経済なんでも研究会

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減り続ける 中国向け輸出

2019-05-23 08:18:08 | 貿易
◇ 代わってアメリカ向けが急増 = 財務省は22日、4月の貿易統計を発表した。それによると、輸出は6兆6600億円で前年比2.4%の減少。輸入は6兆6000億円で6.4%の増加だった。この結果、貿易収支は604億円の黒字となったが、前年に比べると90.3%も縮小している。大きな特徴は、中国向けの輸出が減少した一方で、アメリカ向けの輸出が急増したことだ。

中国向けの輸出は1兆2300億円で、前年より6.3%減少した。米中貿易戦争の影響が色濃く表れており、品目でみると半導体製造装置が41.0%、金属加工機械が32.0%減っている。中国製の電気・電子製品がアメリカで売りにくくなったことから、中国のメーカーが設備投資を手控え始めたためだろう。

その半面、アメリカ向けの輸出は1兆4100億円。前年比で9.6%も伸びた。品目をみると、半導体製造装置が83.2%、自動車も8.4%増加した。これまで中国から輸入してきた半導体を、自国で生産するアメリカのメーカーが増えているためだと考えられる。だが日本にとって、こうした傾向が定着することは決して望ましいことではない。

まず輸出の減少は、景気の足を引っ張ることになる。次に中国のアメリカ向け輸出が減退することは、中国で生産している日本企業の対米輸出も困難になることを意味している。さらにアメリカ向けの輸出が増加すると、これから本格化する日米貿易交渉でアメリカ側の立場が有利になる。現に4月の対米黒字額は7232億円で、前年比17.7%の増加となった。

       ≪22日の日経平均 = 上げ +10.92円≫

       ≪23日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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