ポンペイ展をみた後、友人とカフェへ向かって歩いていた時、路地にあった煉瓦塀が目に止まった。
何だろうか?と近づいてみると、
「関西美術院」との看板。
登録有形文化財のプレートもあり、建物をしげしげと眺めていると、
ちょうど表に出ておられた方が、こちらの理事長さんで、建物内も見学させて頂けるということに。
関西美術院は明治39年に浅井忠により、創立され、建物は武田五一設計によるものだそう。
洋画研究所としては、日本初のもので、更に現存する最古の洋画研究所の建物でもあるとのこと。
手前は増築された棟だそうだけど、いずれも戦前のものだという。
アトリエは、北側に窓が大きくとられ、変化の少ない自然光が一日中入るようになっており、柱をなくし、トラス構造で屋根が支えられ、広い空間が確保されている。
真ん中にあるのはモデル台。
モデルさんが来られて、デッサンが行われてるという。
写真は、関西美術院の創設者、浅井忠。
安井曽太郎、梅原龍三郎、須田国太など錚々たる画家たちがこちらで学んでいたようだ。
安井曽太郎、梅原龍三郎、須田国太など錚々たる画家たちがこちらで学んでいたようだ。
笠原のモザイクタイルの元祖、山内逸三もこちらで学んだと、後ほど加藤郁美さんよりお聞きした。
床には無数の絵の具など画材の跡が染み込んでいていい味わい。
積み上げられた椅子も年季が入ってる。
「甲科」と書かれた椅子。
甲科は人体デッサン、油絵、乙科では石膏デッサンが行われている。
月会費を納めれば、部屋はいつでも使えるとのこと。
隣は、増築部分で、こちらは乙科の石膏デッサン室。
同じく北向きの窓からはやわらかい光が入る。
ちょうどデッサン中の方がおられた。
ずらりと並んだ石膏像。
お庭には、小さな池に金魚が泳いでた。
涼しげ。
理事長さんには、多くの方々にこちらの建物の存在を知ってもらい、利用してもらうことで、保存、維持にも繋がると伺った。