最近よく耳にしますので、ご存知のことでダブルかもしれませんが、そのサワリを整理して
みましたので、記事としてアップします。 最新のIT(情報技術)の世界の急速な進歩に
ついて行けず、概念的な理解に留まっているところが多いため、記事は分かりにくいかもしれ
ませんが、理解を進めるきっかけになればと、恥ずかしながら敢えてまとめてみました。
フィンテックとは、ファイナンスFinanceとテクノロジーTechnologyを掛け合わせた造語で、
FinTech と表され、言葉自体は、2003年にアメリカ業界紙に発表されているようですが、
2014年あたりから急激に台頭してきた、新しい「金融サービス」です。 この、新しい金融
サービス実現に向けて、伝統的な金融機関(メガバンク、カード会社等)だけでなく、その
情報子会社、金融系システムインテグレーター、さらには「スタートアップ」と称される、
金融系ITベンチャー企業による急速な投資が行われているようです。昨年暮れあたりには、
これら関連企業の株価が急騰したそうです。
(ビリングシステム㈱HPより)
この8月23日のテレビ朝日ネットで、『日銀・黒田総裁:「フィンテックという新しい金融
サービスが発展を遂げていくうえでは、IT産業や流通業、スタートアップ企業など、従来の
金融業の枠を超えた幅広い主体間での前向き かつインタラクティブなコミュニケーションが
極めて重要と考えられます。」 として、日銀が主催したフォーラムには、日本の大手の通信、
IT企業に加え、ベンチャー企業など約60社が参加しました。今回はサイバー攻撃や不正利用を
念頭に、顔や指紋を使った生体認証や仮想通貨など、新たな金融関連技術のセキュリティー
問題が主な議題となりました。・・・2015年の世界での投資額は2兆円を超えるなど市場規模が
急速に拡大しています。』 と発表されています。
8月24日の読売新聞経済欄にも、この事が報じられて、併せてフィンテックについて解説が
されていました。 元々、金融業界へのコンピュータ導入は早く、これを接続したオンライン
ネットワークが構築されたのは、およそ50年も前のことになり、すでにこの分野のITは、
成熟している?と思われるのに、なぜ今、「フィンテック」なのか?について、新聞では
「これまでの金融業界では、安全性、機能性を第一とする大規模なシステムを作ってきた。
莫大な投資が必要で、既存の金融機関が手掛けるのが常識だった。ITの高度化が状況を
大きく変え、スマホの高機能化や気密性の高いクラウドサービスが低価格で利用できるように
なった。IT大手などの異業種や、高度な技術を持つベンチャ―企業が参入しやすい環境が
整い、技術の進化を主導する。」とありました。
で、新しい「金融サービス」とはどのようなものか? これについては今後さらに新しい
アイデアから次々と生まれてくるようですが、富士通総研の記事には、「利用者の目線から
“安く、早く、便利”に変えていこうとする動きが活発化している。代表的なフィンテック・
サービスとしては、PFM(Personal Financial Management: 個人のお金に関わる情報を統合的に
管理するサービス)、ロボ・アドバイザー(人工知能(AI)活用による投資助言サービス)、
マーケットプレイス・レンディング(資金の貸し手と借り手を仲介するサービス)、モバイル
POS(スマートデバイスを利用してクレジットカードでの支払いを受け入れることができる
サービス)などが挙げられる。」とありますが、やや難しい感じですが、たとえば、スマホ
などに小さな器具を取り付けるだけでクレジットカード決済が出来たり、指紋だけで支払いが
出来る「手ぶら決済」や自動で家計簿をつくることが出来るクラウド家計簿、AI技術を組み
合わせた資産運用などが挙げられています。
先日、テレビでは、箱根あたりの観光地で実証実験が行われている様子が紹介されていました。
旅館などで事前に、指紋などを登録しておけば、お土産店や利用のお店で指紋だけで決済されて
いました。また、どこかの海水浴場でも、指紋による決済が紹介され、財布を持たなくても
買い物、飲食が出来る・・といった場面が流れていました。
このような、エッジ的な技術による新しいサービスが次々と出現してくると思われますが、
このフィンテックを支える基盤技術として、あのビットコインで有名になった「ブロック
チェーン」技術があります。ブロックチェーンとは、これまで1つのコンピューターで集中的に
管理していた取引記録(トランザクション=ブロック)を複数のコンピューターで共有する
仕組みで、これらの取引記録(ブロック)が次々とチェーンのように繋がって、ネットワークに
属するコンピューターすべてに記録される仕組みのことなんですね。P2Pの接続ですね。
P2P接続概念
(ウイキペディアより)
複数で共有しているから、どれか1つが故障してもシステムは大丈夫であるほか、集中
管理に比して分散されているからシステム費用が大幅に削減されるというのです。 そして、
複数で、記録がチェーン状になって情報共有されていますから、改ざんや不正取引が防げるとされています。
このフィンテック、今後の課題は、やはり何と言っても顧客保護と利便性の両立を考慮した
法整備があげられています。そして技術的にはセキュリティでしょうね。
このような時代が来て欲しいのか、欲しくないのかさっぱり理解できないでいます。
注)フィンテックへの投資額推移のグラフを掲載していた、ビリングシステム㈱を調べてみましたら、
設立は平成12年6月、資本金12億強、会社は内幸町の帝国ホテルタワー13Fとありました。