関東は、少し寒い満開の日曜日です。昨日の土曜とともにお花見最高の春ですね。
そんな時にまた、わけのわからないタイトルがでた・・。
普通、CSRといえばご存知の「企業社会的責任」(Corporate Social Responsibility)の略で、
とみに最近新聞紙面でも話題になることが多い。
このタイトルには、・・三角形がついている。
先のブログ「r―K戦略」の最後で予告しました生物の種の保存・進化に関する理論なんです。
普段、何気なく鑑賞したり、食したり・・きわめて身近な対象としてあまりそんなことに
気を回すこともありませんが・・そんなことをわざわざ取り上げようとしています。
内容的には、ハッとするようなことはなく、あッ、そうなんだ・・という程度のことで
すぐに理解できる事柄ですが、この自然の摂理? を学問的に整理するところに興味を持つ
人々がいるということなんですね。 ありがたいことです。
C-S-R三角形(C-S-R Triangle theory)は、植物の生存戦略に関する仮説であり、
ジョン・フィリップ・グライムという人によって提唱された植物生態学の用語なんだそうです。
植物生態学というのは、簡単に言えば、生育する場所から動くことのできない植物の
生活、分布、生態系における機能などを分類・研究していることです。
で、この仮説では植物の生活史を3種類に分類しており、r-K戦略説よりも広い適用性を持っている
といわれています。この仮説で示されている3つの生活史とは、ストレスが小さく撹乱が少ない
生育場所に適応した競争戦略(C, Competition)、ストレスが強く撹乱の小さい生育場所に
適応したストレス耐性戦略(S, Stress)、ストレスが小さく撹乱の大きい生育場所に適応した
撹乱依存戦略(R, Ruderal)の3つのことなんです。
それで、CSRと言っているんですね。 なお、ストレスが強く撹乱の大きい場所に
生育できる植物はないためこれは考慮しないというのもなるほどとうなずけます。
ストレスの強さと撹乱の強さを縦軸、横軸にとった場合、3つの生存戦略が三角形のそれぞれの頂点に
位置するため、「三角形」というのだそうです。
(ネットから・・)
競争戦略(C) とは、植物が、ストレスが小さく撹乱も小さい場所で生育し、他種との競争に
勝利して旺盛に繁殖する戦略を言います。その戦略をとる種は、生長速度が速く、種子や地下茎などの
繁殖器官の生産力が高く、高い表現型可塑性を示すといった、他種との競争に強い性質を持っているのです。
ここでまた、難しい用語が出てきました。
表現型可塑性(ひょうげんがたかそせい)とは、生物個体がその表現型を環境条件に応じて
変化させる能力のことである。 もうちょっと分かり易く言い換えますと、
一般的に、表現型可塑性は移動力のある動物よりも、植物など移動できない生物において
より重要なんですね。なぜなら、動けない生物はその環境に順応できなければ死ぬしかないが、
動けるなら不利な環境を離れることができるからです。多くの植物が、水や塩分、栄養等の
環境条件に応じて表現型を変化させる能力を持っています。
たとえば栄養の乏しい土壌では根により多くの資源を配分し、葉の大きさと厚さを変える
ことなどがあります。根における輸送タンパク質の量も、土壌の栄養と塩分によって変化する
ことが知られています。たとえば、水草のウキシバは、水位が低くなると斜め上に伸びる「抽水型」として生育するが、
水位が高くなると水面に浮きながら匍匐して成長する
「浮葉型」として生育する
次に、ストレス耐性戦略(S)についてです。
ストレス耐性戦略をとる植物種は、乾燥などのストレスが強く撹乱が小さい場所に生育している。
これらの種は生長が遅く、寿命の長い葉を持ち、栄養分を多く貯蔵しており、一般に
表現型可塑性はあまり示していない。ストレス耐性戦略をとる植物は、環境ストレスに反応して
生理学的な変化を起こすことで、ストレスへの耐性を高めている。
そのような種は高山や乾燥した土地、日がほとんど当たらない環境、栄養分が乏しい土地、
pHが高い土地などで生育しているのです。
ストレス耐性戦略を取る植物に、イグサ、クロマメノキ、セイヨウメシダ、
ヨーロッパシラカバなどがある。
さらに、攪乱戦略(R)とは、
撹乱が大きくストレスが小さいような場所で取られる戦略です。
撹乱依存戦略をとる植物は、生長が速く、短期間のうちに生活環境を完了して、非常に多くの
種子を生産するのです。これは雑草的な特徴であり、撹乱が起きたばかりの土地でこの戦略を取る
植物がよく見られます。一年生植物に多い戦略です。
蓼科の畑でも、毎回大変な雑草との戦いを演じていますが、雑草はなぜ強いのか?
雑草は自然界の中で他の植物に比して強い競争力を持って生きています。日の光をより多く
とり、地中の水分や栄養をより多くとり、自分の子孫をたくさん残せるように戦略を立てて
いるのです。つまり、競争戦略Cです。たとえば、他の植物と日光の奪い合いになったとき、
より背を高くして他の植物に勝つような戦略です。また、たとえば乾燥状態になったとき、
より成長したり発芽できたりするためにストレス戦略Sをとるのです。
撹乱依存戦略Rは、草刈りを行った後にすぐに草丈を回復できることなどの戦略です。
それぞれの状況に応じて、戦略をうまくとっている植物が繁殖しているということなんですね。
多くの園芸植物は人の手で大事に育てられており、これらの植物と自然界で競争しながら
生きるとなると他の植物に負けやすいのですね。だから雑草は強いのです。
蓼科農園では、最近鹿が、植物の芽をおいしそうに食べてしまう害が発生してきました。
この攪乱には全く無抵抗ですから困ったものです。モグラやその他の動物も出没するように
なりましたが、山に餌がないから、里に下りてくる・・のではないそうで、土地の人が言うには、
「山のものより、味がおいしいから・・」なんだそうですね。
さあ、私たちも何か戦略をたてないと・・・。
そんな時にまた、わけのわからないタイトルがでた・・。
普通、CSRといえばご存知の「企業社会的責任」(Corporate Social Responsibility)の略で、
とみに最近新聞紙面でも話題になることが多い。
このタイトルには、・・三角形がついている。
先のブログ「r―K戦略」の最後で予告しました生物の種の保存・進化に関する理論なんです。
普段、何気なく鑑賞したり、食したり・・きわめて身近な対象としてあまりそんなことに
気を回すこともありませんが・・そんなことをわざわざ取り上げようとしています。
内容的には、ハッとするようなことはなく、あッ、そうなんだ・・という程度のことで
すぐに理解できる事柄ですが、この自然の摂理? を学問的に整理するところに興味を持つ
人々がいるということなんですね。 ありがたいことです。
C-S-R三角形(C-S-R Triangle theory)は、植物の生存戦略に関する仮説であり、
ジョン・フィリップ・グライムという人によって提唱された植物生態学の用語なんだそうです。
植物生態学というのは、簡単に言えば、生育する場所から動くことのできない植物の
生活、分布、生態系における機能などを分類・研究していることです。
で、この仮説では植物の生活史を3種類に分類しており、r-K戦略説よりも広い適用性を持っている
といわれています。この仮説で示されている3つの生活史とは、ストレスが小さく撹乱が少ない
生育場所に適応した競争戦略(C, Competition)、ストレスが強く撹乱の小さい生育場所に
適応したストレス耐性戦略(S, Stress)、ストレスが小さく撹乱の大きい生育場所に適応した
撹乱依存戦略(R, Ruderal)の3つのことなんです。
それで、CSRと言っているんですね。 なお、ストレスが強く撹乱の大きい場所に
生育できる植物はないためこれは考慮しないというのもなるほどとうなずけます。
ストレスの強さと撹乱の強さを縦軸、横軸にとった場合、3つの生存戦略が三角形のそれぞれの頂点に
位置するため、「三角形」というのだそうです。
(ネットから・・)
競争戦略(C) とは、植物が、ストレスが小さく撹乱も小さい場所で生育し、他種との競争に
勝利して旺盛に繁殖する戦略を言います。その戦略をとる種は、生長速度が速く、種子や地下茎などの
繁殖器官の生産力が高く、高い表現型可塑性を示すといった、他種との競争に強い性質を持っているのです。
ここでまた、難しい用語が出てきました。
表現型可塑性(ひょうげんがたかそせい)とは、生物個体がその表現型を環境条件に応じて
変化させる能力のことである。 もうちょっと分かり易く言い換えますと、
一般的に、表現型可塑性は移動力のある動物よりも、植物など移動できない生物において
より重要なんですね。なぜなら、動けない生物はその環境に順応できなければ死ぬしかないが、
動けるなら不利な環境を離れることができるからです。多くの植物が、水や塩分、栄養等の
環境条件に応じて表現型を変化させる能力を持っています。
たとえば栄養の乏しい土壌では根により多くの資源を配分し、葉の大きさと厚さを変える
ことなどがあります。根における輸送タンパク質の量も、土壌の栄養と塩分によって変化する
ことが知られています。たとえば、水草のウキシバは、水位が低くなると斜め上に伸びる「抽水型」として生育するが、
水位が高くなると水面に浮きながら匍匐して成長する
「浮葉型」として生育する
次に、ストレス耐性戦略(S)についてです。
ストレス耐性戦略をとる植物種は、乾燥などのストレスが強く撹乱が小さい場所に生育している。
これらの種は生長が遅く、寿命の長い葉を持ち、栄養分を多く貯蔵しており、一般に
表現型可塑性はあまり示していない。ストレス耐性戦略をとる植物は、環境ストレスに反応して
生理学的な変化を起こすことで、ストレスへの耐性を高めている。
そのような種は高山や乾燥した土地、日がほとんど当たらない環境、栄養分が乏しい土地、
pHが高い土地などで生育しているのです。
ストレス耐性戦略を取る植物に、イグサ、クロマメノキ、セイヨウメシダ、
ヨーロッパシラカバなどがある。
さらに、攪乱戦略(R)とは、
撹乱が大きくストレスが小さいような場所で取られる戦略です。
撹乱依存戦略をとる植物は、生長が速く、短期間のうちに生活環境を完了して、非常に多くの
種子を生産するのです。これは雑草的な特徴であり、撹乱が起きたばかりの土地でこの戦略を取る
植物がよく見られます。一年生植物に多い戦略です。
蓼科の畑でも、毎回大変な雑草との戦いを演じていますが、雑草はなぜ強いのか?
雑草は自然界の中で他の植物に比して強い競争力を持って生きています。日の光をより多く
とり、地中の水分や栄養をより多くとり、自分の子孫をたくさん残せるように戦略を立てて
いるのです。つまり、競争戦略Cです。たとえば、他の植物と日光の奪い合いになったとき、
より背を高くして他の植物に勝つような戦略です。また、たとえば乾燥状態になったとき、
より成長したり発芽できたりするためにストレス戦略Sをとるのです。
撹乱依存戦略Rは、草刈りを行った後にすぐに草丈を回復できることなどの戦略です。
それぞれの状況に応じて、戦略をうまくとっている植物が繁殖しているということなんですね。
多くの園芸植物は人の手で大事に育てられており、これらの植物と自然界で競争しながら
生きるとなると他の植物に負けやすいのですね。だから雑草は強いのです。
蓼科農園では、最近鹿が、植物の芽をおいしそうに食べてしまう害が発生してきました。
この攪乱には全く無抵抗ですから困ったものです。モグラやその他の動物も出没するように
なりましたが、山に餌がないから、里に下りてくる・・のではないそうで、土地の人が言うには、
「山のものより、味がおいしいから・・」なんだそうですね。
さあ、私たちも何か戦略をたてないと・・・。