経済なんでも研究会

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新車販売は 世界的に下り坂

2019-05-11 08:14:38 | 自動車
◇ メーカーは生き残りを賭けた競争へ = 業界団体の集計によると、1-4月間の国内新車販売台数は660CC以上の登録車が120万3574台で、前年を0.5%下回った。また軽自動車は70万9117台で、前年比は0.8%の増加だった。前回の消費税引き上げ時には半年前から駆け込み需要が発生したが、今回はそれがない。登録車については政府の減税方針が功を奏しているのだろう。しかし減税されない軽自動車にも駆け込みがみられないことに、関係者は首をひねっている。

この数字からみる限り、日本の新車需要は前年並みで落ち着いている。だが海外に目を向けると、欧米の自動車メーカーは販売の不振と業績の悪化に苦しみ始めている。アメリカではGMなど大手3社の1-3月期の新車販売台数は、輸出や現地生産も含めて前年比4%の大幅な減少となった。業績も軒並み大きく悪化している。19年の国内販売予想も芳しくない。

ヨーロッパでも状況は同じ。ドイツの大手3社も、1-3月期はそろって減益に。特にBMWは純利益を75%も減らしている。フランスのルノーを含めた独仏の大手5社では、平均8%の減益になったと伝えられる。これら欧米のメーカーは、特に中国での販売不振が業績に響いたようだ。この点、これまでのところ日本車は中国市場で健闘している。

米中貿易戦争、中国の経済不振、排ガスや燃費に対する規制強化、カー・シェアリング。こうした阻害要因が重なったうえに、EV(電気自動車)の開発競争が激化し、コストが増大した。これら自動車メーカーの経営を圧迫する要因は、今後もいっそう強まりそうだ。昨年度に2兆5000億円という巨額の利益を生みだしたトヨタ自動車の豊田章男社長が「トヨタといえども安心はできない」と強調したのは、こうした情勢を見据えたうえでの発言である。

       ≪10日の日経平均 = 下げ -57.21円≫

       【今週の日経平均予想 = 3勝1敗】   

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