うららかな陽気に あちらこちらの桜は今、満開の季節を迎えています。
『世の中に たえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし』
在原業平朝臣、古今和歌集
新型コロナで巣ごもりに疲れはて、たまりかねた人たちは静かな花見を楽しんで
いるのでしょう、テレビなどの映像では、かなりの人出のように見受けられます。
新規感染者数はここに来て再び増加傾向にあり不気味にさえ感じています。
京都の桜です。 清水寺の桜、丸山公園の桜、平安神宮の桜・・いえいえ、その
近くの蹴上(けあげ)インクラインの桜もそのスポットの一つなんですね。
京都といえば、お寺巡りなどや祇園、南座、歌舞練場・・などしっとりとした古
風・優雅なイメージが先行しますが、ここに取り上げました、蹴上インクラインは、
歴史的産業遺産として、むしろ技術的な興味が詰まった名所といえましょう。
蹴上インクラインの桜
(ネット画像より)
地下鉄東西線の蹴上駅から3分ほどのところで、南禅寺のすぐ近くです。琵琶湖
疎水といえば、この南禅寺境内を通る、「水路閣」や「哲学の道」などが知られて
います。
(蹴上インクラインHPより)
インクラインとは、傾斜鉄道のことで、琵琶湖疎水の舟運ルートの落差部分を、
船荷共々そのまま渡りきる施設のことで、ここ蹴上インクラインは、全長582m(世
界最長)、高低差36mをケーブルカーのように、レールの上の台車に舟を載せ、動力
で引っ張り上げるという施設なんですね。
産業遺産として 蹴上インクライン
(京都市上下水道局HPより)
最近、スエズ運河で大型コンテナ船が座礁して解消に難渋していますが、パナマ
運河では、太平洋・大西洋両海面の落差のために閘門式運河とされています。
蹴上インクラインの桜もなかなかのスポットのようです。 京都上下水道局
(蹴上インクライン管理)では、今年初めて、3/27~4/8の間、蹴上インクライン
の桜、ねじりまんぽ附近ほかのライトアップが実施されるようです。
末尾にyoutubeによる解説動画がありますので、ご覧いただければと思いますが、
蹴上インクラインについて、京都市上下水道局HPにも詳しく紹介されていました。
『 明治14年2月,京都府知事に任命された北垣国道は,京都に近く水量の豊かな
琵琶湖に着目し,疏水を開削することにより,琵琶湖と宇治川を結ぶ舟運を開き,
同時に動力(水車),かんがい,防火などに利用して,京都の産業を振興しようと
しました。』に始まり、明治23年3月に大津から鴨川合流点まで完成し,翌年1891年
から1948年(昭和23年)まで実用に供されたのでした。 産業遺産として保存する
ために1977年(昭和52年)に復元されたとありました。
私は、何かの時に訪れたことがありましたが、もちろん桜の時期ではなく殆ど印
象に残っていませんので、別の機会があれば改めてもう一度行ってみたい気になり
ました。
琵琶湖疏水と蹴上インクライン 解説