泉佐野市にある新井家住宅の一般公開へ訪れてきた。
新井家住宅は、大阪、船場で証券業営む新井末吉により、昭和7年に、迎賓館兼住居として建てられた。
2023年春より、レンタルスペースとして活用されているとのこと。
大門を入ると、アプローチに日本庭園が広がる。
唐破風のある玄関、2本の矢羽は新井家の家紋だそう。
扉にも矢の透かし彫り。
主玄関のすぐそばに、もう一つの入口があり、
この部分だけ、造りやレリーフが洋風。
入口の先には、かつては洋室があったそうだが、すでに解体されてしまったのだそう。
主玄関から中へ。
この藤のテーブルかわいい。
奥座敷には一間半の大床の間があり、随所に銘木が使用されている。
床の間に奥行きあるので、書院が幅広・・
細かな組子細工や飾り欄間、
欅の大天板に、紫檀の床框、
そして、床框前にはさざ波文様のある橡の板の間と説明があったが、
たしかに、波のような細かな筋が入っていて、艶やかな光沢を放っていた。
床柱は一位前彫といわれるもので、面白い形の狆くぐりもあった。
床脇のそばの障子には幾何学文様の組子細工。
15畳の大床の間のある座敷の向こうは10畳の続き座敷、間の欄間は、漆塗りの枠に桐板が使用されている。
松と鷲の透かし彫り。
奥座敷を見渡す。
このお部屋もレンタルできるのだそう。
奥座敷を囲む廊下には欄干が巡らされていた。
こちらは13畳と10畳の座敷。
欄間は、漆塗の枠の中に梅の木が彫られていて、それを、周囲の菊の文様の透かし彫りが支えているという繊細なもので、とても可愛かった。
奥座敷と同じく、格天井に和風のシャンデリア。
奥座敷を望む。
照明は、こちらのパターンのものがあちこちに使われていたけど、
支える金具なども凝っていた。
こちらはペンダントタイプ。
窓の鍵にペンギンマークがかわいい。
思わず他のもチェック。
全てペンギンなのかと思ったら違ってた。
「ベスト」
「王冠」・・こんなマークもあるんだなあ。
茶室。
こちらは主屋棟の元洋室の入口。
先ほどの洋風の玄関を入ったところ。
現在は扉のみ残っていて、残念ながらその先は解体されてしまっているそう。
洋室の扉の周りの壁紙は、剥がれかけながら残っていた。
主屋の寝室などとして使用されていた部屋。
窓の外は中庭で、解放感がある。
その対面には、旧廊下と旧女中部屋のスペースを一体化して、リノベーションしたキッチンスタジオ。
建具や天井などの古い部材もそのまま用いられていて、新旧が美しく融合していた。
料理をして、そのままこちらの長テーブルで食事もすることができるようで、
レンタルするにもとても快適そう。
最後に、案内の方に教えてもらった猫を探しに、お庭へ。
他のお客さんに、あそこにいるよ~と教えてもらった。
大工さんの遊び心だろうか?可愛いな。
建物は通常は、会員登録の上(要審査)、座敷や奥座敷、キッチンなど、貸しスペースとして借りることができるよう。
外国人観光客にも人気のようで、英語での説明書きも完備されていた。