5Gは、第5世代移動通信システムのことで、5th Generation を略して、ファイブ・
ジー とかゴ・ジーなどといています。 無線通信システムは、携帯電話からスマホに
なって、さらに進化して行くのです。
私が北陸に勤務していた‘85年前後のことですが、お客様の中に電話マニア?のような
方がおられ、ある時食事にご招待した折、座敷にまで、当時の携帯電話(ショルダーホン)
を持ち込んでこられて、食事前のひととき、電話談義に盛り上がったことを覚えています。
(ネット画像より)
1980年あたりには、自動車電話サービスが生まれ、続いて‛85年に上述のショルダー
ホンへと進むのでした。これが移動通信方式の第1世代(通信規格1G)と呼ばれ、アナ
ログ方式で音声通話が出来ました。 ‛90年代には、デジタル方式の2Gとなり、メールや
インターネット接続が出来るようになりました。
この頃からだんだんケイタイは、お馴染みとなり、2000年代には、3Gになり、より
高速になり、音楽やゲームの配信、写真の送受信も広く行われるようになりました。さら
に、通信速度が高速(LTE)となり、現在の4G(スマホ)のように動画視聴やSNSが定着
しています。
このような移動体通信の進展とさらに今後導入が予定される5Gのサービスなどを比較
して表にまとめてみました。
5Gの特徴は、3つあります。①は、高速・大容量で、通信速度は、4Gの最大100倍ほど
早くなり、2時間映画が3秒でダウンロードできるとあります。(4Gでは5分)
②つ目は、低遅延で、データの送信受信までの時間が極めて短い。4Gの1/10以下で、
0.001秒程度となります。 ネットワークの遅延が少なくなることから、遠隔医療や自動
運転などへの適用が見込まれています。低遅延の実現は、基地局と端末間でデータ送信を
行う際の伝送時間間隔(Transmission TimeInterval:TTI)を0.25ms(LTEでは1ms)にし、
データ送受信時の待ち時間を1/4に縮めています。さらに、5Gでは高い周波数帯を用いる
ことで、広い帯域幅により多くのデータ量を伝送できるようにしているのです。
③つ目は、多数同時接続です。従来は、受信強度の一番高い端末からの電波だけを受信
するようにしていたのを、受信する電波の強度順に処理して行く方式にしているため、
複数の端末からの電波を処理できるようにしているので、現4Gの30~40倍にあたる1k㎡
あたり100万台の機器が接続できる機能を実現しています。このことは、今後、IoT時代に
向けた多数端末を処理するための必須な機能です。
従って、5Gでは、①、②の機能(要求条件)を実現することにより、これまでの4Gか
らの単なる発展形態ではない新しい「産業革命」とも言われる 未来への大きな可能性を
持つとされています。 つまり、多くの端末が同時に接続可能で、反応速度が速く、もち
ろん高速で大容量データの転送が出来るのですから、いろんなセンサー、制御機器、さら
には、AIなどと組み合わせることによって、通信関連だけでなく、医療・福祉、交通、
物流、農業、サービス業など広い範囲にわたる産業構造変化が期待できるともくろまれて
いるのです。
しかし、これらの実現に向けては、マイクロ波使用による、ビル影などにより電波が
届かないため、基地局をたくさん設置する必要がある上、端末の電力消費が早いなどの
克服すべき課題もあります。 5Gの本格サービス運用は2020年からのようですが、当面
は都市部やイベント会場など限定的なサービスとなりそうです。 全国的なサービスには、
さらに4~5年かかると予想されています。
今年1月のCESでの最大イベントは、やはり5Gでした。
当ブログ「CES’19」(2019.1.12)ご参照ください。
【イメージムービー】Connect future ~5Gでつながる世界~(3分ver)