蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

発明の日

2018-04-19 | 日々雑感、散策、旅行

昨日、4月18日は、発明の日でした。

 “発明”などからは、ついぞ遠ざかっていたような気がしますが、この日に因んで少し
状況などを見てみたいと思いました。

 ウイキペディアによれば、『 発明の日は、産業財産権制度の普及・啓発を図ることを
目的として1954年(昭和29年)に制定された記念日で、毎年4月18日である。
』とあります。
 ずいぶん昔に制定されていたのですね。 その背景も出ていました。
そもそもは、『現在の特許法にあたる「専売特許条例」が、1885年(明治18年)4月18日に
公布されたことに由来する。
』とあり、これが、上述の昭和29年に通商産業省(当時)に
より制定されたということなんです。

 この日を中心に、特許庁や経済産業省の地方経済産業局等によって様々なイベントが開催
されているようです。そして、この1週間を、科学技術週間とされているのです。

          (特許庁HPより)

 特許庁HPによれば、専売特許条例は、明治18年4月18日に 初代特許庁長官である
高橋是清らによって交付されたとあります。 そして、遠くアメリカでも、第16代大統領、
エブラハム・リンカーンは、大統領に就任する前年の1859年の演説で、「特許法は、発明者
に一定期間、独占権を補償することによって、天才の火に利益という油を注いだ」と述べて
おり、特許制度に支えられた産業を礎として、20世紀にアメリカは大いなる繁栄を遂げまし
た・・ともありました。

 そうなんですね。 日本でも、特許制度が導入されてから、多くの発明者や研究者の方々
が努力し、特許を生み出し、経済成長をもたらすとともに、私たちの生活を便利にしてきま
した。

 特許庁が挙げた、日本の10大発明家が載っていました。そのまま転記します。

●高峰譲吉 1854(安政元)年生まれ  消化酵素「タカヂアスターゼ」の発見。現在も
 胃腸薬などに用いられている。また、副腎分泌ホルモン「アドレナリン」の結晶化にも
 成功。止血剤や強心剤に使用される。

●豊田佐吉 1867(慶応3)年生まれ  木製人力織機、木製動力織機の改良と開発を続け、
 世界発の完全無停止杼換式自動織機(布を織るスピードを落とさず、よこ糸を自動に補充
 できる織機)を発明する。


●御木本幸吉 1858(安政5)年生まれ  養殖真珠で真円真珠を生産する技術を開発。
 「ミキモト・パール」の名で世界に普及した。


●池田菊苗 1864(元治元)年生まれ  うまみ成分「グルタミン酸ナトリウム」の解明と
 工業化に成功。味の素の創設者鈴木三郎助によって調味料「味の素」として国内外に普及
 した。


●鈴木梅太郎 1874(明治7)年生まれ  米ぬかからビタミンB1を抽出に成功。その後、
 愛弟子高橋克己博士と、タラの肝油からビタミンAの分離・抽出に成功した。

 

●本多光太郎 1870(明治3)年生まれ  従来の3倍の抗磁力を持つKS鋼、さらに数倍の
 抗磁力を持つ新KS鋼を発明。これら磁性材料の発明は、計測機器の性能を飛躍的に向上
 させた。


●杉本京太 1882 (明治15)年生まれ  字数が多く複雑な邦文(和文)のためのタイプ
 ライターを開発。ワープロが普及するまでの間、長期にわたって使用されていた。


●八木秀次 1886(明治19) 年生まれ  極めて簡単な構成で電波の指向性通信を可能す
 る「八木アンテナ」を開発。しかし、当時の日本では理解されず、欧米でまず実用化され
 ることに。第二次世界大戦では、相手国のレーダー用アンテナとして利用され、日本人を
 驚かせた。


●三島徳七 1893(明治26)年生まれ  ニッケル鋼にアルミニウムを添加したMK磁石鋼と
 よばれる永久磁石を発明。安価で小型化できるため電子機器や通信器、航空機や自動車な
 ど、産業機器に幅広く使用される。


●丹羽保次郎 1893(明治26) 年生まれ  現在のFAXの基礎となる写真電送装置を開発。
 これによって昭和天皇即位式の写真が京都から東京まで電送された。

 う~ん、そうなんですね!

 昔は、特許出願をこぞって促進していましたが、近年は少し穏やか(というより下降
気味)となっています。しかし、特許登録件数は増加していますから、以下の図のように
その効率は高まっていると考えられますね。 また、あわせて、世界の5大特許庁での特許
出願件数推移を挙げておきます。
       

 

 
                                (
以上特許庁HPより) 

 

 全国でも、いろんなイベントが行われているかもしれませんが、東京では、下記の
セミナーがあったようです。 

  発明の日記念セミナー2018 「判例に見る地財活用の現状と今後の展望」

    ◆講 師:知的財産高等裁判所 所長 清水 節 氏
    ◆日 時:平成30年4月16日(月)14時00分~17時00分(科学技術週間)
    ◆会 場:発明会館7階研修ルーム    東京都港区虎ノ門2-9-14


 当ブログの2017.9.8「論文数」の記事とも関連する部分もあるかと思いますが、特許
出願の内容も、時代とともに変化し、現状では、物理化学関連が依然多いものの、情報
関連や薬学・バイオなどの出願も多く推移しているのではないかと思われます。
 最近の傾向として、すぐに製品などの役に立つ(金になる)部分に注目されているよう
にも感じますが、真に実力ある国に成長するためには、やはり特許に結び付く基礎研究が
充実される必要があるのでしょう。

 

 

 

 

 

 

コメント
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