経済なんでも研究会

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21世紀の“冷たい戦争” : 米中摩擦 (上)

2019-05-16 07:24:01 | 貿易
◇ 中国製品すべてに25%の高関税 = ワシントンで開いた閣僚級の米中貿易協議は、妥協点を見出せなかった。すかさずアメリカは、新たに3000億ドル分の中国製品にも25%の関税をかけると発表。これで中国からの輸入品には、すべて25%の関税が課されることになる。スマホやパソコンなどの電子製品も含まれており、中国に部品を供給している日本企業にも大きな影響が出ることは免れない。中国側も報復関税をかけると発表した。

トランプ大統領は当初「対中貿易で巨額の赤字が続いていることには耐えられない」と、赤字の縮小を強調していた。中国側もこの点では、アメリカ産の農産物やLNG(液化天然ガス)の輸入を増やすなど、協力的に対応。協議はスムーズに進行した。しかしアメリカ政府部内の対中強硬派が、中国の産業政策に注文を付け始めたために、交渉は厳しさを増すこととなった。

中国では、中央政府や地方政府が国有企業やハイテク企業に補助金を出して支援している。このうち国有企業では、補助金を受けた鉄鋼メーカーが製品を過剰生産。安値で輸出するため、鉄鋼製品の国際価格が下落していた。アメリカはこれを「政府による不当な支援だ」と非難。習政権も鉄鋼など国有企業の近代化を図るために、是正しようと考えてはいる。しかし既得権の喪失に反対する内部勢力も強く、一挙に補助金を廃止できないでいるのが現状だ。

一方、ハイテク企業に対する補助金は、半導体・ロボット・宇宙設備・EV自動車・新素材・バイオ医療などの企業に支出されている。これは共産党が15年に発表した「中国製造2025」計画に基づく、産業育成策の根幹をなす政策。したがって習政権としては、絶対に止められない。そこへアメリカが手を突っ込んできたから、協議は不調に終わってしまった。

                            (続きは明日)

       ≪15日の日経平均 = 上げ +121.33円≫

       ≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

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