網干に訪れた日、帰りに舞子へ途中下車し、旧武藤山治邸&孫文記念館へ訪れた。
建物は日本の紡績王として会社経営に携わり、衆議院議員としても活躍した武藤山治が明治40年に建てたコロニアル様式の住宅。
「鐘紡舞子倶楽部」としても従業員の厚生施設に利用され、
平成19年から現在の舞子公園へ移築、修復され公開されている。
建物に入ると、まず目についた階段の上がり口にあるステンドグラス。
淡い色彩が美しい。
植物がモチーフなのか?中央は花が開いているようなデザイン。
乳白色のガラスも混じっていてきれいだなあ。
すぐそばにあったガラスが嵌められた扉は、背景の格子がステンドグラスのデザインと似通ったものでまとめられていて、
こちらも素敵。
食堂として使用されていた部屋は、木製格縁天井や大理石のマントルピースが豪華。
応接室。
広間は応接や社交場として使われていたそう。
天井装飾もとても細やかなもの。
広間からはベランダへ直接出ることができる。絶景ロケーション。
ベランダのタイルは網代模様だった。
明石海峡大橋もすぐそば。
大理石のチェッカー模様の床のある洗面所。
階段で2階へ。
こちらは書斎。
6割以上が洋書でナポレオン関係の書物が多くあり、
武藤山治はナポレオンを熱心に研究していたとか。
家具や絨毯、照明はオリジナルだそう。
貴賓室は元々は千代子夫人の部屋だったそうで、客用の寝室として使用されていた。
鏡台や椅子などの家具も残されていた。
主寝室として使われていた広間は、鐘紡舞子倶楽部時代にはダンスホールとしても使用されていたそう。
旧武藤邸を堪能した後は、歩いてすぐの孫文記念館(移情閣)へ。
外観は残念ながら修復中。
建物は神戸で活躍していた中国人実業家、呉錦堂の別荘「松海別荘」が前身で、別荘の東側に大正4年に建てられた八角三層の楼閣「移情閣」が現在、孫文記念館として公開されている。
移情閣は現存する日本最古のコンクリートブロック造建造物だそう。
中央の天井装飾は龍。
中国で吉祥の象徴。
暖炉にはマジョリカタイルが貼られている。
オリジナルではなく、イギリスで復元されたものだそう。
そして壁には明治時代の製法で復元された金唐紙。
階段壁面にも復元された金唐紙が貼られてる。
2階も1階と同じく八角形の室内。
2階の天井は鳳凰と牡丹の浮彫が華やか。
もう一軒、徒歩圏内で行ける木下家住宅はこちら→☆
この日は閉館時間が近かったので行かなかったが。
この後は、直前に調べてぜひ行ってみたいと思った、喫茶スイスへ。