関大キャンパスツアーの続き・・
次にやって来たのはまた、ユニークな形をした建物。
昭和39年に工学部の為の専門図書館として建てられたもので、現在はITセンターとなっている。
ドーナツ状の閲覧室を16本の柱が支え、箱状の部屋を吊り下げるという形に。
ドーナツ状の元閲覧室の真ん中には当初は中庭があったそうで、庭のグリーンを眺めつつ本が読めるという贅沢な造りになってたとか。
残念ながら今は庭はなく屋根がかかってしまってるらしいが。
支える16本の柱は下にいくほど太くなっていくエンタシス式になっていて、安定感が感じられる。
柱の表面はざらっとしたかき落しのテクスチャに。
こちらの軒下空間であるピロティは学生の活動の場を想定して造られたという。
今でも雨の日はこの軒下に学生が集まり、活用されているのだそう。
上から吊られた箱状の部屋。
鉄とガラスの組み合わせ、箱が交互に重なるように配置された部屋は奇抜なデザインで、
中からの様子はどんな感じなのか気になった。
こちらの内部は見学できずだったが。
そして次に訪れたのは第三学舎の1号館。
昭和43年に建てられたもので、
外観は塔がポイントとなっているが、塔には時計も何もついていないシンプルなもの。
試行錯誤をした跡がうかがえるスケッチなどが残されてるそうだが、最終的にごくシンプルなデザインになったそう。
正面玄関を入ると左手には階段があり、当初はオープンな階段だったが、消防法により後付けでガラスが入ったそう。
この補強の入ったガラスがなければ、また違った雰囲気だったんだろうなあ。
2階のフロアに上がると、2カ所にこんな天窓が入っている。
3階、4階とも同じく天窓が入る。
廊下の真ん中にぽっかりと二つくり抜かれた天窓
吹き抜けの贅沢な空間・・
最上階の4階の天窓
階段にトップライトからやさしい光が降り注ぐ。
素敵な空間だなあ。
エントランスホールに下がってる照明は新しいものだそうだが、シンプルでこの建物にマッチしたものだった。
そして最後に訪れたのが、関西大学学生会館。
こちらは昭和40年に建てられたもので、当初は予算の関係で他の設計事務所に依頼していたそうだが、
最終的には村野藤吾が設計することになったのだとか。
内部には入ることはできないが、中には金属製のらせん階段などが残されているそうだ。
建物横に階段棟
たっぷり2時間の村野藤吾設計の関西大学キャンパスツアーはここでお開きに。
この後はこの敷地が千里山遊園だったころの園路の跡をたどり、駅まで下った。
キャンパスの端から端まで歩き回りながら村野藤吾の主な作品をほぼ見せて頂くことができ、充実のツアーだった。