羊山を西武秩父駅の方から上ると坂道の途中に牧水の滝というのがあります。秩父に歌人牧水が歌を残したというので観光的メモリアルにして人を呼ぼうと歌碑などか建てられたものですが、娯楽がない時代地元の金持ちの招待で呼ばれた歌人が揮毫してそれを売るという当時の営業の一環で秩父に来たものでまあその席で秩父の歌をと請われて残した歌でそれを後世に観光で利用するというのもあざといようなそんなことだからというような施設はいつみてもさびれていく秩父のどうしようもない運命を感じさせます。この牧水の滝をみると寅さんが町でであったおじいさんをうちにつれてきて飯を食わせたり面倒を見ると喜んだ老人が色紙を書きこれを神田の美術商にもっていつて金にしろと寅さんに渡す巻を思い出すのです。昔禅僧が宿を得てお礼に襖に絵を描いて旅をするということがあったわけですが美術品として残っているのは僅かでそれでも美術品として残そうなどという意思とは裏腹にその芸術品故の価値で何百年も震災や戦争さえ被害に合わず残っていたりするのです。一方戦国時代大名に絶大なる庇護と援助でお抱え絵師として天守閣の襖絵を描いたりしても一枚も残っていなかったりと芸術には数奇な運命もまとうのです。そんなことを思うと何百年も生き残る美術品とは何を置いてもこの目で見ておかなくてはいけないという気にさせます。そうすると今時の美術展というのはどこも平日だろうが劇混みでちっとも芸術を味わうどころの話ではないのです。ところがどうでしょうこの夜の芝桜のように実に豊で味わい深い時間も持てるのです。要はお金や必要性なんかよりも普段からのマインドでありタイミングなのかなあと感じるのでした。
真夏のような日が続いたと思ったらまた冷たい雨が降り続き肌寒い日に戻ってしまいました。その雨も上がった土曜日の今日は気温もぐんぐん上がっています。しかし、コロナ禍の今では全然外に出ていこうと言う気持ちにならないのです。とはいえ毎日夜になると10K走るのは変わらずで雨の降った日はコースを変えて気をまぎらわします。というわけで、桜も散り花水木が咲きだしたので市役所の周りの定家カズラも気になり東町通りを上ると薄暗い伝承館周りはひっそりとしてなんの花もなく定家カズラも咲いていません。国道の方は反対に新しくできた唐揚げ屋の明かりにつられるように国道に出て羊山入り口まで走るとそうだ久しぶりに芝桜の丘をみてみようかと思い立つのです。伝承館の辺りから芝桜的丘の捨て看板の案内がたっていたのも目にしてきてその芝桜的丘をみてみたくなりました。熊木に住んでいた頃この公園を二周すると言うコースを持っていたこともあり行く気になりました。するとテニスコートは煌々と明るくプレーする人もいましたが、そこを過ぎると街灯もなく人の気配もなく、ただ静寂と顔にかかる雨と闇だけの世界になりました。花菖蒲の棚田を抜けるとテントがあり芝桜の丘の入口です。すると丘といいつつそこはすり鉢状の谷でありみやげる空に大きな星が出ている谷の底にいる自分を感じました。その瞬間その空間を一人占めしている満足感が沸いてきてとても贅沢な気分になりました。辺りに音はなく生き物の気配すらしません。普段なら人ごみに紛れてみる芝桜ですが、暗闇で一人でみる芝桜はまだろくに咲いてもいませんでしたがそこから坂ごおりを下ってガソリンスタンドまでろくに明かりもなくまったく人にも会いませんでした。なんと贅沢な時間なんだと、まだ9時くらいで寝静まる時間でもないのになんで人がいないんだと言うくらい人気がなく、それでも不安になるどころか一人占めした満足感が強く羊山の思い出をあれこれ思い返していたのでした。つづく
ロシアも中国も民主主義になればと言っている人がいましたが、北朝鮮やロシアのような専制国家も選挙が行われて選ばれる民主主義の国なのです。プーチンのような反対勢力や野党や報道機関など屈服しないものは暗殺されてしまうような悪事が平然と行われていてもそれを伝える人がいなければ80％の高い支持率を確保できるのでしょう。日本もかつては天皇陛下や国のために死んでくれと言われてみんなそれに反対せず戦争を続けたのです。中にいれば見えないことや言えないこともあるんですね。今日本が言えることはウクライナに武器供与でなく話し合いでまず停戦に持ち込むことでしょう。破壊された町は作り直し荒れた農地はまた種を巻き世話をすれば収穫できます。だから日本は制裁に追随するだけでなく戦いをやめさせるよう動くべきです。
先日のABC予想の完全版が放送されました。私はまだみてませんが前回整数の数論の話になんで宇宙やポアンカレ問題のような幾何学が出てくるのかと話についていけない感じでしたが、これはリーマン予想と同じで単なる整数の話が原子や物理学に繋がっていたという自然界の根本原理を解き明かすかもしれないということで幾何学やらも関わってくるんですね。世界中の頭脳で解決しようと何百年も取り組んできた実績があるのに未だに採集狩猟時代のように殺しあいをしてるとはなんと愚かなことでしょう。アインシュタインが原子が膨大なエネルギーを溜め込んでいることを発見し、それを利用せよと大統領に手紙を書き原爆が作られましたが、核のエネルギー利用はまったく進んでおらず核分裂の熱エネルギーで発電機を回す原始的な利用にとどまっています。もっと人類の叡知を集積し解決すべき問題があると私腹を肥やす国家指導者に考えて欲しいものです。それも全世界の人にコーヒー一杯の安らぎの心を共有すれば叶うことであり、誰も独り占めするのでなく同じ癒しを共有できる気持ちの理解が平和の始まりです。
