。とにかく湯量は豊富であり、掛け流しの湯使いであることは疑いようもありません。

お湯はごく薄い山吹色の透明で、薄いアブラというか樹脂のような匂いを放ち、清涼感のあるほろ苦みと樹脂っぽい風味が感じられます。湯船の温度はちょっと熱めですが、ツルスベ浴感がとっても気持ちよく、入浴中は頻りに肌をさすってしまいました。泉質名は単純泉とのことですが、その特徴から推測するに、おそらく重曹型ではないかと思われます(でも館内に詳細なデータの掲示が無いので確認できず)。

古びて地味な佇まいにもかかわらず、豊富な湯量と廉価な料金ゆえか、地元の方から熱い支持を得ているようでして、前回訪問時も今回も浴室は大混雑しており、浴室内では爺様方が次々に仰向けになってトドを楽しんでいらっしゃいました。地元から愛される温泉って素敵ですね。


長寿温泉3号泉
単純温泉 48℃ pH8.43 250L/min

黒石駅より弘南バスの温川行・虹の湖公園行・大川原行で「中村」もしくは「毛内入口」バス停下車、徒歩2分
青森県黒石市下山形村下97-3  地図
0172-54-2228

6:00~22:00
200円
ロッカー(100円有料)・ドライヤー(50円有料)あり

私の好み:★★
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温湯温泉 利兵衛客舎

2013年08月19日 | 青森県
 
以前温湯温泉の「飯塚旅館」を取り上げたことがありますが、今回はその斜め前に位置する「利兵衛客舎」で入浴してまいりました。客舎ですが内湯を有しているんですね。


 
一見するとアパートのような外観ですね。看板が無ければ客舎だとは気づかないかも。
入浴をお願いしようと玄関を訪ったら、裏手の方からお婆ちゃん達が続々と館内に入ってゆき、その中の一人が「はいはい、お風呂ね」と軽快な口調で対応しながら、快く入浴を受け入れてくださいました。何らかの地域の共同作業が終わって、皆さんで一服しようというところだったのかもしれません。


 
浴室は玄関入って右手奥にある一室だけですので、おそらく貸切利用なのでしょう。この時は他にお客様がいなかったので、すんなり入ることができました。いかにも民宿っぽい家庭臭の強いお風呂ですが、更衣室はきちっと整頓されており、気持よく使えました。


 
浴室の戸を開けた途端に、シリコンコーキングに用いられる樹脂のような源泉由来の匂いが鼻を突いて来ました。室内は壁面に白いタイル、床には黒い石板タイルがそれぞれ貼られており、インテリアの配色としては教科書的な組み合わせです。洗い場にはシャワー付き混合水栓が2基設置されており、お湯のコックを開けると源泉が吐出されました。きちんと清掃されている綺麗なお風呂です。


 
赤御影石の縁に槽内タイル貼りの浴槽は2~3人サイズ。新日本プロレスのマークを彷彿とさせる形状をした獅子の湯口からお湯が注がれ、浴槽縁から静々とオーバーフローしています。湯船に体を沈めると、ザバーっと音を響かせながら豪快にお湯が溢れ出て行きました。当然ながら完全掛け流しです。

お湯は無色透明で清らかに澄んでいますが、槽内のタイルが薄いレモンイエローであるためか、やや黄色を帯びているようにも見えます。湯面から漂う焦げたゴムのような樹脂っぽい匂いが浴室内を満たしており、口に含むと甘塩味+弱タマゴ味+焦げ味+石膏っぽい味(と匂い)が感じられました。またスベスベとした滑らかな肌触りとキシキシ引っかかる感触が拮抗しており、奥深い味や匂いと相俟って、非常に豊かな浴感を堪能することができました。
小さくて実用的なお風呂ですが、余計な設備が無く、他のお客さんの存在も気にする必要がないため、温泉の個性をじっくり味わってお湯とまっすぐに向き合えるのが嬉しいところです。


3号泉
ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉 60℃ pH7.6 500L/min(動力揚湯) 固形物総量1176g/kg 成分総計1239mg/kg
Na+:382.7mg(91.96mval%),
Cl-:404.0mg(63.00mval%), SO4--:223.3mg(25.71mval%), HCO3-:121.6mg(11.02mval%),
H2SiO3:61.06mg,
(昭和50年12月3日)

黒石駅より弘南バスの温川行・虹の湖公園行・大川原行で「温湯」バス停下車、徒歩2分
青森県黒石市温湯鶴泉43-2  地図
0172-54-8417

入浴可能時間不明
200円
シャンプー類&石鹸・ドライヤーあり

私の好み:★★+0.5
コメント (2)
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御所温泉 2013年6月再訪

2013年08月17日 | 青森県
 
今年(2013年)春に、弘前市役所相馬支所のリニューアルと同時に全面リニューアルされた「御所温泉」へ行って参りました。以前でもこの温泉は拙ブログで取り上げておりますが、外観は以前と全く別物の施設に生まれ変わっていました。新しい建物の後背では雪を頂く岩木山が頭頂部をのぞかせています。訪問時は日曜日の昼間という時間帯だったためか、駐車場にはたくさんの車が止まっており、人気の程がうかがえます。でも、その駐車場スペースは広いのに白線の引き方(つまり区画割り)がうまくないため、通路が無駄に広いのに収容台数が減らされているような感じを受けました。


 
玄関を入ると、館内のあまりの広々とした空間に、つい圧倒されそうになりました。ここって本当に「御所温泉」なんですか。券売機で料金を支払って、発行された券をカウンターに出すのですが、以前はアンニュイな感じだった受付のスタッフさんも、現在では完全に溌剌と挨拶しており、ハードばかりかソフトまで生まれ変わったんだと実感させられます。



胡蝶蘭が飾られた浴室入口には大きな暖簾が下がっているのですが、あまりに仰々しい造りに「ここ本当に温泉なのかよ。劇場とか舞台なんじゃねぇの?」と違和感を覚えた私。



脱衣室も広々しており、綺麗で棚も多く、使い勝手良好で快適。多少混雑していてもストレスを感じません。洗面台は4台、ドライヤーは2台、更にはお風呂上りの水分補給のため冷水機まで用意されています。


 
白木の美しい木材が多用されているウッディーな浴室は、公衆浴場とは思えない圧倒的な広さと落ち着きのある温もりを兼ね備えています。新しい施設ですから、どこもかしこもピッカピカで爽快そのもの。皆さんに人気のサウナや水風呂も完備されています。
洗い場の画像はありませんが、シャワー付き混合水栓が壁際と島に分かれて計29基設置されており、光り輝く新しい水栓金具は当然ながら応答性も抜群でした。



浴場こそすっかり変わっちゃいましたが、大きな窓ガラスの向こうに聳えている雄大な岩木山の景色は、以前の「御所温泉」と同じ。窓の外はテラスのようになっているのですが、この日はサッシが施錠されており、テラスに出ることはできませんでした。


 
上述のように内装には木材が用られており、浴槽の縁にもヒバが嵌めこまれていますが、浴槽内部や洗い場など水回りはタイル貼りです。しかしながら、そのタイルも木目模様に擬したものを採用しており、タイル(あるいは防水素材)にありがちな冷たく無機質な質感を排し、まるで浴室内は総木造であるかのような温かみのある雰囲気を作り出していました。その浴槽は20人以上余裕で同時入浴できちゃいそうなほど大きなもので、あまりに広いため、却ってどこに身を落ち着かせたら良いか戸惑ってしまいました。

湯口から注がれるお湯は熱くなったりぬるくなったりと、温度がその時々によって変化していたので、おそらく湯船の状況によって自動的に温度が調整されるようになっているのかと思われます。湯船に湛えられたお湯は窓側の縁より溢れ出し、排水口へと流下されています。湯使いはおそらく掛け流しかと思われますが、委細は不明。なおリニューアルに伴って新しい源泉が掘り直されたそうでして、後述しますが以前と比べるとかなりマイルドになったような気がします。


 
浴室入口付近には上がり湯用の小さな槽があり、こちらにも源泉が投入されていて、底には湯の華が沈殿していました。お湯はかなり薄い黄褐色の透明で、湯中では細かなこげ茶色の湯の華が舞っており、薄いミシン油のような鉱物油臭、弱臭素臭、清涼感のあるほろ苦み、そして麦茶のような味が感じられました。ツルツルスベスベの爽快な浴感です。以前の源泉より味・匂いともにかなり角が取れてマイルドになり、個性や主張が弱くなってしまった感があるのですが、寧ろ現在の新源泉の方が体への負担は軽く、肌へしっとりと馴染み、湯上り後の爽快感は新源泉に軍配が上がりますので、新旧どちらの源泉も甲乙付け難いところです。

広くて気持ちのよい浴室に諸々の設備が充実していながら、料金は近隣の浴場と同じ水準である300円なんだからビックリたまげちゃいます。同業他社から「民業圧迫」と批判されるんじゃないかと、余計な心配をしてしまいました。


御所温泉2号
ナトリウム-塩化物温泉 47.4℃ pH8.2 317L/min(動力揚湯) 溶存物質1.433g/kg 成分総計1.435g/kg
Na+:263.3mg(94.56mval%),
Cl-:512.5mg(72.01mval%), Br-:1.6mg, SO4--:106.7mg(11.06val%), HCO3-:182.2mg(14.94mval%),
H2SiO3:122.6mg,

弘前駅および弘前バスターミナルから弘南バスの相馬行に乗車し「五所局前」下車、徒歩2分
青森県弘前市大字五所字野沢41-1  地図
0172-84-2114

10:00~21:00 毎週水曜定休
300円
貴重品用ロッカー(100円リターン式)・ドライヤーあり

私の好み:★★+0.5
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五代温泉

2013年08月16日 | 青森県
※この記事で紹介している建物は旧施設です。2015年にリニューアルされ、新しく生まれ変わりました。

 
無農薬りんご栽培の軌跡を追った某ドキュメンタリーは今年に映画化までされちゃいましたが、その物語の主人公であるKさんがお住まいの旧岩木町五代地区にある温泉銭湯「五代温泉」へ、初夏の昼下がりに出かけました。周辺は奇跡という語句とは全く無縁の、リンゴ畑が広がる津軽の典型的な田園風景が広がっています。施設自体は丸みを帯びたオレンジ色の屋根がよく目立っていますが、場所自体は狭く入り組んだ路地の奥にあるので、初めての方は迷ってしまうかも。玄関ではニャンコがお出迎え。


 
番台ではおばあちゃん2人が昼のワイド番組を見ながらお喋りの真っ最中。とってもノンビリしています。


 
脱衣室は典型的な公衆浴場のスタイルであり、中央には緑色のフェルトが敷かれた腰掛けが据え付けられ、天井ではシーリングファンがゆっくり回っていました。室内の壁には、一昔前の子供部屋に用いられていたような、青空の模様のクロスが貼られています。クロスが貼られてからかなりの年月が経っているのか、壁紙はすっかり黄ばんでおり、爽やかな晴天というより、光化学スモッグが発生している工場地帯の空を見上げているかのようでした。


 
脱衣室は青空の壁紙でしたが、浴室の天井は林家ペーを連想させる濃いピンク一色に塗られており、床もサーモンピンクのタイル貼りでして、結構エキセントリックな色調ですが、造りそのものは昭和の銭湯にありがちなスタイル


 
洗い場にはシャワー付き混合水栓がL字形に計15基設置されており、水栓から出てくるお湯はおそらく真湯だったと記憶しています(メモし忘れちゃいました)。備え付けの腰掛けには、子供向けのくまちゃんの腰掛けが用意されていました。



浴槽は大小の2つに分けられており、湯口のお湯が直接落とされている大きな浴槽はかなり熱めである一方、小さな浴槽はややぬるめとなっており、先客のヨボヨボ爺さんは熱いお風呂が体に毒なのか、小さい浴槽ばかりに入っていました。


 
白く覆われて羊みたいになっちゃった獅子の湯口からは、シャーシャーと勢い良く音を響かせながらドバドバと源泉が投入されており、浴槽の縁の全辺から惜しげも無くザバザバ溢れ出ています。床にはオーバーフローのお湯が絶え間なく流れていますから、トドになるにはもってこいですね。
お湯の見た目は薄い黄褐色の透明、湯口に近づくだけでふんわりとミシン油の匂いや臭素臭が漂い、口に含むと弱塩味とともに清涼感を有するほろ苦みや弱芒硝味が感じられました。また、全身浴すると決して強くないもののしっかり伝わるツルスベ浴感が得られました。かなり熱くて2分も入っていられないのですが、お湯の鮮度感が素晴らしいので、出ようにも出られないほど、後を引く魅惑的な浴感でした。湯上りは爽快感があって汗の引きも良いのに、不思議と温まりも良いという、一挙両得感の強いお湯です。



こちらには家族風呂もあるので、ついでに見学させていただくことに。


 
意外と広めの脱衣室にはソファーが置かれ、ガラス窓からは浴室の中が丸見え。



浴室も他県の家族風呂よりは一回り大きな空間が確保され、ちゃんとシャワーも完備されています。誰もいないのに浴槽には源泉が注がれ、絶え間なくオーバーフローしていました。今度は家族風呂を使ってみようっと!


単純温泉 48.2℃ 

青森県弘前市五代字山本600-1  地図
0172-82-4436

8:00~22:00
350円
備品類なし

私の好み:★★★
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嶽温泉 嶽ホテル

2013年08月14日 | 青森県

津軽で白濁の硫黄泉といえば嶽温泉ですね。今回は旅館が集まっている中心部からちょっと手前に位置している水色の建物の「嶽ホテル」で入浴することにしました。玄関にて入浴利用をお願いしますと快く受け入れてくださいました。



玄関を上がって正面へ伸びる廊下をひたすら進みながら、地形に従う形で少しずつステップを下がってゆき、両側に客室の戸が並ぶ通路を抜けると、その突き当りに浴室入口がありました。ねぷた絵やこぎん刺しなど、いかにも津軽らしい数々の民芸品が飾られています。


 
ホテルを名乗るだけあって、脱衣室はなかなかコンフォータブル。足元はカーペット敷き、柱や梁そして棚などには木材が用いられ、壁はオフホワイト系のクロスが張られており、ベーシックな内装ながら、木の温もりがよく活かされている落ち着いた雰囲気です。


 
浴室は床が石板敷きで壁面や天井などは木材が多用されている重厚感のある造り。洗い場にはシャワー付き混合水栓が4基設置されており、シャンプー類もちゃんと備え付けられていました。


 
ヒバ造の浴槽は8人前後のキャパで、底はスノコ状。浴槽と壁面が接続する部分はグレーの耐食材で補強されています。硫黄がこびり付いて白く染まった木組みの湯口から注がれているのは、嶽温泉の硫黄泉。湯口から出たばかりのお湯は直に触れる程度の熱さでして、湯船では42~3℃のちょうど良い湯加減がキープされていました。当然ながら掛け流しであり、浴槽の縁から直下のスノコ状の排水溝へ静々と溢れ出ていました。

お湯を口に含むと、レモンの酸味とグレープフルーツの苦味を足して2で割ったような、口腔が収斂する柑橘類的な酸味があり、硫黄臭もはっきり漂っています。湯船に体を沈めると、酸性泉らしい少々ヌルっとしたモイスチャー感を伴うツルスベ感が気持よく、湯中ではついつい自分の肌を何度も擦りたくなりました。


 
湯中で無数に浮遊している白い湯の花がコロイドとなって白濁を生み出しているのですが、湯船をかき混ぜる等によって沈殿している湯の花が舞い上がれば濁り方も強くなるわけです。具体的に説明しますと、上の画像左(上)は私が入浴する前の状態でして、湯船のお湯は灰白色系に懸濁してスノコ状の底の筋がわずかに見えていますが、私が湯船に浸かった後を写した画像右(下)では、湯船の中の湯華がかき混ぜられて白濁の度合いが強くなり、底も全く見えなくなりました。


 

露天風呂は頭上に庇が伸びてるので、多少の雨なら問題なく湯浴みできそうです。柵の外側では木々が立ちはだかっているため、開放的な眺望は期待できず、木の隙間から県道3号がチラッと見える程度ですが、高原のそよ風を感じながら緑を眺めているだけでも、心の中が清らかになりそうです。
露天の浴槽も内湯同様にヒバ造ですが、こちらはこぢんまりとした2~3人サイズ。お湯は湯口にある木の小箱に落とされた後、短い塩ビパイプから浴槽へ落とされています。内湯よりもややぬるい湯加減(41℃位)になっており、高原の爽やかな空気の中でじっくり長湯することができ、あまりの気持ちよさについつい微睡んでしまいました。


嶽温泉旅館組合4~5号集湯槽・6~8号集湯槽(再分析)
酸性・含硫黄-カルシウム-塩化物温泉 48.2℃ pH2.03 自噴 溶存物質2.314g/kg 成分総計2.991g/kg 
H+:9.4mg(23.08mval%), Na+:128.5mg(13.83mval%), Mg++:59.5mg(12.12mval%), Ca++:275.8mg(34.04mval%), Al+++:53.2mg(14.64mval%),
Cl-:1130mg(81.09mval%), S2O3--:2.6mg, HSO4-:90.8mg, SO4--:289.0mg(15.32mval%),
H2SiO3:213.1mg, H2SO4:2.1mg, CO2:676.6mg, H2S:0.8mg,

弘前バスターミナルまたは弘前駅より弘南バス・枯木平行で嶽温泉下車(所要約55分)
青森県弘前市大字常盤野字湯の沢28-1  地図
0172-83-2045
嶽温泉旅館組合HP内の紹介ページ

日帰り入浴10:00~15:00
500円
シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★
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