最近、怪しげな犯罪が増えてきているらしい。
ネットバンキングなどの利用者に不正アクセスして、暗証番号などを盗んで預金をおろし、
それを第三者を通して目的の口座に振り込むという新たな巧妙な手口のようだ。
この手口、マネーミュールと呼ばれている。
ミュールは英語のmuleで、ラバという意味“マネーミュール”とは犯罪収益の運び屋のことを指す・・
とあります。
もう少し具体的に見てみると、
まず、犯行グループがインターネットバンキングの利用客の口座のIDとパスワードを盗んで不正アクセスし、
別途募集した第三者つまり、マネーミュールの口座に送金する。
そしてそれを犯行グループの海外口座に送金させる、というものである。
送金の際には、銀行などと比べて本人確認が甘い海外送金サービスが利用されることが多い。
例えば、求人サイトなどを利用して就職希望者を募集し、応募者がいるとこの応募者を第三者
(協力者)として利用する。
募集内容としては、「口座に振り込まれるお金を海外に送金するだけで報酬を支払う。」というものなので、
その甘い文言にひかれ、本人は全く犯罪と認識せずに協力してしまうというケースが多いという。
新手口は、このような不正送金によってマネーロンダリング(資金洗浄)を行っている。
そのため、不正送金に警察の捜査が及んだ場合においても、協力者は全く犯行グループについて知らないため、
犯行グループに到達することがないという巧妙な仕組みである。
昨日の読売新聞のトップ記事にもなっており、それによると、この不正送金は昨年4,500万円だったのが
今年は既に11億8千万円を超えているという。関わっている人数は242人でそのうち日本人が149人いるという。
恐らく、まだ判明していない部分も多いかもしれない。
急速に被害が拡大しているインターネットバンキングの不正送金について、早急な対策案の構築が
求められるところである。
いずれにせよ、気を付けることですね。
ミュール(mule)を調べてみると、ネット時代からでなく、昔から使われていることがわかります。
ネット記事から、
ラバ
(ネットから)
“背中に荷物を載せて運ぶ家畜としても利用されているラバで、ロバと馬の交配で生まれる動物。
転じて、国境を越えて麻薬を不正に密輸する旅行者などを装った運び屋のことで、
ドラッグミュールdrug muleという表現で使われる。” とありました。