King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

もしやの二度締め

2023年03月03日 17時15分33秒 | 珈琲

一番新しくいれた豆は私の好きなパカマラなのですが、これは初めてではないパカマラのナチュラルです。今ある豆のなかでマンデリン、ケニア、タンザニア、パブアニューギニアは大粒で浅煎りにとどめると酸味が強く出たり、個性的すぎて始末に困ることになります。というのも浅煎りにして強烈な酸味を楽しみたいこともなきにしもあらずで、そんなときは甘味も強く出るのです。そしてフルーティーな酸味も喉を越す爽やかな風のようなハーブティーのような心地よさも出ます。大粒の豆でははぜも大きく,2ハゼがとんでもなく遅くなることもあります。特に新豆の場合ハゼがいつくるかはやってみないと解らないことが多くまして2ハゼはいつ来るかは一ハゼの十分なならせかたにもよるし、下手な温度加減なら1ハゼと2ハゼが同時か繋がって起きることもあります。枯れた豆でハゼもはっきり起きないだろうと思った豆が元気な鳴りをみせたり、あまりはっきりと長くなったりすると2ハゼはいつと気を揉んだりします。最近の釜は、このハゼが全く聞こえないものがありずいぶんつまらないことになっています。店によっては浅煎りでハゼを起こさず焼き上げるところもあり音がテーマとなったりこの音が出たらよい豆だという話は聞きません。私はリズミカルに出る音や焙煎機が歌うかのような音を聞いてそんなときは焼き上がりの香りや冷ましきったときの香りも凛とたったものを感じます。後は煙の色や量ですがこの温度ならこのいろという決まりもなくやたらと煙が多いときがあったり冷却機の中でチャフが燃えてしまうこともあります。それでもしっかり二度めのハゼを聞くことは味の面でも重要になります。多くの人はこの音での火のとめを判断するのでなく、豆の色をみて判断しています。だからどんな小さい焙煎機にもテストスプーンがついていて豆の色がみられます。つまり焙煎機についている温度計では豆温度は正確には計れなくて釜の中の空気の温度だったり排気の温度だったりします。バレットは赤外線センサーがついていて釜内温度と両方出るので非常に便利です。便利ゆえにそのデジタル温度に頼った火止めをしてしまいますが、この最新のパカマラを好きな味にするにはやはりハゼ音を聞いて止めないとダメだったのです。結局ガスと同じで豆温度でどこまで引っ張るかでなくハゼを聞いたら落とすでよかったのです。これは今までの経験が全てだったと納得できるものでした。そんな絶妙な火止めの味を味わってみてください。

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