ニバイタイ、エフワン と読みます。
先日の園芸友の会での話題から・・ちょっと興味ある身近なお話を報告します。
この、F1は、Fillial 1 の略で第1世代のことです。
あの、カーレースのF1(Formula 1)ではありません。
倍数性という概念があります。生物が生存に必要な最小限の染色体の1組(ゲノム)を
何セット持つかという概念で、1倍性、2倍性、3倍性・・があり、それらの倍数性の
生物(倍数体)を、それぞれ1倍体、2倍体、3倍体・・とよばれる。
動物の場合は、特殊なものを除いて、ほぼ全てが2倍体である。動物の多くは、
両親から配偶子を通してそれぞれ1セットのゲノムを受け取り、計2セットのゲノム
を持つ2倍体である。
ヒトの場合は、2n=46で、22対の常染色体と1対の性染色体をもっている。
2n は、ヒトは46ですが、ハト16、ネコ38、 ウシ60、 イヌ78、
金魚104・・などで、この数の多い少ないで何かが言えるわけではない。
一方、植物には様々な倍数体が存在している。それらは、農業で役に立つ特性を
持つことがあり、作物の品種・種として成立している。 たとえば、キクの基本染色体は9であり、
2倍体(18)や10倍体(90)が自然状態で存在しているという。
偶数倍数体では実や種が多くなり、奇数倍数体では逆に少なくなるという性質があるようで、
作物では異質4倍体が好んで栽培されたり、逆に種なしの果物を作るのに3倍体を交
配させるといったことが行われている。四倍体と二倍体を掛け合わせて作った
「種なしスイカ」(3倍体)の例がある。
シクラメンに原種という、ガーデン用の小さいのがあるが、あれは2倍体で、鉢に
入れて大きく咲かせているシクラメンは4倍体である。
以前、このブログにもアップしたコルチカム(イヌサフラン)には、コルヒチンという
物質が含まれており、これの芽が出た時に、コルヒチンというホルモンをその芽に
振りかけると2→4倍体になるそうです。また、ヒガンバナが昔、中国から入ってきたが、
これは、3倍体で種が出来ず、もっぱら栄養繁殖(無性生殖)で増えている。
(ブドウの種なしは、これらの交配によるものではなく、ブドウの房がまだ小さい
時に、ジベレリンという植物成長調節剤(植物ホルモン)にちょっと浸けることに
よって種無しブドウを作っている。)
また、四倍体の代表例にジャガイモがある。
F1植物とは、雑種一代植物のことである。 Aという品種とBという品種を掛け
合わせて作った子どもC植物のことをF1植物という。 C植物は両親の良いとこ
ろを持っているので 収量が多く、病気に強い、揃いが良い・・など。 しかし、
C植物から種を取った場合はA,B,C,さらにAとBの雑種など何が出るがわからない。
このことから、栽培農家は毎年C植物の種を購入する必要があることになり、つまり
ビジネス上非常に便利な植物である。
一方,伝統野菜と呼ばれる植物はその株から花を咲かせて種を取ることが出来るため、
商売にはならないことから、一般の種屋さんでだんだん扱わなくなっている。
異なる性質を持つタネを、人為的に掛け合せてつくった、このF1種は「雑種」で
あるため、自家受粉されては目的の雑種がつくれないため、除雄が必要になる。
除雄とは、作物が自家受粉(自分の花粉で受精すること)しないように雄しべを手
で取り除くことをいい、元々は人の手で行っており、膨大な人件費がかかっていた。
花のつくり (ネットから拝借しました。)
しかし、植物の葯(やく)や雄しべが退化して、花粉が機能的に不完全になった
雄性不稔植物を利用することで大幅な人件費削減が可能になった。雄性不稔形質を
受け継いだ種の需要が高まり、今では多くの野菜や植物に利用されているという。
例えば・・・稲、玉ねぎ、人参、トウモロコシ、ネギ、大根、キャベツ、ブロッコリー、
カリフラワー、白菜、シシトウ、ピーマン、ナス、オクラ、春菊、レタス、インゲン、
テンサイ(砂糖の原料)など、雄性不稔を利用した野菜はたくさんあるのです。
へぇ~こんなにあるんだ・・・。
ちょっと、難しくて話が長くお疲れ様でした。
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