リオ五輪、甲子園では熱戦が繰り広げられています。
テレビ視聴時間がどうしても長くなり、エアコンにも積極的に
お世話になっていますので、この夏の電力は大変かもしれませんね。
そんな中、昨日、8月16日は京都の送り盆の行事として世界的に有名な「五山送り火」があり
ました。 折しも、前夜から断続的に降り続いた雨により、鴨川の増水をはじめ道路の浸水など
被害が続出したといいます。 当日も、昼頃には1時間に84.5ミリという猛烈な雨を観測し、市内
各地では五条通の高架下が冠水で通行止めとなり、他にも堀川通をはじめ市内各地の道路で水道管が
破裂して噴水のように水が吹き出たりアスファルトに亀裂が走るなど被害が出たそうです。
それでも、昨夜の五山送り火は中止することなく挙行されたそうです。本来、京の夏の夜空を
焦がす京都の名物行事・伝統行事で、葵祭、祇園祭、時代祭りとともに京都四大行事の一つとされる
一大イベントですが、さすがに昨夜は、人出が3万人とぐっと少なかったようです。 午後8時を
合図に、東山如意ケ嶽の「大文字」が点火され、その後5分おきに松ヶ崎西山・東山の「妙・法」、
西賀茂船山の「舟形」、大北山・左大文字山の「左大文字」、嵯峨鳥居本・曼荼羅山の「鳥居形」に
それぞれ点火され、雨に見舞われるも、伝統の火は絶やさなかったのです。
大文字 妙法 舟形 左大文字 鳥居形
(いづれも、京都市観光協会HPより転写しました。)
記録によると、昭和38年ごろの豪雨では、1日順延されたそうで、戦時中の3年間の灯火管制下で
中止があった以外はずっと継続しているようです。
ネットによれば、―般的に、送り火そのものは盆の翌日に行なわれる仏教的行事であり
(「報恩経」)ふたたび冥府にかえる精霊を送るという意昧をもつとされ、仏教が庶民の間に深く
浸透した中世、それも室町以後になれば、通説によれば、この夜、松明の火を空に投げ上げて虚空を
行く霊を見送るという風習があり、京都五山の送り火は、これが山に点火されてそこに留ったもの
であるといわれる・・とあります。
しかし、 この行事が、誰が何時 はじめたものか?などの起源については、残念ながら明らかで
なく、京都市観光協会HPによれば、『① 時期は 平安初期、創始者は空海、 ② 室町中期、
足利義政、③ 江戸初期、近衛信尹 など それぞれに俗説があるとしていて、①は「都名所図絵」
などに記されるところで、往古山麓にあった浄土寺が火災にあった際、本尊阿弥陀仏が山上に飛来
して光明を放ったことから、その光明をかたどって点火したものを、弘法大師(空海)が大の字に
改めたという。その後近世に至るまで如何なる記録にも大文字のことが記されていないから全くの
俗説にすぎない。②足利義政を創始者とする「山城名跡志」説は、義政の発意により相国寺の
横川景三が指導して義政の家臣芳賀掃部が設計したとしている。③近衛信尹の説は寛文2年
(1662)に刊行された「案内者」によると次の如く記されている。「山々の送り火、但し雨降れば
のぶるなり…松ケ崎には妙法の2字を火にともす。山に妙法といふ筆画に杭をうち、松明を結び
つけて火をともしたるものなり。北山には帆かけ船、浄土寺には大文字皆かくの如し。大文字は
三藐院殿(近衛信尹)の筆画にてきり石をたてたりといふ。」』とまぁ、種々あり、これが決め手
というものはないようです。
起源は定かではありませんが、お盆にお迎えしたご先祖様の霊を再び送り出す、京都の伝統行事は、
雨の中 如意が嶽の「大」の字が夜空に浮かぶと京都市内は幻想的な雰囲気に包まれたという。
また、ウイキペディアに、五山送り火にまつわる、エピソードがありましたので、ここに引用します。
- 明治以降、夏以外に戦勝などのイベント絡みで数回点火されたことがある。直近では2000年12月31日に五山全部で点火された。
- 2003年9月13日の夜には、当時、18年ぶりのリーグ優勝目前の阪神タイガースファンのおよそ25人が大文字山に登り、各々の懐中電灯で阪神のHTマークを照らし出した騒ぎがあった。
- 京都市眺望景観創生条例に基づいて、各五山への「しるしへの眺め」が損なわれないように建築物に規制が課せられている。
- 2011年8月16日開催分において、東日本大震災被災地である岩手県陸前高田市の被災松を一旦受け入れたものの、一部の放射能汚染を不安視する声を受けて8月6日受け入れ中止となった。その後主催者側の決定に対し抗議・非難の電話が殺到したため、同月11日に一度は中止の決定を覆したものの、新たに取り寄せた松から放射性セシウムが検出されたため、翌12日には被災松の使用中止という結末となった。
- かつては、一般人が送り火の当日に大文字山に登って、火のすぐ隣で送り火を見ることが可能であった。しかし、危険でもあり、送り火の最中にフラッシュを焚いたり、懐中電灯を点灯する登山者が多く、市街から見て見栄えが良くないため、現在では一般人は点火当日は13時までに下山をし、それ以降は禁止している。
雨の中の五山送り火(妙)