レヒネル・エデンの応用美術館の後やってきたのは、こちら、
リクシルの「ハンガリー建築タイル紀行」を見て、ぜひ生で見たいと思っていたスポット、旧ジョナス・ハッチ&サン商会の建物。
建物の1階部分のファサードがタイルと銅板使いで、美しく装飾されている。
1907年、レヒネル・エデンの弟子、ライタ・ベーラ設計によるもの。
柱を覆う薄緑色のタイルも美しく、中央にはエオシン釉が美しいタイル、
上部には帯状にレリーフが入り、その上には銅板のレリーフが貼られている。
草花モチーフにした幾何学文様のデザインが素敵で、要所要所に入れられた
エオシン釉が控えめに光沢を放っていてとてもきれいだ。
帯部分のデザイン、緑青が吹いたような色合いもいいな~
銅板部分にも草花文や鳥などが様々な文様がデザインされてて、興味が尽きない。
ベースのタイルは大理石を模したものだろうか?!よい風合い。
軒を見上げると、持ち送りには、二匹の魚と渦巻の水紋らしきレリーフが入り、
建築年の陶板も見られ、
軒裏に丁寧に貼られた銅板にも、レリーフ文様が浮かびあがっていた。
もう一方の入口の持ち送りには、魚を真正面から捉えた顔。
細かいところまでデザインされていて、本当に興味の尽きないタイルファサードだった。
近くには、ブダペスト随一の大聖堂、聖イシュトヴァーン大聖堂がそびえたつ。
大聖堂の前の広場は、大理石の象嵌モザイクが広がっていた。
そこからレヒネル・エデンの旧郵便貯金局を目指して歩く。
歩く度に出会う建物は、日本でいえば登録有形文化財級以上であろうものばかりで、
何を写真に撮ろうか迷ってしまうくらい・・
こちらの建物もよく見ると、丁寧な彫刻が施されている。
鉱山で採掘でもしているかのような人々のレリーフ。
壁面の何気ない凹凸も見逃せない・・
どれだけ手間暇をかけて装飾されてるんだろう。
天辺あたりには、口を開けた人の顔が、等間隔で並んでた。
こちらの三叉路に建つ建物
1階にはちょっとデフォルメされたような大きな渦巻が付くイオニア式付け柱が並び、2階にはコリント式、
最上階には人面柱がコーナーを彩っていた。
こちらはシンプルなフォルムの建物だけど、
バルコニーの格子はかなり複雑なデザインで、
建物の屋上には、こんな人が寝そべっている。
誰?!
そうこうしてるうちに旧郵便貯金局に到着。
27年前にもこの郵便貯金局へやって来たのだが、その当時はレヒネル・エデンに関する本や資料がほぼなく、駅から○○分という情報のみで、もちろんスマホもないので
駅から、道行く人に、建物の写真を見てもらって聞き込み調査しながら
なんとか見つけた建物だった。
それを思うと、今の時代、
googleマップさえあれば、地下鉄もバスもトラムも自由自在に乗って目的地へ行ける。
なんて便利な時代がやってきたのだろうと思う。
旧郵便貯金局は1901年に建てられたレヒネル・エデンの最高傑作とされる建物。
やさしい色合いのブリックラインが窓回りや装飾を取り囲む。
複雑にうねる屋根の稜線には黄色い陶製の飾りが縁取る。
付け柱には点々と、貯蓄の象徴である蜂が、天辺の巣に向かう様子が見られる。
陶製の巣と蜂。
窓枠の周りにはモザイクタイルが縁取る。
門のアイアンワークは流れるような植物文様。
内の扉には、ガラスにフォークロアモチーフのエッチングが施されている。
現在国立銀行の施設として使用されていて、これより中は撮影禁止。
入口扉脇につく外灯のアイアンワークも複雑な曲線を描いてる。
1階部分に付く窓にはハートのついた面格子が可愛い。
外観は十分堪能できたが、この立地条件だと、引きで建物が見れず、せっかくの陶製の屋根が見れないのが残念。
裏技として、先ほど見た聖イシュトヴァーン大聖堂のテラスから全体像を見れるというのを伺っていたが、大聖堂の内部へ入ると更に時間がかかり過ぎてしまいそうなので、断念。
朝に市場でいちごとチェリーしか食べてなかったので、お腹が空いてきた。
ちょうど郵便貯金局の前にあったパン屋さんが、お客の出入りが激しかったので、美味しいのかなあと、ショーウィンドウを覗くと、
ガラスに、数々のコンテストで1位を受賞・・の文字。
ショーウィンドウの中には、美味しそうなパンがいっぱいで、迷った。
クロワッサン生地のカスタードの乗ったパン、生地がサクサクで美味しかった~
※続きがあるのだけど、なぜか文字数制限にひっかかり、二つに分けることに・・