一昨日は、京橋・孤松庵にて、pookyさんによる「お茶事」が設けられ、蓼科浪漫倶楽部
東京メンバ―6人がお招きにあずかりました。
pookyさん奥様(亭主)のお点前で、正客 児玉先生のなめらかでそして格式と意味合いを
巧みに織りなすリードに、八寸とお濃いとお薄のお茶をいただき、和やかで心の通った、
寛ぎすら覚える楽しいお茶事を体験させていただきました。
ちょうど時を同じくする、4月第2日曜日とその前日土曜日に奈良・西大寺で行われる
『大茶盛式』が、今年は、この土・日にあったのでした。
こちらは、私たちのお茶事とはちがって、5㎏ほどもある大茶碗で回し飲みするという
行事で、800年の伝統を持ち、今や観光の一つとして位置づけられて賑わっているようです。
(大茶盛は、1、4、10月に行われているとありました。)
西大寺HPより、謂れや、その様子などを、拾い読みの形で以下にご紹介します。
『 大茶盛式は、延応元年(1239)年に叡尊上人が八幡神社に献茶した余服を民衆に振る舞っ
たことに由来する伝統行事で、「戒律復興」(不飲酒の戒め)、「民衆救済」(当時高価な
茶を民衆に施し 医療・福祉の実践)そして「一味和合」の3つを意味しているとあります。
この最後の「一味和合」の意味は、同じ一つの味をともに味わって、和みあい結束を深め
るという意味を持っており、同じ一つの大きな器でたてた同じ味のお茶を、そこに集まった
人々が、皆で助け合いながら同じ茶碗から廻し呑みして、和合を深めるということなんですね。
つまり、仲たがいすることなくお互い助け合いながら結束して同じ目標に向かって修行に
励むための、釈尊が定めた規範の一つなのだそうです。』
大茶盛式
(ネット画像より)
一昨日の、京橋で催されたお茶事も、まさしくこの意味を言い当てている和やかで心が通じ
合った 印象に残る楽しい場でありました。
西大寺は、近鉄奈良線の「大和西大寺駅」近くにありますが、その歴史は古く、平神護元年
(765)に 称徳天皇が、金銅製の四天王像を鋳造されたのがそもそもの起こりで、父・聖武天皇
が平城京の東郊に東大寺を創建したのに対し、宮西の地に本格的伽藍が開創されたとあります。
しかし、その後衰退し、荒廃してしまうのですが、鎌倉時代半ばに、上述の 叡尊上人が、
1235年に当寺に入住して再興するのです。
西大寺(本堂)
(西大寺HPより)
年間、色んな行事が行われますが、主要行事として、毎年10月3~5日に厳修される光明真言
土砂加持大法会と、春秋二回に行われる大茶盛式が挙げられていました。
前者は叡尊上人が一門結束と民衆廻向を二大眼目にして創始した最重要法会で、後者は同じく
上人による八幡神への献茶した余服の茶を、薬種として、また「一味和合」の精神で、参詣の
人々に振舞ったことに由来する、巨大な茶碗で回し飲みする茶儀として多くの参拝客で賑わう
とあります。
光明真言大法会
(ネット画像より)