地下鉄で移動して、サン・ジル、イクセル方面の町歩きを再開。
町歩きも佳境に入ってきて、チェックしている建物をひとつ見つけると、
そのあとは数珠つなぎのごとく、素敵建築が連続して出現。
ブリュッセルという町は、なんと素敵建築物の密度が濃いのか!
夢中になり建物を追いかけていて、気づいたら自分がどこにいるのか??
分からなくなることもしばしば・・しかしgoogle mapのおかげで
自分の居場所が即座に確認でき、次の目的地へ向かえるのがスマホさまさまで、ありがたい。
1902年ギュスターブ・ストローベン設計のアパート。
間口が狭めの5階建ての建物は、細長い建物にぎゅっと凝縮されたアール・ヌーヴォー様式が詰まってる。
5階の屋根に付く避雷針?!まで優雅な曲線を描く。
バルコニーの持ち送りも、とても繊細なライン。
正面から見ると分からない持ち送りのデザインのこの凝りよう。
大胆な曲線を描くドアノブ。
こんなに長いラインのノブって見たことない・・こんなのもありなんだ~
自分のドアノブの固定観念が崩される瞬間。
外国へ来ると、こんな些細なことから大きなことまで、自分の固定観念がどんどん崩されていくのが快感で、その度に自分の世界が広がっていく感じが楽しい。
こちらのポーチ天井の装飾は、ややイスラム風の意匠が施されていた。
Y字路に建つ建物は、窓が張り出すコーナー部分が素敵。
ブリュッセルの町並みは、必ずと言っていいほど、道路の突き当りには、ランドマーク的な建築物が建っていて、それが町並みの美しさを際立たせているように思う。
1901年建築。
4階のスグラフィト、3階には細かく分かれた窓に幾何学模様のステンドグラスが入る美しい建物だった。
コーナー部分には、太陽と月がモチーフとして描かれている。
お隣の建物は、3階の出窓が風変わりな台形。
1階にはステンドグラスの入った窓
外壁にこんなタイルがポイント的に入れられている邸宅もしばしば見かける。
ずらりと並ぶ邸宅群。
こちらの邸宅は、家全体に密度の高い装飾が施されている。
1905年アーネスト・ブレロ設計により建てられたアーティストのスタジオ兼邸宅。
水辺に鳥がたたずむステンドグラスのデザインと窓や桟のラインが描く優雅な曲線・・
半地下?の面格子のデザインも良いな~
この3階部分のまとまりも素敵。
台形の出窓に、その下部の緻密なデザインの持ち送り、隣の窓のフェンスのおさまり具合・・改めて見てもうっとり。
更に朝日に照らされるニワトリが描かれたモザイクタイルも豪華。
最上階にも4羽のツバメのモザイクが入っている。
(初日、ホテルに多少望遠の効くコンデジを忘れた為拡大写真が撮れなかった;)
扉上部にも鳥モチーフのステンドグラスが入っていた。
扉のアイアンワークも華麗。
お隣はやや直線的なデザインのお宅だったが、窓下の花のスグラフィトがかわいい。
家の前のマンホール的なアイアンの透かしの入ったもの、
この時点で何のためのものなのか?わからなかったが、のちに
外から直接、石炭を貯蔵庫へ入れるための入口だと知った。
家ごとに少しずつデザインが違うのも良い。
たまに歩道に、こんなモザイクタイルが入れられていることも。
発見するとうれしい。
扉の上部にステンドグラスが入っている家も多く、
玄関ホールの採光と共に装飾が得られてよいなあと・・
中から見てみたいと何度思ったことか。
アール・ヌーヴォーのマジョリカの組みタイルが素敵なお家も。
扉上部には、鳥と植物がモチーフのステンドグラス。
1905年建築。
2階のオレンジ、3、4階の紫のシンプルなラインのステンドグラスがおしゃれ。
窓のサッシと合わせた濃紺の扉もいいなあ。
1893年に建てられたポールアンカール設計の自邸。
オルタのタッセル邸と同時期のアール・ヌーヴォー建築初期の作品。
石と煉瓦が積まれたファサードに、
ボウウィンドウには鉄骨で桟が入る。
ウィンドウ下のスグラフィト装飾。
扉周り。
とある建物で、ちらりとのぞいた腰壁のカラフルでかわいいタイルを拝見させて頂いた。
1897年、ポール・アンカール設計により建てられたチャンベルラーニ邸。
現在は、アルゼンチン大使館の建物として使われている。
3、4階のスグラフィトが豪華で美しい。
1898年建築、装飾をヴァン・ド・ヴェルドが担当。
ヴァン・ド・ヴェルドは、自分が学生時代にアール・ヌーヴォーを知るきっかけになったデザイナーだったと記憶してる。
伊丹市美術館で行われてたヴァン・ド・ヴェルド展へ行って、アール・ヌーヴォーの流れるようなデザインの工芸品を初めて見て感激した記憶あり。
アールのついた玄関ポーチのタイル貼りの天井、端正な扉と窓に
落ち着いた色彩のステンドグラスが美しい玄関だった。
コーナーはアールに沿ってボウウィンドウがついていて、
窓には、タイルらしきものも貼られてた。
2階のバルコニー。
1893年ヴィクトール・オルタ設計により建てられたタッセル邸。
オルタの2番目の作品で、アール・ヌーヴォー建築初期の建物。
カラフルなバイクが背景の煉瓦壁に映えていた。
1900年にルーゼンブーム設計により建てられた邸宅。
2023年に修復されたばかり。
入口扉の美しいアイアンワーク。
隣の窓と左右対称風にデザインされていた。
扉手前のアイアンの蓋は、三つもあるけどこれも石炭貯蔵庫の蓋?!
郵便受けと靴の泥落としが一体となったデザインがすばらしい~とうなってしまう。
最上階にはスグラフィトで装飾も。
ガラスブロックもあり、こちらも地下室があったようだ。
横から見る玄関周りのうねり。
1898年、アーネスト・ブレロ設計による邸宅。
バラの花が窓辺を彩っていた。
アール・ヌーヴォーな曲線が素敵なお店のショーウィンドウ。
ひときわ目を惹いたステンドグラスのある邸宅。
1902年デルーン・アーネスト設計により建築されたガラスアーティストの邸宅。ステンドグラスはオーストリア製。
扉横の窓と合わせて円を描くとてもユニークな扉。
階段ホールらしき位置にはめられたステンドグラス。
紫色の花が美しくデザインされている。
イクセル池を望む
1904年、アーネスト・ブレロ設計のテラスハウス。
現在ホテルとして使われているようだった。
階段の手すりが複雑な曲線を描いていた。
クリンカータイルのような床タイル。
他の場所でも何度か見かけた。
ポーチには、アール・ヌーヴォーデザインのモザイクタイルが貼られていて、
素敵だった。
グリーン基調のステンドグラスが美しい窓辺。
扉のアイアンワークとスグラフィト。
ドアノブと面格子が一体となる形。
1898年、ヴァンド・ヴェルド設計により建てられた邸宅・・工事中だった;
1887年、アーネスト・ブレロ設計により建てられた。
孔雀のスグラフィトが美しい。
扉上部のスグラフィト、こちらも孔雀のような鳥がモチーフ。
お隣も同じく、アーネスト・ブレロ設計。
窓枠や扉がみんなピンク色に塗られているが、元の色はどうだったんだろう?
扉のデザイン。
一番右端の煉瓦造りの建物は、1897年建築のアーネスト・ブレロの自邸
ステンドグラスが2階から3階にかけての階段ホールらしきところに入っていて、
1階窓のステンドグラスも窓の桟が優美な曲線を描いていた。
扉はお花と葉がモチーフのアイアンワークがこれでもかとうねっている。
扉上部には、花モチーフのスグラフィト。
お店玄関のポーチタイル。
お店の入口に敷かれてたタイル。
虫食いのようなデザインの側溝蓋。
この日、最後に、ブリュッセル最古のビアホールへ。
おすすめを聞いて、チェリー風味のビールに。
ちょっと甘めのビールが飲みやすくて美味しかった。
まだ外は明るいのだが、時間は夜の9時、10時くらいにはなっていた。
日が落ちるのが遅いと、やはり建物巡りがはかどる~(だからこの時期にしたのだけど)
アドレナリンが出ているので、全く疲れず、歩くのは楽しくて仕方がなかった。
ブリュッセルは、良い建物密度が濃すぎて、初日にもかかわらず、こんなにたくさんの建物に出会えて、もうお腹いっぱい。
1日目にして、当初の予定よりもだいぶはかどったので、
ブリュッセルだけでいっぱいいっぱいかもしれない、と迷っていたアントワープに明日、朝イチで向かうことに決めた。
この後は、スーパーで買い物し、地下鉄巡りも少しして、宿に戻った。
建築年や建築家は、こちらのサイトを参照
アール・ヌーヴォーの町なので、あふれるほどありましたよ!
堪能してきました~