先日は猛暑の中、ヒグチユウコ展からの芦屋のマジョリカタイル、からの旧宮塚家住宅のムジカへはしごしてきた。
まずは六甲アイランドにある神戸ゆかりの美術館で開催中のヒグチユウコ展へ。
絵本などでおなじみのヒグチユウコの絵は自分のツボをついてくるたまらなく好みの絵で
今回は初の大規模な展覧会ということで楽しみにしてた。
展覧会のタイトルは「CIRCUS」
サーカスのテントの中へ誘われるような入口の演出にワクワク。
内部の展示は撮影禁止で入口と最終コーナーのみ撮影可だったので載せることはできないけど、
原画はとても美しく、細かい部分まで描き込まれた絵は緻密でリアル、そしてとてもシュール。
動物たちの表情はとても感情豊かで愛おしい・・
上半身は猫、下半身はタコの「ギュスターブくん」の絵本の一コマ
巨大なギュスターブくんが天井からぶら下がるインスタスポット。
展覧会を満喫し、展覧会の画集もゲット!
とても満たされた気分。。
その後、芦屋の教えてもらったポイントを巡りにやってきた。
こちらは阪神高速神戸線沿いにの緑地帯にある「龍頭の泉」
泉は新しいものだそうだけど、この龍頭はもともと芦屋の山の手に建つ洋館にあったものだそうで、
大谷石で作られているとか。
泉は災害時の防災用水として役立てたいと、地元の小学生らの手によりつくられ、底にはタイルが散りばめられている。
この角度から見ると、龍頭というのがわかりやすい、と後で教えていただけた。
なるほど、口が開いた龍の横顔がうかがえる。
泉のすぐそばに、友人に教えてもらったマジョリカタイルのお家を発見。
蔦に絡まれた壁面のお家は建築設計事務所のようで、大理石の柱頭飾りが埋め込まれてる。
そしてその家の壁面にマジョリカタイルがぽつぽつ見える。
サイズがやや大きめのマジョリカタイルが色違いで2枚。
そして更につづく生垣には、その四分の一ほどの大きさのマジョリカタイルが、
こちらもポツポツと色違いで入れられてる。
「建築展」という看板が見えたので、この設計事務所の中で何か展示でも見られるのだろうか?
と、うかがってみたら、今建築展はやっていないけど、ちょっと待って、と出てきてくださった。
そして、中へ招き入れて頂き、お話を聞かせて頂けることに。
こちらの建築設計事務所の福嶋さんは芦屋洋館建築研究会の代表をされていて、阪神淡路大震災により、
失われてしまった芦屋の和洋館の本も出版されているという。
この会のシンボルとなっている柱頭は渡辺節設計の取り壊された洋館の部材だそう。
洋風建築を模したものだけど、真ん中の花は梅で、素材は高砂で取れる竜山石が使われるなど完全に和風化されているという。
洋館で多く使われてたチーク材の親柱のデザインも西洋をまねながらも
日本らしくデザインされているとのこと。
この柱頭のボツボツは螺髪といわれる仏像の頭を表してるとか。
どの洋風建築も日本ならではの味付けがされていると、いろいろとお話を聞かせて頂いた。
そして、来年には芦屋の博物館の方で、こちらの福嶋さんが所蔵されている資料などを中心に、展覧会が行われるのだそう。
気になったこのウィリアムモリスの木版?はなんと、ご自身でベニヤ板を彫られたものだとか。
しかもこのアルファベットの装飾文字を全て彫られたという。
来年の展覧会ではこちらを使って、拓本のように写し取るワークショップも考えていると言われてた。
そして、この後行こうと思っていた友人に教えてもらったタイル尽くしの福嶋建材店はこちらの御主人のものだったそうで、
もう既に取り壊されたという。
残念がっていたら、なんとその福嶋建材店の外壁に使われてたというタイルをくださった。
そして、先ほど外壁で拝見していたマジョリカタイルは、30年ほど前に
イナックスが復刻版として作ったタイルを頂いたものだとか。
マジョリカタイルは一枚一枚が主張するタイルなので、ワンポイント使いで外壁で入れられたという。
イナックスではその後、タイルはあまり売れなかったようで、廃版になったのだそう。
やはり日本でマジョリカタイルを建物にうまく取り入れるのは難しいようだ。
建材店のモザイクタイルの一部が庭に・・
取り壊された洋館から救出されたステンドグラスたち。
来年の展覧会が楽しみだなあ。
その後やってきた、旧宮塚家住宅。
以前、建築講座で、リノベーション工事中の時に見学させて頂いたことがあったが、
そのうちの一つにムジカが入ったとは・・どんな風に使われているのか興味津々。
建物は昭和28年建てられた市営住宅で、
外壁には日華石という石が使用され、石の間には鉄筋の入ったコンクリートが入るなど
とても手が込んだものだという。
現在は向かって右手の道路寄りの1号室がムジカのティーサロンに。
1階にはもう一軒、革細工のお店が入っていた。
ティーサロンムジカの入口。
ヌワラエリヤをポットで。
ムジカのスコーンが食べたかったけど、まだ作られてないとのことで、いちぢくのタルトに。
以前のお店ではお湯のお代わりOKだったので、試しに頼んでみたら快く出して頂け、
美味しい紅茶を心ゆくまで楽しむことができた。
店内はこじんまりと、テーブル席が三つとカウンターが二つあり。
お客さんはいっぱいだったので写真は撮れなかったけど、
来れてよかった。。
帰りは芦屋モノリスの前を通り、スクラッチタイルを愛でつつ帰途へついた。