ようやく梅雨らしい(鬱陶しい)雨続きの毎日かと思いきや、梅雨末期状態のよ
うな豪雨に見舞われています。 列島の太平洋岸沿いに梅雨前線が停滞し各地に大
雨をもたらしています。 伊豆山の土石流の被害や各地の避難指示など、折からの
コロナ禍の中痛ましい災厄に見舞われ、大変な思いで過ごされていることでしょう。
お見舞い申し上げます。
豪雨災害は毎年のように各地で起こり、何とかならないものかと思います。そし
て最近では、集中豪雨で、1時間に100㎜を超える雨量の大雨が観測されたりしてい
ます。 昔は30㎜を超える豪雨はそうなかったように思っているのですが、このと
ころ、50㎜超え、100㎜超えなども平気で起こっているようです。 昔は、1時間に
100㎜も降るなんてことは聞いたことがなかったように思っています。
雨の強さと降り方について、下表のように定められていますが、確かに50㎜と
いうのはすごい雨で、100㎜などではそれこそ滝つぼに入ったような感じなんでしょ
うね。
雨の強さと降り方 (気象庁HPより一部抜粋しました)
しかし、私の感覚は少し違っているのかもしれません。気象庁のHPに、全国51の
観測地点における1901年からの観測データを解析し、約120年にわたる1日の降水量が
200mm以上の大雨を観測した日数のグラフ(下記)がありました。
1日200㎜の降水量というのは、東京の平年の9月ひと月分の降水量に匹敵するそう
ですから相当な大雨なんですね。それがこのグラフから、確実に増加傾向にあるこ
とが示されています。
51か所における1日200㎜以上の年間回数グラフ (気象庁HPより)
また、1976年以降について、空間的にきめ細かな観測を行っているアメダス(全
国約1,300地点)のデータを見ても、「滝のように降る」1時間あたり50mm以上の
短時間の強い雨の頻度も増加傾向にあることが示されています。
など、雨の降り方に変化が見られます。
1時間50㎜以上の年間発生回数 (ウエザーニューズHPより)
上のグラフは、1975年からですから、私の子供のころはさらに20年以上前のデー
タとなり、このグラフからさかのぼって推定するしかありませんが、しかし、1時間
に50㎜以上というのは、あったことになるのですね。
まぁ、私の思いなどはどうでもよいことですが、長期間に見れば確実に短時間降
雨量が50㎜を超える回数も、1日200㎜を超える日数もともに増加傾向にあることは
事実ですね。 夏の最高気温が猛暑日を超える日数も増加傾向にありますから気象
は確実に変化しているといえるのでしょう。
このような気象の変化の理由(原因)は何なのでしょうか? 気象庁では、『そ
の背景にある地球温暖化の影響を考慮しておく必要があります』としつつも、『地
球温暖化と大雨リスクの増加』と判断しているようです。
地球温暖化の影響というのは、温暖化によって海水の温度が上昇し水蒸気の量が
増加しそれだけ降雨量が増加するというものです。
『雨は、空気中に含まれる水蒸気が水となって地上に降るものです。空気には、気
温が高くなるほど水蒸気を多く含むことができるという性質があり、気温が高くな
ることで、一度の大雨がもたらす降水量は一般的に多くなります。』と解説されて
います。
また、ヒートアイランド現象が原因で積乱雲の発生による集中豪雨というのも加
わっているようです。
さらに、スパコンによる将来予測についても、ほぼすべての地域及び季節において
1日の降水量が200mm以上という大雨や、1時間当たり50mm以上の短時間の強い
雨の頻度が増加し、ともに全国平均で20世紀末の2倍以上になるという結果となり、
今後一層の大雨リスクの増加が懸念されるとあります。
将来(2076~2095年)日降水量200㎜以上年間発生回数予測 (気象庁HPより)
(灰色棒グラフは現在の回数、青色は将来の回数。横軸は地域)
これまでも言われてきている事柄ですが、これらによる気象災害が増加する傾向
にあるということは、直接的な災害増加と共に、人類にとって大きなボディブロー
であることを肝に銘じておく必要があるのですね。
今年11月に開催が予定されている『COP26』(イギリスグラスゴーにて)では、
前政権が脱退したアメリカは、バイデン大統領による復活参加で、先の「パリ協定」
の実行を確かなものとする会議が予定されているのです。
本文とは関係ありません。
Khachaturian: Sabre Dance / Ozawa · Berliner Philharmoniker