◇ 2度びっくりの可能性はないのか = 米中貿易交渉で最大の難問は、国有企業やハイテク産業に対する中国政府の補助金だろう。アメリカ側としては、これを見逃せば軍事面や宇宙開発面で遅れを取る危険性がある。一方の中国側は、習政権の基本的な産業政策である「製造2025」を達成できなくなる恐れがある。両者とも引くに引かれぬ状態だが、結局はどこかで手を打たなければならない。
今後の見通しは、大きく3つに分かれるだろう。1つ目は、中国側が大幅に譲歩してアメリカの制裁関税から逃れようとするケース。すでに中国はアメリカ向けの輸出減退で、大きな損害を受けつつある。これ以上の関税引き上げがあると、経済成長率6%の確保も難しくなってくるに違いない。劉鶴副首相が8日のワシントン会議に出席し、その意向をアメリカ側に伝えれば、トランプ大統領の切り札は引っ込められることになる。
2つ目は、交渉が決裂し高関税が発動されるケース。世界経済は、かなりの打撃を受けることになる。IMF(国際通貨基金)の試算だと、アメリカの成長率は0.6ポイント、中国は1.5ポイント下がるという。このような事態がどのくらい続くかにもよるが、日本経済への悪影響も大きい。消費税引き上げはすっ飛ぶに違いない。
3つ目は、アメリカ側がある程度は譲歩して、交渉を決着させるケース。すでにそのシナリオを作成済みなのかもしれない。トランプ大統領がわざと強硬な手段に出ておいて、そのあと決着すれば世界は2度びっくり。株価は急騰するだろうし、トランプ大統領の評価も上がる。この可能性は小さいかもしれないが、ありえないことではない。
≪8日の日経平均 = 下げ -321.13円≫
≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
今後の見通しは、大きく3つに分かれるだろう。1つ目は、中国側が大幅に譲歩してアメリカの制裁関税から逃れようとするケース。すでに中国はアメリカ向けの輸出減退で、大きな損害を受けつつある。これ以上の関税引き上げがあると、経済成長率6%の確保も難しくなってくるに違いない。劉鶴副首相が8日のワシントン会議に出席し、その意向をアメリカ側に伝えれば、トランプ大統領の切り札は引っ込められることになる。
2つ目は、交渉が決裂し高関税が発動されるケース。世界経済は、かなりの打撃を受けることになる。IMF(国際通貨基金)の試算だと、アメリカの成長率は0.6ポイント、中国は1.5ポイント下がるという。このような事態がどのくらい続くかにもよるが、日本経済への悪影響も大きい。消費税引き上げはすっ飛ぶに違いない。
3つ目は、アメリカ側がある程度は譲歩して、交渉を決着させるケース。すでにそのシナリオを作成済みなのかもしれない。トランプ大統領がわざと強硬な手段に出ておいて、そのあと決着すれば世界は2度びっくり。株価は急騰するだろうし、トランプ大統領の評価も上がる。この可能性は小さいかもしれないが、ありえないことではない。
≪8日の日経平均 = 下げ -321.13円≫
≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ≫