ストレスに如何に対処するか? という話です。
現代は、通勤電車内でも、職場や学校、家庭でもストレスを感じることが多いですね。
“ストレス社会”とも言われることがありますが、これにどのように対処して行くかの方
法に「コーピング」があります。 最近では、労務管理や人事管理部門など会社として
この問題に取り組んでいるところもあるようです。
(ネット画像より)
その昔、私なども、30数年ほど前に、「メンタルヘルス」という言葉で、これに近い
事案に接したことがありましたが、このところ、あまり耳にしなくなっていたところです。
コーピングは、メンタルヘルスの一部のストレス対処方法ですが、まず、メンタルヘルス
について今少し見てみたいと思います。
ウイキペディアに、世界保健機関の定義がありました。『 精神的健康(メンタルヘルス)
とは、単に精神障害でないということではない。それは、一人一人が彼または彼女自らの
可能性を実現し、人生における普通のストレスに対処でき、生産的にまた実り多く働くこと
ができ、彼または彼女の共同体に貢献することができるという、十全にある状態である 』
と定義されています。
つまり、メンタルヘルスは、精神障害でないだけでなく、自身の可能性を実現し、共同体
に実りあるよう貢献して初めて達成されることだと言っているのですね。確かに精神状態が
良くなければ、自分自身に身が入らないうえ、したがって成果も出ない、周りにも好影響を
与えることが無い すべてがマイナスなんですね。
で、コーピングということですが、降りかかってくるストレスを無くすのではなく、自分
のストレスに気づき、それの対応力を付け、自分で自分を楽にする方法のことなんですね。
コーピング(coping)は、英語でcope「問題に対応する、切り抜ける」という意味です。
以下には、ネット(カオナビなど)および冊子記事(伊藤絵美氏、臨床心理士)から参照
した内容をまとめました。
一般に、ストレスの発生源→それを認知→ストレス(発生)→精神・身体に悪影響→スト
レスが蓄積して、うつ病、内臓疾患などに陥る という流れにあり、ストレスを感じ、悩ん
でしまう前に このストレスを意図的に対応しようというコーピング(対処方法)があると
いうのです。
コーピング同様、人間がストレス反応に対処する能力に、「適応機制(防衛機制)」が
ありますが、これは、辛い環境やストレスから精神を守るために、本能的に働く 心の防衛
反応で、無意識のうちに行われますので、意識的に行うコーピングとは少し違うのです。
また、 同じ出来事を経験しても、ストレスだと感じる人と感じない人がいるのは、
「出来事の受け止め方」とコーピングに個人差があるからです。そして、受け止め方が同じ
でもコーピングの違いで ストレス反応が変わることがあるのですね。
したがって、ストレスとうまく付きあっていくには、コーピングを「たくさん持っている」
こと、そしてストレスに応じて「柔軟に使い分けられる」ことが大切だと言っています。
(ネット画像より)
では具体的にコーピングとはどんなものかといえば、 問題焦点型(原因を解決すること
に重点を置く)と 情動焦点型(感情の制御に重点を置く)の2つの段階があり、それぞれに
自分なりにできるだけたくさんの事例を事前に列記しておき、ストレスを感じた時にそれら
にふさわしい行動をしてみようという方法なんですね。 つまり・・
「問題焦点型」は、ストレスの原因を根本的に取り除いて、その状況から抜け出せるよう
行動することで、たとえば、
・人間関係や環境を変化させて原因となる物事から遠ざかる
・問題が起こったときに家族や友人、上司や同僚などの身近な人に相談する
・自分で調べる
などで、「~してはいけない」「~一刻も早く解決すべきだ」という思い込みは、むしろ
ストレスですからこれらから解放されるよう、自分の考え方を修正することや、極端にこの
問題から逃げるのもコーピングの一手法といえるとあります。
原因を避けるといっても、職場の上司や親戚関係など避けることが困難な場合は、次に
述べる対処方法により自分を客観視してみるというのです。
「情動焦点型」は、感情にアプローチすることを重要視し、辛いと感じる気持ちを変化させ
たり解消させたりして、ストレスをコントロールします。
たとえば、
・気分が暗くなるようなことは考えない
・気晴らしのため好きなことする
などで、具体的には、
・仲の良い友人や同僚に辛い気持ちを話してガス抜きする 友達と食事に行く
・マッサージやヨガ、アロマテラピーなどでリラックスする
・趣味や旅行などで発散 好きな音楽や本で気分転換する 好きな景色を思い
浮かべる
・頭を悩ませている問題から少し遠ざかり、落ち着く時間をつくる 寝てしまう
(ネット画像より)
ストレスとうまく付きあっていくには、これらのコーピングを「たくさん持っている」
こと、そしてストレスに応じて「柔軟に使い分けられる」ことが大切だと言っています。
具体的な考えや行動例を「レパートリー」といって、このレパートリーをできるだけ
たくさん(例えば100個とか)書き出しておいて、いざという時に使い分け、役立てるの
です。
ストレスとうまく付きあっていけるように、自分にぴったりなコーピングをたくさん
探して、持っておけると安心です。
現役の時、家に持ち帰った仕事がうまく進まず困ったときなど、“とりあえず寝る”が、
今から思うと、私のコーピングの一つだったのかも知れません。